認知症の徘徊・行方不明対策|GPS機器で約85%が当日発見——家族ができる備えを解説
夕食の準備をしている数分の間でした。振り返ると玄関が開いていて、父の姿がありません。携帯電話も持たず、財布もない。どこを探せばいいのか分からない——。これは実際に多くの家族が経験している出来事です。「いつも通り散歩に出た」「ゴミ出しに行った」など、ほんのわずかな時間に姿を消すのが認知症による行方不明の現実です。2025年だけで全国1万7345人の認知症高齢者が行方不明になり、警察に届け出が出されています。
なお、認知症の方の「徘徊」と呼ばれる行動は、本人にとっては目的のある外出であることが少なくありません。「家に帰りたい」「昔の職場に行きたい」という思いから外へ出てしまうケースが多く、決して無目的に歩き回っているわけではないのです。この記事では「一人歩き・行方不明」として扱いながら、家族が今すぐできる備えをお伝えします。
この記事を閉じる前に、まず知っていただきたいことがあります。今すぐやるべき基本の備えは3つです。最新の顔写真を保存する、GPS機器や見守りサービスを検討する、地域の相談窓口に連絡する。この3つを今日中に始めるだけで、万が一のときの対応が大きく変わります。記事の最後では、この基本3つに加えてすぐに実行できる2つの行動も紹介しています。その理由を、最新データと実例をもとに丁寧に解説します。
この記事でわかること
- 2025年の認知症徘徊・行方不明者の最新データと傾向
- GPS機器・見守りサービスの効果と選び方
- 発見が遅れると起こる危険(熱中症・低体温症・河川事故)
- 家族が今日から始められる具体的な3つの備え
最新データで見る「認知症徘徊・行方不明」の実態
「うちの親はまだ大丈夫」と思っていませんか。警察庁の統計は、認知症による徘徊・行方不明が特定の家庭だけの問題ではないことを示しています。
認知症の行方不明者数
118人が届け出当日に保護
死亡が確認された人数
※「84.9%」は、2025年中に所在確認等がなされた認知症の行方不明者のうちGPS等が活用された139件の集計結果です(警察庁2026年6月25日公表)。すべてのケースで同様の結果が保証されるものではありません。
70代・80代以上が中心、男性の届け出が多い傾向
警察庁が2026年6月25日に公表した報道発表によると、2025年(令和7年)の認知症による行方不明者のうち70代・80代以上が中心を占め、80代以上が最も多い層となっています。また、男性の届け出数が女性の1.3倍に上っています(出典:警察庁報道発表2026年6月25日)。こうした傾向の背景には、外出行動パターンの違いなどが関係している可能性があるとみられています。
また、2025年(令和7年)に所在が確認された認知症の行方不明者のうち、573人は死亡が確認されました(出典:警察庁報道発表2026年6月25日)。行方不明は単なる「迷子」ではなく、命に直結する問題です。
都道府県別——届け出数の多い地域
警察庁が2026年6月25日に公表した報道発表(2025年・令和7年データ)によると、都道府県別では神奈川県(1898人)が最多で、次いで大阪府(1857人)、埼玉県(1780人)となっています。愛知県・兵庫県・東京都も1千人を超えており、都市部・郊外を問わず広域にわたって発生していることがわかります。
よくある疑問に答えます——認知症の徘徊・行方不明 基本Q&A
「なぜ突然いなくなるの?」「いつ届ければいいの?」。家族が初めて直面する疑問を8つにまとめました。
- Q1認知症の人はなぜ突然外に出てしまうのですか?A.認知症による徘徊は「目的もなくふらつく」のではなく、本人なりの理由がある行動です。よく見られるのは、「昔の職場や実家へ行こうとする」「不安や混乱から逃げようとする」「トイレや水を探す」といったケースです。記憶が過去に戻ることで、現在の自宅を「知らない場所」と感じ、「家に帰ろう」として外へ出てしまうことも少なくありません。夕方〜夜にかけて症状が強まる「夕暮れ症候群」も徘徊が増える時間帯として知られています。
- Q2行方不明に気づいたら、いつ警察に届けるべきですか?A.「すぐに」届け出ることが正解です。警察への届け出に「何時間待つ必要がある」というルールはありません。認知症の方が行方不明になった場合、時間が経つほど発見が難しくなります。警察庁の集計によると、所在確認された方のうち届け出当日に発見された方が最も多く、早期の届け出が発見につながりやすいことを示しています。気づいた時点で迷わず110番または最寄りの警察署・交番に相談してください。
