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たばこ税2兆円の使い道は?96%が知らない一般財源の仕組みを図解

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たばこ税2兆円の使い道とは?一般財源の仕組みと地域への貢献を徹底解説
読了時間:約7分

たばこ税2兆円の使い道とは?一般財源の仕組みと地域への貢献を徹底解説

「えっ、また値上げするの?」

コンビニでたばこを手に取った佐藤さん(42歳・会社員)は、価格表を見て思わず声を上げました。確かに負担は重い。でも、その税金がどこに使われているのか、佐藤さんは一度も考えたことがありませんでした。

実は、あなたが毎日通る道路、子どもたちが遊ぶ公園、地域の図書館——これらすべての整備・維持に、たばこ税が関わっているのです。

年間2兆円を超えるたばこ税は、私たちの生活インフラを支える重要な財源です。しかし、その仕組みや使い道について、喫煙者と非喫煙者の間で大きな認識のギャップがあることをご存知でしょうか。

この記事は以下の方に向けて書かれています:
税の使い道に関心がある20〜50代の社会人/地方自治や地域づくりに興味がある方/たばこ税の仕組みを正しく理解したい方

たばこ税の規模

2兆1,231億円

令和5年度(2023年度)のたばこ税総額(国税・地方税の合計)。内訳は国税が約9,591億円、地方税が約1兆790億円です。これは日本の税収全体の中で確実な財源として機能し続けています。

出典:財務省「たばこ税等に関する資料」、総務省「地方税収の状況」

「一般財源」という仕組みを理解する

使い道が固定されていない柔軟な財源

たばこ税を理解するうえで最も重要なのが「一般財源」という仕組みです。一般財源とは、使い道を特定せずに予算に計上される税金のことを指します。これに対して、特定の目的のために使われる「特定財源」があります。

たとえば、かつてのガソリン税の一部は道路整備という特定の目的に使われる特定財源でした(現在は一般財源化)。一方、たばこ税は消費税や所得税と同じく一般財源であり、地域が必要とする様々な施策に柔軟に活用できる財源なのです。

重要ポイント:認知度の大きなギャップ

ネットエイジア株式会社が2025年8月に実施した調査(20〜69歳の男女1,000名対象)によると、たばこ税が一般財源であることを知っている人の割合は、喫煙者で約47%、非喫煙者ではわずか22%でした。

つまり、非喫煙者の約8割がこの基本的な仕組みを知らないまま、たばこ税の議論に参加している現状があります。

出典:ネットエイジア株式会社「『喫煙・喫煙スペース』『たばこ税』に関する意識・実態調査2025」(調査期間:2025年8月1日〜8月4日、有効回答数:1,000名)

税収の内訳を見てみる

令和5年度のたばこ税の内訳を見ると、国税が約9,591億円、地方税が約1兆790億円となっています。特に注目すべきは、地方税が全体の約51%を占めている点です。つまり、たばこ税の半分以上は、あなたの住む自治体の財源として直接活用されているのです。

補足:たばこ特別税について

厳密には、たばこに関する税には「たばこ税」とは別に「たばこ特別税」という特定財源も存在します。これは旧国鉄やかつての国有林野事業から承継した債務の償還に充てられる目的税です。

令和5年度のたばこ特別税は約1,161億円で、たばこ1本あたり約1円が債務返済に使われています。一般財源であるたばこ税とは異なり、使途が明確に定められている点が特徴です。

私たちの暮らしを支える具体的な使い道

地域インフラの整備・維持

一般財源として集められたたばこ税は、私たちの日常生活を支える多様な施策に使われています。前述のネットエイジア調査によると、地方自治体の一般財源の使い道として最も認知度が高いのは「街路・公園・下水道の整備や区画整理」で、喫煙者・非喫煙者ともに約45%の人がこの用途を理解しています。

出典:ネットエイジア株式会社「『喫煙・喫煙スペース』『たばこ税』に関する意識・実態調査2025」
使い道の分野具体的な活用例認知度(喫煙者/非喫煙者)
都市基盤整備公園の遊具更新、街路樹の管理、下水道の老朽化対策45.2% / 45.2%
交通インフラ道路の舗装、橋の補修、歩道のバリアフリー化29.6% / 29.4%
防災・安全河川の改修、海岸の保全、消防設備の更新25.4% / 24.4%
教育施設学校の校舎改修、図書館の蔵書購入、博物館の展示更新24.8% / 25.0%
廃棄物処理ごみ収集車の購入、リサイクル施設の運営— / 26.4%

実例:大阪府富田林市の場合

具体的な事例として、大阪府富田林市を見てみましょう。令和5年度決算において、市町村たばこ税の年間収入は約6億1,910万円。これは市税収入全体の約4.6%に相当する貴重な財源となっています。

同市では、この財源を含む一般財源を使って、市民の日常生活に欠かせない様々な事業や施策を実施しています。たばこ税は普通税(使い道が特定されていない税)であるため、地域のニーズに応じて柔軟に活用できるのです。

