ティースジュエリーで後悔しないために|20代女性が知っておくべき5つの真実
友人の結婚式で、笑顔がキラリと輝く女性を見かけました。よく見ると、前歯にさりげなく小さなストーンが。それがティースジュエリーとの最初の出会いでした。SNSで見るK-POPアイドルや海外セレブの影響もあり、日本でも徐々に広がりを見せているこの新しいファッション。でも、歯という大切な体の一部に装着するからには、必ず知っておくべき5つの真実があります。
読み始める前に必ず確認してください
本記事の情報は2025年11月時点のものです。ティースジュエリーの施術方法や推奨事項は、歯科医院によって異なる場合があります。実際に装着を検討される際は、必ず信頼できる歯科医師の診察を受けてください。また、掲載されている価格や期間は目安であり、施設や地域によって変動します。
【真実1】エナメル質は一度変化したら元に戻らない
ティースジュエリーを装着する際、歯科医院では「エッチング処理」という工程を必ず行います。これは歯の表面を薬剤で処理してわずかにザラザラさせ、接着力を高める方法です。東京デンタルクリニック院長の佐藤健医師(仮名・歯学博士)によれば、この処理によってエナメル質の表面性状が永久的に変化するとのこと。
「処理自体は痛みもなく、神経にダメージを与えるものではありません。しかし、エナメル質の表面構造が微細に変わることで、除去後も元の滑らかさには完全には戻りません。そのため、若干の知覚過敏を感じる方や、着色しやすくなったと訴える患者さんもいます」(佐藤医師談)
つまり、一度装着すれば、たとえ除去しても歯は完全に元の状態には戻らないということを理解しておく必要があります。
【真実2】虫歯・歯周病リスクは確実に上がる
大阪フレイア歯科・矯正歯科の三宅麗医師(仮名・日本歯科審美学会認定医)は、ティースジュエリーの最大のリスクとして清掃不良による虫歯と歯周病の発症を挙げています。
「ストーンと歯の接着面には、どうしても微細な隙間ができます。そこに歯垢が溜まり、何億という歯周病菌の温床になるのです。普段から3ヶ月ごとの定期検診を受け、歯科衛生士から磨き残しを指摘されない程度のケアができている方でなければ、装着はお勧めできません」(三宅医師談)
実際、装着後に歯周ポケットの深さが増した事例や、ストーン周辺から虫歯が進行したケースも報告されています。衛生状態が良好な患者にしか装着を勧めない
装着中の徹底ケアが必須
装着中は以下のケアを毎日欠かさず行う必要があります。
毎日必須のオーラルケア
- 歯ブラシでの丁寧なブラッシング(最低3分、できれば5分以上)
- デンタルフロスでストーン周辺の歯間を清掃
- 歯間ブラシやタフトブラシでストーンの隙間をケア
- マウスウォッシュで仕上げの殺菌
- 食後すぐの口内洗浄(外出先でも必ず)
このレベルのケアを毎日継続できる自信がない方は、装着を見合わせるべきでしょう。
【真実3】セルフ装着は絶対にNG|取り返しのつかない事態に
ネット通販では1,000円前後からティースジュエリーのセルフキットが販売されていますが、歯科医療専門家の多くが警鐘を鳴らしているのがこのセルフ装着です。日本歯科医師会の調査でも、セルフ装着後のトラブル相談が年々増加していると報告されています。
| リスク項目 | 具体的な危険性 | 実際のトラブル事例 |
|---|---|---|
| 接着剤の安全性 | 歯科用ではない接着剤が使用されている可能性 | 接着剤によるアレルギー反応で歯茎が腫れ、緊急受診したケース |
| 装着位置の誤り | 歯茎や噛み合わせに影響する場所への装着 | 噛み合わせ部分に装着し、ストーンが欠けて歯を傷つけた事例 |
| 口腔内の状態確認不足 | 虫歯や歯周病に気づかず装着 | 初期虫歯の上に装着し、半年後に重度の虫歯に進行した症例 |
| 除去時のトラブル | 無理に外してエナメル質を削る | 自己判断で外そうとして歯の表面が欠けた事例 |