- Q3GPS機器とはどういうものですか?使い方が難しくないか心配です。A.GPS(全地球測位システム)を使った位置情報端末は、小型の機器を本人に持たせることで、スマートフォンなどから現在地をリアルタイムで確認できるものです。靴の中敷きに組み込まれたタイプ、財布に入るカード型、バッグに取り付けるタグ型など形状も多様です。スマートフォンの専用アプリで地図上に位置が表示されるため、操作に慣れていない方でも比較的使いやすくなっています。月額数百円〜数千円程度の通信費がかかることが多いです。
- Q4本人がGPS機器を拒否したり、外したりすることはないですか?A.これは多くの家族が直面する課題です。本人が「監視されている」と感じると拒否反応を示すことがあります。対策としては、「緊急時に助けてもらうための道具」として説明する、本人が気づきにくい靴底や衣類内蔵型を選ぶ、普段から自然に持ち歩くバッグや杖に取り付けるといった方法が有効です。紛失防止タグ型(AirTagなどスマートフォンと連携するタイプ)は目立ちにくく、屋外での発見にも使われている実績があります。
- Q5GPSは介護保険で利用できますか?費用はどのくらいかかりますか?A.現時点では、GPS機器そのものは介護保険の給付対象外です。ただし、自治体によっては独自の補助制度や貸し出しサービスを設けているところもあります。費用は市販の専用機器で初期費用数千円〜1万円台・月額通信費500〜3,000円程度が一般的です。補助の有無や条件は地域差が大きいため、まず市区町村の高齢者福祉窓口や地域包括支援センターに問い合わせて確認することをおすすめします。
- Q6「地域包括支援センター」とは何ですか?どこにありますか?A.地域包括支援センターは、高齢者とその家族のための総合相談窓口です。認知症の見守り登録・介護サービスの相談・GPS機器の補助制度の案内など、行方不明対策に関するさまざまなサポートを無料で受けられます。全国の市区町村に設置されており、電話でも相談できます。「(お住まいの市区町村名)+地域包括支援センター」で検索するか、市役所・区役所・町役場の代表番号に電話して「地域包括支援センターにつないでほしい」と伝えるだけでも案内してもらえます。
- Q7見守りシールやQRコード付き衣類とはどういうものですか?A.GPS機器以外にも、低コストで手軽に使える見守りグッズがあります。見守りシールは、名前・連絡先を記載したシールを衣類や持ち物に貼るもので、発見した人がすぐに家族へ連絡できます。QRコード付き衣類は、スマートフォンで読み取ると家族の連絡先が表示される仕組みで、本人が説明できない状況でも発見者が対応しやすくなります。これらはGPSの補助として組み合わせて使うのが効果的です。
- Q8自治体のSOSネットワークとはどのような制度ですか?A.多くの市区町村では、認知症の方が行方不明になった際に地域全体で情報を共有・捜索する「SOSネットワーク」や「見守り協力事業者制度」を設けています。コンビニ・郵便局・タクシー会社など地域の事業者が見守り協力者として登録されており、徘徊と思われる方を発見した際に警察や家族へ連絡する仕組みです。事前に地域包括支援センターや市区町村窓口で登録しておくと、いざというときに地域全体が動いてくれます。
- Q9認知症になると必ず徘徊(一人歩き)するのですか?A.必ずというわけではありません。認知症の種類や進行度によって症状は大きく異なります。ただし、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、見当識障害(時間・場所・人がわからなくなる症状)により道に迷うリスクが高まるとされています。また、症状が進むにつれてリスクが高まるため、「今は大丈夫」という状況が長く続くとは限りません。診断を受けたら早めに地域包括支援センターや専門医に相談し、予防的な備えを始めることが大切です。
発見手段の比較——それぞれの特徴と限界
行方不明になった場合、どのような手段で発見されるのでしょうか。代表的な5つの方法を多角的に比較しました。
| 発見手段 | 当日発見への 有効性 | 費用目安 | 家族の操作 | 広域対応 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| GPS専用機器 | 非常に高い | 月500〜3,000円程度 | スマホで簡単 | 可能 | 警察庁が公表したGPS活用139事例では84.9%が当日発見。電車での移動追跡も実績あり |
| スマート紛失防止タグ (AirTag等) | 高い | 機器購入費のみ (月額不要) | スマホで簡単 | 一部制限あり | 目立たず携帯しやすく補助的活用に向く。主力ではなくGPS機器との組み合わせが推奨 |
