自民支持率22.8%に急落|4カ月で消えた解散効果と今後の政策への影響
自民支持率22.8%に急落|4カ月で消えた「解散効果」と今後の政策への影響
「選挙で大勝したんじゃなかったの?」そう思った方も多いかもしれません。今年2月の衆院選で自民党は316議席を獲得して圧勝し、党の支持率も一時30%を超えました。ところが時事通信が実施した6月の世論調査では自民党支持率22.8%と、選挙前とほぼ同じ水準まで落ちてしまいました。しかも今回の政党支持率・内閣支持率の数字には、単純な低下以上のことが読み取れます。女性・若者で急激な離反が起きている一方、野党はその受け皿になれず、無党派層が56%以上に膨らんでいるのです。この記事では、数字の裏に何があるかを丁寧に解説します。物価高対策・消費税減税・社会保障など私たちの日常生活に直結する政策の行方にも、支持率の動きは影響します。難しく感じる方でも、読み終わるころには今の政治状況がスッキリ整理できるはずです。
今回の調査で押さえておきたい4つの数字
「下がった」の一言で片づけるには、中身が濃すぎます。まず全体像を数字で把握しましょう。支持率と不支持率が同時に動いたことが、今回の調査の最大の特徴です。
自民党支持率は前月比5.0ポイント減の22.8%と大幅に低下。衆院選直後(2026年2月)の30.1%から、わずか4カ月で選挙前の水準に逆戻りしました。高市内閣の支持率も同時に急落し、発足後最低を更新。内閣不支持率も発足後最高に達しました。消費税減税や物価高対策など主要政策の行方とあわせて注目が集まります。通常の日程であれば次期参院選は2028年となり、それまでの政権運営に影響する可能性があります。
自民党支持率(6月)
22.8%
前月比 ▼5.0pt
高市内閣支持率(6月)
54.3%
前月比 ▼5.1pt/発足後最低
高市内閣・不支持率(6月)
22.2%
前月比 +2.5pt/発足後最高
無党派層(支持政党なし)
56.4%
前月比 +6.0pt増加
「そもそも」から答えるQ&A——政治ニュース初心者でも大丈夫
「世論調査って何?」「支持率が下がると自分の生活に何か変わるの?」——素朴な疑問に答えます。政治に詳しくない方ほど、ここから読んでください。
そもそも「政党支持率」って何を測っているの?
「あなたはどの政党を支持していますか」という質問への回答を集計したものです。政党支持率は毎月の世論調査で各社が発表しており、自民党支持率の推移を見ることで政権への評価の変化を読み取ることができます。今回の時事通信調査は、全国18歳以上の2,000人を対象に、調査員が自宅を直接訪問して聞き取る「個別面接方式」で実施されました。電話やネットアンケートと比べて回答者の属性が偏りにくく、信頼性の高い調査方式とされています。有効回収率は57.1%でした。
22.8%って、低いの?高いの?
他党と比べれば自民党は依然として最大の支持率を持つ政党です。しかし、過去と比較すると、旧安倍派の裏金問題が深刻化した2023年11月には19.1%まで落ち込んだ水準と近く、「低迷期にほぼ逆戻り」という状況です。選挙大勝直後の2026年2月に記録した30.1%との差は7.3ポイントで、短期間でこれだけ変動するのは異例です。
「解散効果が消えた」って、どういうこと?
2026年1月末に高市首相が衆議院を電撃的に解散し、2月8日の衆院選で自民党は316議席を獲得して圧勝しました。時事通信は「1つの政党が単独で衆院の3分の2(310議席)を超えたのは戦後初」と報じました。これを受けて2月の世論調査では自民党支持率が30.1%に急上昇しましたが、その後4カ月で解散前(2026年1月:22.5%)とほぼ同じ水準に戻ってしまいました。選挙で生まれた「一時的な期待感」が、長続きしなかったということです。
支持率が下がると、自分の生活に影響があるの?
直接的に何かが変わるわけではありませんが、政策の優先順位に影響することがあります。支持率が低下すると、政権が有権者の関心が高い政策(減税・給付金など)に重点を置くケースがあると指摘されています。また不人気な改革が先送りされやすくなるとも言われています。消費税・社会保障・物価対策などの議論も、支持率の動向と切り離せない面があります。「政治は関係ない」と思いがちですが、政策の優先順位を通じて家計と間接的につながっています。
税金や年金は、支持率が下がると具体的にどう変わるの?