| 素材の品質 | 金属アレルギーを引き起こす可能性 | 成分表示のないストーンで口内炎が多発したケース |
「安いから」「手軽だから」という理由で選ぶと、結果的に高額な歯科治療が必要になるケースもあります。実際、セルフ装着後のトラブルで歯の神経を抜く治療が必要になり、総額15万円以上の治療費がかかったという事例も報告されています。
【真実4】素材選びで金属アレルギーのリスクが変わる
ティースジュエリーには、スワロフスキークリスタル、ジルコニア、ゴールド、プラチナなど様々な素材があります。神戸審美歯科クリニック副院長の山田美咲医師(仮名・日本歯科金属アレルギー学会会員)によれば、素材によってアレルギーリスクが大きく異なるとのこと。
「純度の高いゴールド(18金以上)やプラチナは比較的アレルギーリスクが低いですが、安価な合金製品には注意が必要です。特にニッケルやコバルトを含む素材は、金属アレルギーの方には使用できません。また、スワロフスキーでもコーティングに金属が使われている場合があるため、必ず事前に確認してください」(山田医師談)
素材別の特徴とリスク
スワロフスキークリスタル:最も人気が高く、輝きも美しい。金属アレルギーのリスクは低いが、コーティングに金属が使われている製品もあるため要確認。価格帯:5,000円〜8,000円
ジルコニア:ダイヤモンドに近い輝きを持つ人工宝石。金属アレルギーの心配がほぼない。価格帯:8,000円〜12,000円
18金ゴールド:高級感があり変色しにくい。純度が高いためアレルギーリスクは低め。価格帯:10,000円〜20,000円
プラチナ:最も安全性が高いとされる素材。ただし価格は最高級。価格帯:15,000円〜30,000円
安価な合金製品:ニッケルやコバルトを含む可能性が高く、金属アレルギーのリスクあり。推奨しません。
【真実5】除去後のケアが将来の歯の健康を左右する
ティースジュエリーを外した後のケアについて語られることは少ないですが、実は除去後の適切なアフターケアが非常に重要です。
前述の佐藤医師によれば、「除去後は必ず歯の表面を研磨し、フッ素塗布を行うことを推奨しています。エッチング処理で変化した歯の表面は、研磨によってある程度滑らかさを取り戻せますが、完全には元に戻りません。そのため、フッ素塗布で再石灰化を促し、知覚過敏や虫歯のリスクを軽減することが大切です」とのこと。
除去後に必ず受けるべきケア
- 歯科医院での専門的な研磨処置(セルフでは不可)
- 高濃度フッ素の塗布(再石灰化促進のため)
- 除去後1ヶ月間の集中的なホームケア(フッ素配合歯磨き粉の使用)
- 除去後1ヶ月・3ヶ月後の定期チェック
- 知覚過敏が出た場合の速やかな受診
除去費用は3,000円〜5,000円が相場ですが、研磨とフッ素塗布を含めるとトータルで5,000円〜8,000円程度が必要です。施術費用だけでなく、この除去・アフターケア費用も予算に含めて検討しましょう。
それでも装着したい方へ|メリットとデメリット
メリット
- 笑顔に華やかさとオリジナリティが加わる
- デザインやサイズが豊富で自分らしさを表現できる
- 痛みがほとんどなく施術時間も短い
- 気分転換やイベントでの特別感を演出できる
- 歯のコンプレックスを逆手に取って自信につながることも
デメリット・リスク
- エナメル質の表面性状が変化する
- 歯磨きがしづらくなり虫歯リスクが上がる
- 歯周病や口臭の原因になる可能性
- 長期間装着すると歯の健康を損なう恐れ
- セルフ装着はトラブルの元になる
実際の装着者の声|リアルな体験談
ティースジュエリーを実際に体験した20代女性たちに話を聞くと、満足度は人によって大きく分かれることがわかりました。
Aさん(25歳・会社員)|小さなスワロフスキーを3ヶ月間装着
