突然、声が出なくなったら――TBSアナが明かした1か月
TBSでスポーツ実況や情報番組を担当する南波雅俊アナウンサー(38)が、自身の公式Xで、約1か月にわたる療養の経緯を明かしました。7月上旬から声がまったく出せなくなり、およそ1か月にわたって筆談中心の生活を送っていたといいます。診断されたのは「偽膜性声帯炎」という、耳慣れない病気でした。発症の直接的な原因は本人からも公表されていません。声を仕事にする人が声を失うことの重さと、そこから見えてくる声のトラブルとの向き合い方について、本人の投稿をもとに整理してみます。
出典:南波雅俊アナウンサー公式X投稿(2026年8月1日)
発症から復帰までの経過
南波アナ本人の投稿によると、発症は2026年7月上旬。「様々な悪条件が重なり」偽膜性声帯炎と診断され、声がまったく出せない状態になったといいます。以降はメモや筆談でのやり取りが中心となり、会話をできるだけ控える生活が1か月近く続きました。話し始めても3分ほどで声がかすれてしまう状態が続き、「今日こそは」と思いながら迎える朝が、悔しさとともにあったとつづっています。
この間、レギュラー番組や決まっていた仕事に加え、バレーボールネーションズリーグ(VNL)日本ラウンドの実況を含む複数の放送を、やむを得ずキャンセルすることになったといいます。声を伝える仕事に携わる立場として、その無力感は小さくなかったようです。
偽膜性声帯炎とは、そもそもどんな病気か
Q. 偽膜性声帯炎とはどんな状態ですか
報道によれば、声帯の粘膜がかさぶたのような膜状になって声帯に張り付き、振動をさまたげてしまう状態とされています。声のかすれやのどの痛み、失声(声が出なくなること)につながることがあり、症例自体は多くはないとされています。
Q. なぜ声がまったく出なくなるのですか
声は声帯という左右一対のひだが振動することで生まれます。ここに炎症由来の膜状の組織が付着すると振動がうまく起こらず、結果として声がかすれたり、まったく出せなくなったりすることがあると考えられています。
Q. 治るまでにどれくらいかかりますか
回復期間は症状の程度や声帯の状態によって異なり、一般的な期間を一律に示すことは困難です。南波アナは発症からおよそ1か月で放送の仕事に復帰しましたが、医学的にどの時点で完治と判断されたかは公表されていません。
Q. 原因は何なのですか
南波アナ本人は「様々な悪条件が重なり」とだけ述べており、直接の原因は明らかにしていません。医学的にも、この病気の原因がはっきり特定されないケースは少なくないとされ、咳が続いたことや上気道の炎症、声への負担などが重なって起こる例が報告されている程度にとどまります。歌手や教師、接客業、アナウンサーなど声を酷使する職業だから起こる、と単純に言い切れるものではありません。
似ている「声のトラブル」との違い
病名だけを聞くとイメージしづらいので、混同されやすい声のトラブルと簡単に比べてみます。あくまで一般的な傾向であり、実際の診断は医療機関でしか行えない点は留意したいところです。
| 症状名 | 主な要因(一般的傾向) | 特徴 | 一般的な経過の目安 |
|---|---|---|---|
| 偽膜性声帯炎 | 直接の原因が明確でないことも多い。咳や上気道の炎症を伴う例が報告される | 粘膜が膜状になり声帯に張り付く。症例は多くない | 個人差が大きく、一律の目安は示しにくい |
| 急性声帯炎(急性喉頭炎) | 多くはウイルス性の上気道感染。細菌性はまれ | のどの痛みや咳を伴うことが多いが、発熱を伴わない場合もある | 2〜3週間程度で改善することが多いとされる |
| 声帯結節 | 声の使いすぎ、無理な発声の継続 | 両側の声帯にできやすい | 状態や声の使い方により異なる |
| 声帯ポリープ | 声の使いすぎ、無理な発声の継続 | 片側にできやすい | 状態や治療法により異なる |
「早めに休ませる」か「無理して出し続ける」か
声の安静は治療として広く行われていますが、効果を断定できるほどの根拠が整っているわけではありません。それでも、対応の違いによって負担のかかり方は変わってきます。
発声量を減らした場合
- 声帯への機械的な負担が積み重なりにくくなると考えられます
- 症状が強いときに、無理な発声を避けやすくなります
- 改善しない場合に、早い段階で受診を判断しやすくなります
無理に声を出し続けた場合
- 声帯への負担が増える可能性があります
- 症状の変化や悪化そのものに気づきにくくなることがあります
- ささやき声も声帯に負担をかける場合があり、「小声なら平気」とは限りません
声を使う仕事の人ほど、知っておきたいこと
アナウンサーや教師、歌手、接客業など、日常的に声を使う仕事にとって、声が出なくなることは仕事に直結しかねない切実な問題と言えるでしょう。南波アナも「耐え難い無力感」という言葉で当時の心境を表現しています。数日以上かすれた声が続く、あるいは急に声が出しにくくなったと感じたら、無理に仕事を続けようとせず、早めに耳鼻咽喉科を受診することが、結果的に回復への近道になりやすいとされています。
こんなサインに気づいたら、受診を検討したい
症状の程度によって、急ぐべきかどうかの目安は変わってきます。自己判断だけで様子を見続けないようにしましょう。
速やかに医療機関へ相談したいサイン
- 息が苦しい、息を吸うときに異常な音がする
- 唾液や食べ物が飲み込みにくい
- 急にほとんど声が出なくなった
- 声を仕事で使う場面が多く、症状が悪化している
改善が見られない場合に検討したいサイン
- 声のかすれが1か月ほど経っても改善しない
- 話し始めるとすぐに声が枯れてしまう
- 市販薬や自己流のケアを試しても変化が見られない
声は、当たり前のようでいて繊細なもの
南波アナは2026年7月27日(月)から放送に復帰し、「感覚も戻ってきました」と回復を実感している様子をつづっています。今後の放送について「120%の放送を出し切ります」と意気込みを見せました。声を失うつらさを経験したからこそ、その言葉に重みを感じる読者もいるかもしれません。声は誰にとっても当たり前のようでいて、実はとても繊細なものです。この機会に、自分の声の調子にも少し耳を傾けてみてはどうでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。↓↓のバナーをクリックして応援いただけると嬉しいです。