| 地域ネットワーク (声かけ・見守り) | 中程度 | 無料〜低額 | 不要 | 地域内のみ | 顔見知りの発見に強い。遠方移動には対応しにくい |
| 警察への届け出 (通常捜索) | 中程度 | 無料 | 不要 | 全国対応 | 全国の警察署が連携。ただしGPS無しでは時間がかかる場合も |
| SNS・チラシ による情報拡散 | 低い | 無料〜印刷費 | 家族が作成 | 拡散次第 | 補助的手段として有効。単独では即時発見は難しい |
GPS専用機器とAirTag——どちらが認知症の見守りに向いているか
GPS機器と紛失防止タグ(AirTag等)はよく混同されますが、仕組みと得意・不得意が異なります。
| 比較項目 | GPS専用機器 | AirTag等(紛失防止タグ) |
|---|---|---|
| リアルタイム追跡 | 常時可能 | 通過デバイス頼み |
| 月額費用 | あり(500〜3,000円程度) | なし(初期費用のみ) |
| 認知症見守り向き | 非常に高い | 補助的に有効 |
| 電車・遠距離移動の追跡 | 可能 | 電波環境による |
| 目立ちにくさ | 機種による | 小型で目立たない |
GPS専用機器は常時の位置把握に優れ、遠方への移動にも対応できます。AirTagは月額不要で手軽な反面、iPhoneユーザーの多い地域でないと位置精度が下がる場合があります。どちらか一方に頼るより、組み合わせて使うのが理想的です。
複数手段の組み合わせが最も効果的
どの手段にも「得意・不得意」があります。GPS機器は広域移動に強く、地域ネットワークは近隣での気づきに強い。警察への迅速な届け出は全国的な捜索網を動かす基盤になります。「GPS機器を持たせたから安心」ではなく、複数の手段を組み合わせた重層的な備えが、いざというときの安全につながります。
GPS機器活用のメリットとデメリット——導入前に知っておくこと
「便利そうだけど、本当に使えるの?」導入を検討する前に、メリットと限界を冷静に整理しましょう。
- 早期発見につながりやすい
警察庁の集計では、GPS機器を活用したケースの約85%が届け出当日に発見されました。時間との勝負となる認知症の行方不明において、最も有効な手段の一つです。 - 遠距離移動にも対応できる
電車で移動した事例でも位置情報が追跡できたことで、早期発見につながった報告があります。近隣捜索だけでは対応が難しい状況をカバーできます。 - 家族の精神的負担を軽減する
「今どこにいるか」がわかるだけで、日常的な不安が和らぎます。介護疲れの一因である「目が離せない」緊張感を緩和する効果も期待できます。 - 警察との連携がスムーズになる
届け出の際に現在地や移動経路の情報を提供できるため、捜索の効率化につながります。
- 本人が持ち歩かない場合がある
外出時に機器を忘れる、意図的に置いていくといったケースも。本人が自然に携帯できる形状選びが重要です。 - バッテリー切れのリスク
充電を忘れると機能しません。毎日の充電を習慣化する仕組みづくりが必要です。 - 月額費用が継続的にかかる
多くの機器で月500〜3,000円程度の通信費が発生します。長期利用を見据えたコスト計算が必要です。 - GPS万能ではない
屋内や地下では精度が落ちる場合があります。「GPS機器があれば絶対安心」という過信は禁物です。
発見が遅れると起こる危険——具体的なリスクを知る
早期発見の重要性を理解するために、発見が遅れた場合のリスクも知っておく必要があります。警察庁が公表した令和6年(2024年)版の統計資料によると、認知症の行方不明者の死亡確認場所は河川・河川敷(115人)が最多で、次いで用水路・側溝(79人)、山林(71人)となっており、この3か所だけで死亡確認全体の54%を占めています(同資料の死亡者数計491人)。さらに、死亡が確認された方の約77.8%は行方不明になった場所から5km以内で見つかっています。遠くに移動する前に、自宅周辺の水辺や山林が最も危険な場所になるということです。
季節によるリスクも見逃せません。夏場は熱中症、冬場は低体温症が深刻な危険につながります。特に高齢者は体温調節機能が低下しているため、屋外での長時間の滞在は命に関わることがあります。だからこそ、「気づいたらすぐに届け出る」と「GPS等で早期に位置を把握する」の両輪が、命を守ることに直結します。
GPS活用の実例——警察庁・報道で確認された発見事例
自転車に取り付けたGPS機器が他県内の位置を示したことで、届け出受理から2時間以内に自宅から約28キロ離れた他県内で無事発見・保護されました(警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」より)。