支持率の低下そのものが税率や年金額を直接変えるわけではありませんが、政策の優先順位に影響することがあります。たとえば、今回の調査と同じ時期に国会では「食料品の消費税率をゼロにするか1%にするか」の議論が進んでいました。一般的に、政権は選挙を意識して政策判断を行うため、支持率の動向が税制や社会保障改革の議論の進め方に影響を与えることがあるとされています。「支持率と生活の関係」は単純ではありませんが、政治の動向が私たちの日常と無関係ではないことは確かです。
自民から離れた人は、どこへ行ったの?
今回の調査では、自民党から離れた支持者が野党に移った形跡はほとんど見られません。野党で最も高い参政党でも2.9%、次の公明党が2.3%、中道改革連合と国民民主党がそれぞれ2.1%と、野党各党はいずれも3%未満で横並びの状況が続いています。自民離れした多くの有権者は、「どこも支持しない」無党派層(56.4%)に流れ込んでいます。無党派層とは特定の政党を支持しない有権者のことで、選挙のたびに投票先を変える傾向があり、選挙結果を左右する重要な層です。
データで見る——支持率の推移と属性別の差
数字を並べると、変化の大きさと構造が見えてきます。時系列と属性別、2つの切り口でデータを整理しました。以下の数値はすべて時事通信社の6月世論調査に基づきます。
自民党支持率の時系列変化(時事通信調査)
| 時期 | 自民党支持率 | 前月比 | 主な背景・出来事 |
|---|---|---|---|
| 2023年11月 | 19.1% | — | 旧安倍派裏金捜査本格化、2割割れ |
| 2025年11月(高市政権発足直後) | 21.8% | ▲2.1pt | 内閣支持率は63.8%に急伸、党支持は限定的回復 |
| 2026年1月(衆院選前) | 22.5% | — | 解散前の水準 |
| 2026年2月(衆院選直後) | 30.1% | ▲7.6pt | 自民が316議席獲得・圧勝。時事通信は「1政党単独の3分の2超は戦後初」と報道 |
| 2026年6月(今回) | 22.8% | ▼5.0pt | 調査期間中には動画を巡る報道や物価高対策などが政治的な争点となっていた |
※出典:時事通信社世論調査。2026年2月の前月比は時事通信報道より。
属性別・自民党支持率(2026年6月)
| 属性 | 自民党支持率 | 前月比 | 注目点 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 27.1% | ▼2.5pt | 相対的に底堅い |
| 女性 | 18.5% | ▼7.2pt | 男女差が約8.6ptに拡大 |
| 18〜29歳 | 13.3% | ▼6.7pt | 全世代で最低水準 |
| 30歳代 | 17.0% | ▼2.1pt | 若年層で低迷 |
| 40歳代 | 16.4% | ▼8.2pt | 全世代で最大の下落幅 |
| 50歳代以上 | 20%台後半 | 低下傾向 | 2割台後半を維持 |
※自民党支持率の出典:時事通信社6月世論調査。50歳代以上の詳細数値は原記事未記載のため概数表記。
支持層別・内閣支持率(2026年6月)
内閣支持率は調査で別途集計されたデータです。自民党支持率とは集計対象が異なります。
| 属性・支持層 | 内閣支持率 | 前月比 | 注目点 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 54.0% | ▼6.5pt | 男女間に大きな差はない |
| 女性 | 54.5% | ▼3.6pt | 男女間に大きな差はない |
| 60歳代 | 63.7% | +5.6pt | 唯一6割超を維持。前月より上昇した唯一の世代 |
| 自民党支持層 | 88.1% | ▼2.4pt | コア支持層は高水準を維持 |
| 無党派層 | 47.4% | ▼1.5pt | 4カ月連続で5割を下回る |
※内閣支持率の出典:時事通信社6月世論調査。世代別内閣支持率は60歳代のみ原記事に数値明示。50歳代以下は「いずれも5割台」と記載あり。
調査機関別比較——同時期の主要世論調査
調査機関によって調査方法(個別面接・電話・ネット)や質問設計が異なるため、数値に差が生じます。複数の調査を並べることで、全体的な傾向の信頼性が高まります。
| 調査機関 | 調査方法 | 内閣支持率 | 自民党支持率 | 調査時期 |
|---|---|---|---|---|
