野村證券も導入!今知っておきたい「パスキー」の全て
「また新しいパスワードを作らなきゃ…」「このサイトのパスワード、なんだっけ?」そんな経験、ありませんか?
2025年、金融業界を中心に急速に広がっている「パスキー」という認証方法。野村證券では2024年11月29日から、より強固なセキュリティのためパスキーまたは二要素認証の利用が推奨されています。一体なぜ今、パスキーなのでしょうか?
この記事では、パスワードに疲れた全ての方に向けて、パスキーの仕組みからメリット、実際の使い方まで、専門用語を使わずに丁寧に解説します。
急増するフィッシング詐欺
フィッシング詐欺の報告件数は年々増加傾向にあり、2025年も深刻な被害が続いています。生成AIの進化により、本物と見分けがつかないほど精巧な偽サイトが増えているのです。
パスキーは、このような詐欺被害を防ぐ切り札として注目されています。
被害件数
二要素認証強化開始日
導入費用
パスキーって何?一言で説明すると
パスキーとは、パスワードの代わりに「あなたのスマホやパソコン自体」を鍵として使う新しいログイン方法です。
これはFIDO Alliance(ファイド アライアンス)という国際的な標準化団体が提唱し、Google、Apple、Microsoftなどが協力して策定したFIDO2規格に基づく技術です。つまり、特定企業の独自技術ではなく、世界標準の安全な仕組みなのです。
従来のように英数字を組み合わせた複雑な文字列を覚える必要はありません。指紋認証や顔認証、あるいはスマホの画面ロック解除(PINコードやパターン)だけで、安全にサービスにログインできます。
まるで家の鍵を持っている人だけが家に入れるように、あなたのデバイスを持っている人=あなた本人という仕組みです。
身近な例で理解する
たとえば、あなたがオートロックのマンションに住んでいるとします。
パスキーは、この「ICカードキー+指紋認証」をインターネット上で実現したものです。
どうやって安全を守っているの?仕組みを分かりやすく
パスキーの安全性の秘密は、「公開鍵暗号方式」という技術にあります。難しそうに聞こえますが、仕組みは意外とシンプルです。
鍵と鍵穴の関係で考えてみましょう
あなたがあるWebサービス(例:銀行のサイト)にパスキーで登録すると、次のようなことが起こります。
重要なのは、あなたの秘密鍵そのものは絶対にインターネット上を流れないという点です。パスワードのように「合言葉」を相手に伝えるのではなく、「正しい鍵を持っていることの証明」だけを送るのです。
従来のパスワードとの決定的な違い
| 項目 | 従来のパスワード | パスキー |
|---|---|---|
| 認証情報 | 文字列(パスワード)をサーバーに送信 | 秘密鍵はデバイス内のみ、送信しない |
| 保存場所 | サービス側のサーバーに保存 | 秘密鍵はあなたのデバイスのみ |
| 盗聴リスク | 通信を傍受されると危険 | 秘密鍵は送らないので安全 |
| 偽サイト | 入力すると盗まれる | ドメインが違うと動作しない |
| 使いやすさ | 覚えて入力する必要あり | 指紋や顔認証だけでOK |
なぜ今パスキーが注目されているのか?