紛失防止タグの位置情報から電車移動が判明し、隣接県の警察に依頼した結果、届け出受理から約45分で自宅から約70キロ離れた駅周辺で発見・保護されました(警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」より)。
2025年のデータに関する報道発表では、家族が持たせたGPS機器で電車移動が把握でき、届け出受理から約2時間後に約130キロ離れた神奈川県内の駅で保護された80代男性の事例が紹介されています。
デメリットへの現実的な対処法
最大の課題は「本人が持ち歩かない」問題ですが、靴底内蔵型や衣類取り付け型を選ぶことでかなり解消できます。バッテリー問題については、毎朝の服薬管理と一緒に充電を確認するルーティンに組み込む方法が有効です。費用については、市区町村によってはGPS機器の貸し出しや購入補助を行っているところもあるため、地域包括支援センターや高齢者福祉担当窓口に問い合わせてみましょう。
状況別——今すぐ取るべきアクション
「備えたいけど、何から始めればいいかわからない」。状況に応じた優先アクションを整理しました。
まず警察(110番または最寄りの警察署)に届け出てください。「何時間待つ」必要はありません。届け出と並行して、以下の優先度順に手分けして探すことが効果的です。
| 優先度 | 探す場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 最優先 | 自宅周辺1km圏内の水辺・山林 | 警察庁統計で死亡確認の約78%が5km圏内。特に河川・用水路は最多 |
| 最優先 | いつもの散歩コース | 習慣的な行動ルートをたどる傾向がある |
| 最優先 | 以前住んでいた家・故郷 | 記憶が過去に戻り「帰ろう」とするケースが多い |
| 次いで | 昔の勤務先・通勤ルート | 仕事に行こうとする行動がよく見られる |
| 次いで | よく行くスーパー・商店 | 買い物ルートをたどることがある |
| 次いで | 最寄り駅・バス停 | 遠方へ移動するケースも報告されている |
| 補助的に | かかりつけの病院・診療所 | 診察に行こうとする場合がある |
GPS機器を持たせている場合は、その位置情報を確認し、警察に共有してください。近隣の方への声かけも並行して行うと効果的です。
まずは市区町村の高齢者福祉窓口に問い合わせ、補助制度の有無を確認しましょう。制度がない場合でも、市販のGPS専用機器または紛失防止タグ(AirTag等)を検討する価値があります。選ぶ際のポイントは、バッテリー持続時間・機器の大きさ・月額費用の3点です。本人の生活スタイルに合った形状(靴底型・タグ型・携帯型など)を選ぶことが、継続使用の鍵になります。
施設や病院からの「抜け出し」も起こり得ます。警察庁の資料では、施設から一人歩きに出てしまった事例でも、GPS機器や紛失防止タグがあれば早期の発見・保護につながった実績があります。施設側のセキュリティ対策を確認しつつ、本人が常時携帯できるタグ型機器を忍ばせておくことは、在宅介護と同様に有効な備えです。施設スタッフとGPS機器の活用方針を事前に共有しておくことも重要です。
「まだ初期だから大丈夫」と思いがちですが、行方不明のリスクは初期段階から存在します。本人がまだ意思疎通できるうちに、GPS機器携帯について一緒に話し合う機会を持ちましょう。「万が一のときに助けてもらうための道具」として説明することで、本人の理解と協力を得やすくなります。また、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談し、見守りネットワークへの登録も早めに進めておくと安心です。
家族が今すぐ確認すべき備えチェックリスト
以下のチェックリストで、現在の備えの状況を確認してみてください。1つでもチェックが入っていない項目があれば、今日から対策を始めましょう。
- 最近の写真を手元に保管している
行方不明時に警察やチラシで使う写真は、できるだけ直近の正面顔写真が理想です。3〜6ヶ月ごとに更新しましょう。 - よく行く場所・散歩ルートを把握している
自宅近辺の公園・スーパー・かつての職場や実家など、本人が向かいやすい場所をリスト化しておくと捜索の手がかりになります。 - GPS機器または紛失防止タグを用意している
警察庁が公表したGPS活用139事例では約85%が当日発見。補助制度の確認も含め、まず自治体窓口に問い合わせてみてください。 - 地域の見守りネットワーク・声かけサービスに登録している
市区町村の高齢者見守り登録や、地域包括支援センターへの相談を済ませておくと、行方不明時に地域全体で対応できます。 - 警察署の電話番号と最寄り交番の場所を把握している