| 時事通信社 | 個別面接 | 54.3% | 22.8% | 6月12〜15日 |
| NHK | 電話(RDD) | 60% | 35.7% | 6月調査 |
※数値の差は調査方法・設問設計の違いによるもので、どちらが「正しい」ということではありません。NHKは電話RDD方式、時事通信は個別面接方式で実施。個別面接方式は回答者の属性把握がしやすい特徴がありますが、どちらの手法が優れているかは一概に言えません。両調査とも「支持率が前月から低下した」という方向性は一致しています。
「誰にとって」どう見える?——3つの立場で整理する
支持率低下を「悪いニュース」と一言で片づけるのは早計です。自民支持者、中立の有権者、変化を求める有権者——それぞれの視点から、この状況が何を意味するか整理してみます。
自民党・政権安定を望む立場から
- 自民支持層の内閣支持率は88.1%と高く、コア支持層の離反は限定的
- 衆院での3分の2超議席は維持されており、法案可決能力は変わらない
- 支持率が低下した時期には「動画を巡る報道の継続」「物価高への不満」「国会での議論」が重なっていた。ただし世論調査は支持率低下の理由を測定するものではなく、どの要因がどれだけ影響したかは確認できない
- 野党が受け皿になれていないため、政権交代の現実的リスクは今のところ低い
どの党も支持しない無党派層から
- 無党派層の内閣支持率が47.4%と4カ月連続で5割を下回っており、「消極的容認」も揺らいでいる
- 野党が受け皿にならない以上、不満の出口がなく、政治不信がさらに深まる恐れがある
- 「どこも信頼できない」状況は投票行動に影響する可能性が指摘されており、政治参加の観点から注目されている
政治の変化を求める立場から
- 女性・40歳代の支持率が大幅に落ちており、現役世代・女性の声が届いていないシグナルとして読める
- 無党派層が56.4%という規模は、次の国政選挙で大きな変数になりうる
- 野党各党が受け皿として機能するかどうかが、今後の焦点の一つ
女性・若者の支持率低下から見える傾向とは——データの背景を読む
全体の数字だけ追っていると見えない重要な背景があります。今回最も注目すべき属性別データを、3つの視点から掘り下げます。今回の世論調査は支持率を測定したものであり、低下の理由までは特定できません。その前提のもとで、同時期に起きていた事実を整理します。
「なぜ女性支持が大きく低下したのか」——動画を巡る報道と政治不信
女性の自民党支持率は18.5%と、男性(27.1%)との差が約8.6ポイントに拡大しました。今回の調査期間中には、一部週刊誌が4月29日から報じてきた動画を巡る報道や国会での議論が続いていました(なお6月16日に文春は一部記事の時系列部分を修正)。また、物価高や経済政策なども政治的な争点となっていました。ただし、今回の世論調査は支持率を測定したものであり、支持率低下の理由を調査したものではありません。どの出来事がどの程度影響したかは、この調査の数字からは確認できません。女性支持率が前月比7.2ポイントという大幅な下落を記録したという事実が、今回の調査で特に注目される点です。
「若者は本当に政治嫌いなのか?」——13.3%が示すもの
18〜29歳の自民党支持率は13.3%と全世代で最低です。「若者は選挙に行かない」というイメージがありますが、2026年2月の衆院選では期日前投票者数が過去最多の約2,701万人に達しており(時事通信報道)、投票行動そのものへの関心は高まっています。「どこも支持しない」という無党派層の増加と、投票参加の広がりが同時に起きているとすれば、若年層の支持動向に変化が生じている可能性があると見る向きもあります。40歳代の8.2ポイント減という下落幅も目立ちます。子育て・住宅・教育費と向き合う「現役世代ど真ん中」の離反については、政策との関連を指摘する見方もあります。
「中高年だけが頼みの綱?」——60歳代と無党派の温度差
内閣支持率が唯一6割を超えているのは60歳代(63.7%)だけで、他の世代はすべて5割台にとどまっています。自民党支持層の内閣支持率は88.1%と依然高く、コア支持層はほぼ固定されています。一方、無党派層の内閣支持率は47.4%と4カ月連続で5割を下回っており、「とりあえず支持」という消極的な容認すら揺らいでいます。世代間の支持率差が拡大していることから、社会保障(年金・医療)・物価対策など各世代への政策対応が今後も注目されそうです。
「青木の法則」で今の政権を測ると?
