【2026最新】春節の訪日規制と宿泊予約57%増の矛盾を解く|観光業界への影響と実務対策
連休のニュースを聞くと、また観光地が混み合うのではと不安になる方も多いはず。しかし、今回の春節は少し様子が違います。2026年1月26日、中国政府が3回目となる日本への渡航自粛を呼びかけました。春節期間(2月15日〜23日)を前に、日本の観光業界では不安の声が上がっています。ところが実際のデータを見ると、意外な事実が浮かび上がってきました。本記事では、混雑予測と現場対応の実態をデータで明らかにします。
重要なお知らせ
本記事は2026年1月時点の公開情報に基づく分析であり、法的助言や公式見解ではありません。旅行計画を立てる際は、必ず外務省、JNTO(日本政府観光局)、航空会社の最新情報をご確認ください。中国外務省の立場としては、自国民の安全と健康に対する責任から渡航自粛を発出したものとしています。
中国政府の渡航自粛呼びかけの背景
中国外務省は2026年1月26日、春節の大型連休を前に改めて日本への渡航を控えるよう呼びかけました。[出典:日テレNEWS 2026/1/26] これは2025年11月、12月に続く3回目の通知となります。
中国政府が公式に挙げる理由は、日本の治安不安定、中国国民を狙った犯罪の多発、地震の頻発などです。一方、一部報道では、日中関係の緊張が背景にあるとの分析も示されています。2025年11月以降の政治的な動きが影響しているとの見方もありますが、公式な因果関係は明示されていません。[出典:複数報道機関]
2月15日〜23日
中国政府公式発表
(便数ベース約36%減)
第一財経 2026/1/26
宿泊予約件数
tripla社調査 2026/1月
政府の呼びかけと実際のギャップ
予想外の予約増加
中国政府の渡航自粛呼びかけにもかかわらず、宿泊予約システムを手がけるtripla株式会社の調査(2026年1月実施・全国1,727ホテル集計)では、2026年2月の春節期間における中国からの宿泊予約件数が前年同期比で約57%増加していることが明らかになりました。[出典:日本経済新聞 2025/12] 客室単価も2割前後の上昇が見込まれており、数字だけを見れば政府の呼びかけは効果が限定的だったと言えます。
旅行形態の変化が鍵
なぜこのような現象が起きているのでしょうか。最大の要因は、中国人観光客の旅行形態が団体ツアーから個人旅行(FIT)へ完全に移行した点にあります。これは、パック旅行から自分好みの具材を選ぶアラカルトの食事へと変わったようなものです。中国の大手旅行会社は政府方針を意識し団体ツアーの販売を抑制していますが、今回の呼びかけはあくまで「自粛」にとどまり、個人の海外渡航を強制的に止めるものではありません。
| 項目 | 団体ツアー | 個人旅行(FIT) |
|---|---|---|
| 政府の影響 | 旅行会社が販売抑制 | 個人の判断で決定可能 |
| 予約状況 | 大幅減少 | 前年比約57%増 |
| 客室単価 | 低価格帯 | 2割上昇(高価格帯) |
| 現在の傾向 | 大幅減少傾向 | 大幅増加し主流化 |
日本の観光業界への影響
プラス面
- 個人旅行客の増加で客室単価が上昇
- 質の高い旅行需要への転換
- 混雑緩和による旅行体験の向上
- 欧米豪など他国からの訪日客増加
マイナス面
- 団体客を主軸としていた中堅ホテルの稼働率低下
- 航空便の大幅縮小(49路線対象、便数ベース約36%減)
- 訪日外国人消費額の約2割を占める中国市場の縮小
- 日中関係悪化の長期化懸念
注目すべきポイント:代替ルートの活用
中国人観光客の中には「今は中国人が少ないから、日本に行くのに適している」という声もあります。[出典:レコードチャイナ 2026/1] 混雑緩和を見越して、あえて今の時期に訪日しようとする層が一定数存在するのです。
また、中国本土発の便が取りにくい場合、香港経由や韓国(ソウル・仁川)経由で訪日するという工夫をする人も増えています。特に大連、青島、上海から香港への便は減便されておらず、香港から日本への接続が現在の実務的なハブとして機能しています。[出典:日テレNEWS 2026/1/15]
春節期間の訪日人気都市
宿泊検索データによると、東京・大阪・福岡が引き続き高い人気を維持しています。アジア主要都市の中でも日本各地への関心は衰えておらず、個人旅行客は大都市だけでなく、地方都市への分散傾向も見られます。航空便の制約がある中、アクセス可能な都市への集中と、逆に混雑回避のための地方への分散という、二極化した動きが特徴的です。
航空便減便の実態(詳細データ)
第一財経の報道によると、日中間で49路線が対象となり、その多くで減便または運休の状態となっています。便数ベースでは約2,376便がキャンセルされ、これは全体の約36%に相当します。
具体的には、大阪-北京間、神戸-南京間などの路線で全便が取り消しになった一方、一部の主要路線(東京-上海、大阪-上海など)では減便しながらも運航を継続しています。この数字は、春節という本来ならピーク需要期に起きている事態として、航空業界への影響の大きさを物語っています。
※「49路線」は路線の単位数であり、各路線の全便が停止したわけではありませんが、多くの路線で事実上の運休状態となっています。便数ベースの正確な影響は約36%(2,376便)です。