緊急時は110番ですが、事前に最寄りの警察署・交番を確認しておくと、届け出の際に落ち着いて対応できます。 - 本人の服装・身体的特徴を記録している
当日の服装がすぐに伝えられるよう、朝の外出前に確認する習慣をつけておくことが大切です。 - かかりつけ医の連絡先を家族全員が把握している
行方不明後の保護時に、持病や服薬状況の確認が必要になる場合があります。診察券をスマートフォンで撮影して共有しておくと便利です。 - 緊急連絡先を紙に書いて保管している
スマートフォンが使えない状況でも対応できるよう、家族・かかりつけ医・地域包括支援センターの電話番号を紙で手元に置いておきましょう。 - 本人の持病と服薬内容を一覧にして保管している
発見後に医療機関を受診する際に必要になります。お薬手帳のコピーをとっておくか、スマートフォンで撮影して家族と共有しておくと安心です。
「備え」は一度やれば終わりではない
認知症は進行する病気です。初期に有効だった対策が、症状の進行とともに見直しが必要になることもあります。定期的にチェックリストを見返し、GPS機器のバッテリー状態・写真の更新・見守りネットワークとの情報共有を継続的に行うことが、本当の「備え」になります。一人で抱え込まず、地域包括支援センターやかかりつけ医とも連携しながら進めていきましょう。
相談先がわからない場合は
「何から始めればいいかわからない」という場合は、まず地域包括支援センターに電話相談することをおすすめします。GPS機器の補助制度・見守りネットワークへの登録・SOSネットワークの案内など、行方不明対策に関する相談をまとめて無料で受け付けています。最寄りの地域包括支援センターは、市区町村の代表番号または「(市区町村名)+地域包括支援センター」で検索すると見つかります。相談は無料です。
まとめ——この記事を閉じたら、今すぐ5つを実行してください
2025年の1年間で、認知症による行方不明の届け出は全国で1万7345件。そのうち573人の死亡が確認されています(警察庁報道発表2026年6月25日)。行方不明は「迷子」ではなく、命に関わる問題です。そして警察庁のデータは、GPS機器を活用した139事例のうち約85%が届け出当日に発見されていることも示しています。備えた家族と備えなかった家族では、いざというときの結果が大きく違ってきます。
基本の備えは3つ——写真の保存、見守りサービスの検討、地域窓口への相談。それぞれを具体的に行動に移すために、以下の5ステップ(基本3つ+今日すぐできる追加2つ)を実行してください。
正面顔写真を3〜6ヶ月ごとに更新する習慣をつけましょう。
GPS補助制度・見守り登録・SOSネットワークをまとめて案内してもらえます。相談は無料です。
自治体の補助制度を確認してから、本人に合った形状を選んでください。
「気づいたらすぐ110番・GPS確認・近隣への声かけ」の順番を家族で共有しましょう。
地域包括支援センターを通じて、地域のSOSネットワークや見守り協力事業者制度への登録も済ませておくと、万が一のときに地域全体が動いてくれます。
認知症による行方不明は、防げない事故ではありません。家族が事前に準備できることは数多くあります。写真1枚を保存すること。地域包括支援センターへ電話すること。GPS機器を準備すること。その小さな行動が、大切な家族の命を守る可能性があります。まずこの記事を閉じたら、スマートフォンで本人の写真を確認し、地域包括支援センターの電話番号を調べてみてください。その5分が、将来の安心につながるかもしれません。
参考資料・出典
本記事は以下の一次資料・公的情報をもとに作成しています。
- 警察庁「令和7年における行方不明者の状況」(2025年・令和7年データ、2026年6月25日公表)
▶ 警察庁 行方不明者統計ページ
※本記事の2025年数値(1万7345人・573人・都道府県別・GPS139件等)の出典 - 警察庁「令和6年における行方不明者届受理等の状況」(令和7年6月公表)
▶ PDFを開く(警察庁公式サイト)
※本記事の死亡確認場所(河川115人等)・5km圏内77.8%・GPS事例(28km・70km)の出典 - 厚生労働省 認知症施策関連資料
- 地域包括支援センター関連制度(介護保険法に基づく)
※本記事中の2025年データは警察庁の報道発表に基づきます。令和6年の詳細統計(死亡確認場所・GPS事例等)は警察庁公開資料(令和6年版・PDF)を参照しています。年次が異なるデータは本文中に明記しています。
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