政界で広く知られる経験則として「内閣支持率+自民党支持率の合計が50%を切ると、首相が退陣に追い込まれる」というものがあります。元自民党参院議員会長・故青木幹雄氏が提唱したことから「青木の法則」と呼ばれています。実証された法則ではなく、政界における目安として参照されるものです。
今回の合計は77.1ポイントで、「危険水域」の50ptにはまだ余裕があります。ただし、今年2月(約93pt)からの低下幅は大きく、今後も下落が続けば注意が必要な水準に近づきます。この数字は「政権が安定しているかどうか」を直感的に測る一つのものさしとして覚えておくと便利です。
7つの要点チェック+あなたが今できること
記事全体の内容を確認できる7つのポイントと、この状況を受けて読者が実際にできることをまとめました。
- 自民党支持率は22.8%(前月比▼5.0pt)で、2026年1月(22.5%)とほぼ同じ水準に逆戻りした
- 衆院選で自民が316議席(3分の2超)を獲得して圧勝、支持率が30.1%に急伸したが、4カ月でその効果はほぼ消滅した
- 高市内閣の支持率54.3%は発足後最低、不支持率22.2%は発足後最高をそれぞれ更新した
- 女性の自民支持率(18.5%)は男性(27.1%)より8.6pt低く、前月比▼7.2ptという全属性中最大の下落幅を記録した
- 18〜29歳(13.3%)・40歳代(16.4%)・30歳代(17.0%)と、若い世代ほど支持率が低い構造が鮮明になった
- 野党各党はいずれも3%未満で横並びの状況が続く。無党派層が56.4%と過半数を大幅に超えた
- 「青木の法則」での合計は77.1ptで危険水域(50pt)には余裕があるが、2月(約93pt)からの低下幅は大きい
「支持政党なし」の私たちにできること
- 複数の報道機関の世論調査を見比べる習慣をつける(時事通信・NHK・共同通信などで数字が異なることを知る)
- 支持率の「数字」だけでなく、属性別・世代別のデータまで確認し、自分の世代の動向を把握する
- 次の国政選挙の前に、主要政党の政策(特に税・社会保障・物価対策)を比較してみる
まとめ——この数字が私たちに問いかけること
最後に、今回の調査結果が示す本質的な意味を整理します。「政治のニュース」を、自分の生活と地続きのものとして捉えるヒントにしてください。
「解散効果の消滅」が示す本質
選挙で圧勝しても、有権者はその後も政権の行動を見続けています。今回の22.8%という数字は、「高市首相・自民党への期待感」が選挙後の4カ月で維持できなかったことを示しています。この調査期間中には動画を巡る報道への国会での議論や物価高への不満など複数の問題が同時に進行していました。ただし、世論調査は支持率の数値を示すものであり、支持率低下の理由を調査したものではありません。どの要因がどれだけ影響したかは、この調査の数字からは確認できません。
注目データ:内閣支持率と自民党支持率の大きな開き
今回の調査で見落とされがちな重要な数字があります。内閣支持率は54.3%、自民党支持率は22.8%——両者の間には約31.5ポイントの開きがあります。支持率は別々の質問から集計されるため単純な引き算で「その差の分だけ特定の層が存在する」とは言えませんが、「首相個人への評価」と「政党への評価」が必ずしも一致していない可能性はこの数字からうかがえます。高市首相への個人的な評価は一定程度保たれている一方で、自民党という組織・体制への信頼が別の次元で問われているとすれば、党にとっては根の深い課題といえます。
「無党派56%」という数字の意味
有権者の半数以上がどの政党も支持していない——これは単なる政治不信ではなく、「まだ心が決まっていない」という大きな余白でもあります。過半数を超える有権者が支持政党を持たない状態は、既存の政党政治に対する不満の強さを示す一方で、次の国政選挙で情勢が大きく変化する可能性も示しています。野党各党が受け皿として機能できない現状では、この56%が次の選挙の行方を決定づける最大級の変数です。あなた自身が「支持政党なし」であれば、それはむしろ多数派です。大切なのは、そこから政治への関心を切らさないことです。
次に何が起きるか——今後の焦点
第28回参院選の任期満了日は2028年7月25日です(選挙ドットコム)。通常の日程であれば2028年夏が参院選となりますが、衆院解散など政治状況によって前後する可能性もあります。それまでに注目すべき焦点は以下の4点です。
- 食料品消費税・物価高対策:税率ゼロか1%かの議論の決着と実施時期
- 社会保障改革:年金・医療費負担の見直し議論が現役世代にどう影響するか
- 無党派層56.4%の動向:次の選挙でこの層がどの政党に流れるか、または棄権するか
- 女性・若年層支持率の回復可否:政権が具体的な政策で離反した層を取り戻せるか
公開日:2026年6月20日 | 最終更新:2026年6月20日
出典・参考資料
- 時事通信社「自民支持率、消えた解散効果 22.8%に急落◆時事通信6月調査」(2026年6月19日配信)
- NHKニュース「高市内閣支持率60% 不支持26%」「各党支持率 自民党35.7%」(2026年6月8日)
- nippon.com「衆院選2026:自民歴史的大勝で3分の2の議席確保」(2026年2月12日)
- 時事ドットコム「衆院議席3分の2、何ができる?」(2026年2月18日)
- 選挙ドットコム「第28回参議院議員選挙 2028年」(任期満了日:2028年7月25日)
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