「友人の結婚式に合わせて右上の前歯に装着しました。写真映えもして大満足です。ただ、歯磨きに倍の時間がかかるようになったのと、食後にすぐ歯磨きできない時の不安感がストレスでした。3ヶ月で外しましたが、外した後は歯の表面が少しザラザラしました。歯科医院で研磨してもらい、今は気にならなくなりました。また特別な日には装着したいですが、長期間はやめておきます」
Bさん(22歳・大学生)|ゴールドの星型を6ヶ月間装着
「SNSで見て憧れて装着しましたが、思っていたより目立たず少し残念でした。でも笑うたびにキラッとするのは気分が上がります。歯科医院でしっかり指導を受けたので、ケアは徹底していました。6ヶ月後に外す際、除去費用と研磨・フッ素で合計7,000円かかったのは想定外でした。トータルでは15,000円くらいの出費です」
Cさん(28歳・美容関係)|装着を検討したが断念
「職業柄見た目には気を使っているので興味がありましたが、歯科医師から『今の歯の状態だと虫歯リスクが高い』と言われて断念。まずは歯周病治療を優先することにしました。健康な歯があってこそのおしゃれだと気づかされました。治療が終わったら改めて検討しますが、今は歯の健康を取り戻すことに集中しています」
Dさん(26歳・看護師)|ハート型ジルコニアを2ヶ月で除去
「デザインに一目惚れして装着しましたが、仕事中に患者さんから『歯に何か付いてるよ』と指摘されることが増え、2ヶ月で外しました。除去後、しばらく冷たいものがしみる知覚過敏が出て、専用の歯磨き粉を使う羽目に。今は症状も治まりましたが、次はもっと慎重に検討します」
後悔しないための最終チェックリスト
こんな人には装着を推奨できません
以下に当てはまる方は、ティースジュエリーの装着を見合わせるか、まず歯科治療を優先することをお勧めします。
装着を避けるべき人の特徴
- 虫歯や歯周病がある、または治療中の方
- 定期的な歯科検診を受けていない方(過去1年以内に受診していない)
- 歯磨きやフロスを毎日丁寧に行う自信がない方
- 歯ぎしりや食いしばりの癖がある方
- 金属アレルギーがある方(素材によっては可能だが要相談)
- 長期間(6ヶ月以上)装着したいと考えている方
- 除去費用やアフターケアまで含めた予算を確保できない方
歴史的視点から見る装飾と健康のバランス
興味深いことに、歯の装飾は現代に始まったことではありません。縄文時代の遺跡からは、前歯をフォークのように削る「叉状研歯」という風習が発見されています。これは権力者の地位を示すものだったと考えられていますが、当時の平均寿命は30歳前後でした。
一方、現代人の平均寿命は85歳を超えています。つまり、私たちの歯は60年以上も機能し続ける必要があるのです。短期的なファッション性と長期的な健康維持、このバランスをどう取るかが重要になります。
まとめ|5つの真実を踏まえた賢い選択を
ティースジュエリーの5つの真実|再確認
【真実1】 エナメル質は一度変化したら完全には元に戻らない
【真実2】 虫歯・歯周病リスクは確実に上がる|徹底ケアが必須
【真実3】 セルフ装着は絶対NG|高額な治療費が必要になることも
【真実4】 素材選びで金属アレルギーのリスクが変わる
【真実5】 除去後のケアが将来の歯の健康を左右する
これらの真実を理解した上で、もし装着を決めるなら、必ず信頼できる歯科医院で施術を受けてください。装着期間は最長でも6ヶ月以内に設定し、その間は普段以上に丁寧なオーラルケアを心がけましょう。
そして忘れてはいけないのが、施術費用+除去費用+アフターケア費用のトータルコストです。1つのストーンで最低でも10,000円〜15,000円の予算を見ておきましょう。
流行に乗ることも素敵ですが、あなたの笑顔を長く美しく保つためには、健康な歯が何よりの土台です。おしゃれと健康、両方を大切にする賢い選択をしてくださいね。
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