理由1:フィッシング詐欺が高度化している
生成AIの登場により、偽のメールや偽サイトの精度が飛躍的に向上しました。以前なら「日本語がおかしい」と気づけた偽メールも、今では本物と見分けがつきません。
しかし、パスキーは偽サイトに対して根本的に無効です。なぜなら、パスキーは登録したサイトの「ドメイン」と紐付いているため、偽サイトでは技術的に動作しないからです。
理由2:金融業界でのセキュリティ強化の必要性
近年、証券会社や銀行を狙ったフィッシング詐欺が問題となっています。野村證券、SBI証券、楽天証券などの大手がパスキーを導入したのは、顧客の資産を守るための予防的なセキュリティ強化の一環です。
理由3:パスワード管理の限界
平均的なネットユーザーは、100個以上のオンラインアカウントを持っていると言われています。全て異なる複雑なパスワードを設定し、記憶することは現実的ではありません。
パスキーなら、「覚える」という作業自体が不要になります。
パスキーのメリット
- パスワードを覚える必要が一切ない
- フィッシングサイトで騙されても情報が盗まれない
- サービス側のサーバーが攻撃されても秘密鍵は安全
- 複数デバイス間で同期できる(iCloudキーチェーンやGoogleパスワードマネージャー経由)
- 異なるOS間でもQRコードでログイン可能(例:WindowsのPCからiPhoneで認証)
- ログインが驚くほど速い(指紋タッチだけ)
- パスワードの使い回しリスクがゼロ
注意すべき点
- 全てのサービスが対応しているわけではない(普及途上)
- デバイスを紛失した場合の復旧手順を理解しておく必要がある
- 異なるOS間(iPhoneとAndroid)での移行は手間がかかる
- 古いデバイスやブラウザでは使えない場合がある
パスキーは本当に完璧なの?セキュリティの真実
結論から言うと、パスキーは「現時点で最も安全な認証方式の一つ」ですが、「絶対に破られない完璧なシステム」ではありません。
パスキーが強い理由
パスキーのセキュリティが高いのは、以下の3つの防御層があるからです。
それでも残るリスク
ただし、以下のような状況では注意が必要です。
- デバイス紛失:スマホを落としても、通常はクラウド同期が有効なため問題ありません。ただし、クラウド同期を意図的にオフにしている場合や、クラウドアカウント自体(Apple IDやGoogleアカウント)の認証情報を失念した場合は、復旧が困難になる可能性があります。
- マルウェア感染:デバイス自体がウイルスに感染している場合、パスキーも危険にさらされる可能性があります。
- ソーシャルエンジニアリング:非常にまれですが、巧妙な手口でユーザーを騙し、パスキー認証画面を誤って承認させる攻撃手法も存在します。
- 人的ミス:家族などに勝手にデバイスを使われる環境では、パスキーの意味が薄れます。
つまり、パスキーは「認証」の部分を劇的に強化しますが、デバイスの管理や基本的なセキュリティ対策は依然として重要なのです。
実際の使い方:こんなに簡単です
初回登録時:
- Webサイトの設定画面で「パスキーを追加」をクリック
- 「指紋認証してください」などのメッセージが表示される
- スマホの指紋センサーや顔認証で認証
- 完了!(所要時間:約10秒)
次回ログイン時:
- サイトにアクセスして「ログイン」をクリック
- 自動的に「パスキーでログインしますか?」と表示
- 指紋や顔認証で確認
- 即座にログイン完了!
パスキーを始める前のチェックリスト
- お使いのスマホやPCが生体認証に対応しているか確認
- OSが最新版にアップデートされているか確認(完全な機能利用にはiOS 17以降、Android 14以降を推奨)
- クラウドアカウント(Apple ID、Googleアカウント)でログインしているか確認
- 利用したいサービスがパスキーに対応しているか確認
- デバイス紛失時の復旧方法(バックアップコードなど)を確認
どんなサービスで使えるの?
2025年11月現在、以下のような大手サービスでパスキーが利用可能です。
金融サービス
- 野村證券(2024年11月29日から二要素認証またはパスキーの利用を推奨)
- SBI証券
- 楽天証券
テクノロジー企業
- Apple
- Microsoft
- Amazon
通信・その他
- NTTドコモ
- au(KDDI)
- ソフトバンク
- メルカリ
- LINEヤフー
今後、銀行やオンラインショッピングサイトなど、さらに多くのサービスで導入が進むと予想されています。
まとめ:パスワードのない未来へ
パスキーは、パスワードという古い仕組みから私たちを解放してくれる画期的な技術です。
覚えておきたい3つのポイント:
- パスキーは「あなたのデバイス+生体認証」で安全にログインする仕組み
- フィッシング詐欺に対して圧倒的に強く、金融業界でも急速に普及中
- 完璧ではないが、現時点で最も安全で便利な認証方式の一つ
野村證券のようにセキュリティを強化する企業が増えているということは、それだけパスキーの効果が実証されている証拠です。
今日からできること:
まずは普段よく使うサービス(GoogleやApple ID、銀行アプリなど)でパスキーの設定を試してみましょう。一度体験すれば、その便利さに驚くはずです。
パスワードに振り回される日々とさよならして、より安全で快適なデジタルライフを始めませんか?
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