過去の事例から学ぶ
同様の状況は、2012年の尖閣諸島国有化に伴う日中関係悪化時にも見られました。この時は、中国人観光客が元の水準に戻るまでに1年以上の時間を要しています。
今回も影響は既に数字に表れています。2025年12月の訪日中国人観光客数は前年同月比で約45%減少(約56万人)しており、年末商戦への影響が顕著でした。[出典:JNTO(日本政府観光局)統計] 一方で、2025年の訪日外国人全体は過去最高水準に達しており、中国以外からの訪日客(韓国、台湾、欧米豪など)がコロナ前を大きく上回る伸びを見せています。
今回の影響がどの程度長引くかは不透明ですが、訪日外国人旅行消費額全体に占める中国人観光客による消費金額の割合は約2割と最も高いため、その影響は決して小さくありません。中国国内では日本が人気旅行先ランキングから後退し、韓国や東南アジアへの旅行が増加しているという報道もあります。
旅行を考えている方へのアドバイス
- 航空券のキャンセルポリシーを必ず確認:中国大手航空3社(中国国際航空・中国東方航空・中国南方航空)は、日本路線の無料キャンセル・変更対応期間を当初予定の2026年3月下旬から2026年10月24日まで大幅延長しました。[日テレNEWS 2026/1/27] これは日中関係の改善見通しが不透明なため、長期的な柔軟性を確保する措置とみられます。
- 最新の外務省情報を定期的にチェック(外務省 海外安全ホームページ)
- 航空便の運航状況は変動する可能性があるため、直前まで確認
- 個人旅行の場合、予約は可能だが状況変化に柔軟に対応できる計画を
- 混雑が少ない今は、実は穴場の時期かもしれない(地方観光地は特にチャンス)
現地の受け入れ状況について
日本国内では、観光・宿泊・飲食業ともに通常通りの歓迎ムードが続いています。政治的な対立と市民レベルの交流は切り離されており、中国人観光客への対応に変化はありません。実際、個人旅行客の宿泊予約が増加している背景には、このような現地の受け入れ体制の安定性があります。
よくある質問(FAQ)
今後の展望
今回の状況は、日本の観光業界に重要な教訓を与えています。特定国・特定形態への過度な依存がいかに脆弱かを露呈した一方で、高付加価値化を進めてきた施設は価格競争に巻き込まれずに済んでいます。
中国以外からの訪日客数はコロナ前を大きく上回る伸びとなっており、韓国、台湾、欧米豪市場が順調に拡大しています。一方、中国人観光客は日本以外の選択肢(韓国、タイ、シンガポールなど東南アジア諸国)への旅行を増やしているという報道もあり、アジア域内での観光競争が激化しています。
様々な国からの観光客のニーズを取り込むことで外国人観光客の分散化を図ることが、観光立国を目指す日本にとって重要な課題となっています。今回の危機を転機として、特定市場への依存から脱却し、多様な国からの旅行者を受け入れる体制づくりが求められています。
まとめ:春節の日本、実際はどうなる?
中国政府が3回も「日本に行くな」と呼びかけているのに、春節の宿泊予約は前年より約57%も増えている——このニュースを見て「結局、混雑するの?しないの?」と疑問に思った方も多いはず。
答えは「混雑の種類が変わる」です。大型バスで移動する団体ツアーは激減していますが、個人で自由に旅行するスタイルが急増しています。観光地での大混雑は減るかもしれませんが、人気のレストランや体験施設は個人客で賑わう可能性があります。
そして意外な事実として、日本全体の外国人観光客は2025年に過去最高を記録しています。中国からは減りましたが、韓国や台湾、欧米からの旅行者が大きく増えたからです。日本の魅力は、政治的な問題を超えて、世界中の人々を惹きつけ続けています。
この春節、日本で暮らす私たちが知っておくべきこと:
📍 観光地:例年より空いている可能性も。むしろ快適に観光できるチャンス
🍜 人気店:個人旅行客が分散して訪れるため、予約は早めに
💴 経済への影響:中国市場の縮小は避けられないが、他国からの観光客増加でカバー
🌏 長期的な変化:特定の国に頼らない、多様な観光立国への転換期
政治の波は避けられませんが、日本の観光地や街並みの魅力は変わりません。この春節は「量から質へ」という大きな変化の節目になるかもしれません。
情報ソース一覧
主要データソース:
• tripla株式会社 – 宿泊予約データ(全国1,727ホテル集計、2026年1月調査)[日本経済新聞 2025/12/19]
• JNTO(日本政府観光局) – 訪日外国人統計(2025年12月データ)[公式統計]
• 第一財経(中国経済メディア) – 航空便減便データ(49路線、2,376便キャンセル、2026年1月26日報道)
報道機関:
• 日本テレビNEWS(2026年1月26日、27日報道)
• 時事通信(2026年1月26日報道)
• フジテレビ国際取材部(2026年1月26日報道)
• レコードチャイナ(2026年1月報道)
分析・研究:
• SOMPOインスティチュート・プラス(2026年1月分析レポート)
• 国土交通省(訪日外国人統計データ)
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