出典:富田林市公式ウェブサイト「市たばこ税」ページ、令和5年度決算データ

身近な事例で考える税の役割

自治体の一般財源は、具体的には以下のような分野で活用されています。

教育・文化分野

  • 小中学校のICT機器整備
  • 図書館の新刊購入予算
  • 公民館の耐震補強工事
  • 子どもの学習支援事業
  • 文化財の保護・活用

生活環境分野

  • 公園の遊具安全点検
  • 街路灯のLED化
  • ごみ収集体制の維持
  • 道路の陥没補修
  • 上下水道の維持管理

税収規模の認知度は極めて低い

同調査によると、たばこ税の税収規模(約2兆円)を知っている人の割合は、喫煙者でも約22%、非喫煙者ではわずか4.4%に過ぎません。つまり、喫煙者の約78%、非喫煙者の約96%が、この重要な財源の規模を把握していないのです。

しかし興味深いことに、たばこ税が社会に貢献していると考える人は、喫煙者で75%、非喫煙者でも69%にのぼります。つまり、具体的な金額や仕組みは知らなくても、社会的な役割は感覚的に理解されているということです。

税の使い道をもっと身近に感じるために

今すぐできる3つのアクション

  1. 自治体の予算書を検索する
    「(あなたの市区町村名) 予算書」または「(市区町村名) 市民向け予算」でGoogle検索してみましょう。多くの自治体が、図表を使った分かりやすい説明資料を公開しています。
  2. 3つの費目をチェックする
    予算書が見つかったら、「民生費」(福祉関連)、「教育費」、「土木費」(道路・公園など)の3項目をチェック。これらが一般財源の主な使い道です。たばこ税を含む一般財源がどのように配分されているかが一目瞭然です。
  3. 市民参加の機会を探す
    多くの自治体では、予算編成への市民参加制度やパブリックコメントを実施しています。自治体のウェブサイトで「市民参加」「パブリックコメント」と検索し、税の使い道に意見を述べる機会を活用しましょう。

地域づくりへの参加意識を高める

税の使い道を知ることは、地域づくりへの参加の第一歩です。予算は「自治体が勝手に決めるもの」ではありません。住民の声を反映させる仕組みが用意されており、あなた自身が意見を述べることができるのです。

たとえば、「この公園の遊具が古くて危ない」「通学路の街灯を増やしてほしい」といった身近な要望も、予算配分に関わる重要な市民の声です。自治体の担当窓口に問い合わせたり、市民説明会に参加したりすることで、税の使い道に関わることができます。

たばこ税をめぐる今後の展望

税収の維持と増税の背景

喫煙者数は年々減少していますが、たばこ税の税収は概ね2兆円程度を維持しています。これは、販売本数の減少を税率の引き上げで補っているためです。

令和6年度(2024年度)税制改正大綱では、防衛力強化に係る財源確保のため、加熱式たばこと紙巻たばこの税負担の不公平を解消しつつ、国税のたばこ税率を引き上げることが決定されました。課税の適正化による増収と合わせ、3円/1本相当の財源確保を目指しています。

社会的コストとの関係

一方で、喫煙による健康被害に伴う医療費や、ポイ捨て対策にかかる清掃費用など、たばこ消費がもたらす社会的コストについての議論も存在します。

たばこ税は、こうした社会的コストを賄う役割も期待されており、税収の使途を考える際には、財源としての貢献と社会的コストの両面から見ることが重要です。この多角的な視点が、たばこ税の在り方を考える上での議論の土台となっています。

地域格差への配慮

市町村たばこ税は、たばこが販売された自治体の収入となります。そのため、大型商業施設や繁華街を持つ自治体ほど税収が多くなる傾向があります。人口規模が小さくても、観光地であればたばこ税収入が相対的に多くなることもあります。

こうした地域による税収の偏りは、地方交付税制度などで一定程度調整されていますが、各自治体にとってたばこ税は貴重な自主財源であることに変わりありません。「たばこは地元で買いましょう」という呼びかけをしている自治体が多いのは、このためです。

要点まとめ(TL;DR)

  • たばこ税は年間2兆円超の安定財源(令和5年度:2兆1,231億円)
  • 半分以上が地方税として、あなたの街のインフラ整備に活用
  • 一般財源のため、地域ニーズに応じて柔軟に使える
  • 認知度には大きなギャップ:喫煙者と非喫煙者で理解度が異なる

最後に:税を「自分ごと」として考える

たばこ税は、あなたの住む街の道路、公園、学校、図書館などの整備・維持に使われています。一般財源という仕組みにより、地域のニーズに応じて柔軟に活用できる点が大きな特徴です。

しかし、その認知度は決して高くありません。特に非喫煙者の8割近くが「一般財源」という基本的な仕組みすら知らず、96%が税収規模を把握していないという現実があります。

  • 自治体の予算書・決算書を一度読んでみる
  • たばこ税を含む一般財源の使い道を確認する
  • 市民参加の機会があれば積極的に意見を述べる
  • 税の使い道について家族や友人と話し合ってみる

税の仕組みを理解することは、民主主義社会に生きる私たち一人ひとりの責任です。あなたの納めた税金が、より良い地域社会をつくるために使われていることを実感してください。そして、その使い道に関心を持ち続けてください。

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