日本の防衛費9兆円超え – 中国の批判と現実のギャップを読み解く
2026年度の日本の防衛予算が過去最大の9兆353億円に達しました。これに対し中国は「軍国主義復活」と強く批判していますが、実際のところ、その主張には大きな矛盾があります。本記事では、公表データに基づいて、なぜ日本が防衛費を増やさざるを得ないのか、一般の方にもわかりやすく解説します。
重要なお知らせ:本記事の情報は2025年12月時点のものです。防衛予算や国際情勢は変化する可能性がありますので、最新情報は政府公式サイトでご確認ください。
日本と中国、防衛費の実態を数字で比較
日本の2026年度防衛費
中国の2025年度国防費
中国は日本の約
まず注目すべきは、中国の国防費が日本の約4倍にも達しているという事実です。中国政府が公表した2025年度の国防費は約1兆7800億元(約36兆7600億円)で、前年比7.2%増となっています(出典:日本経済新聞、2025年3月5日報道)。しかも中国は4年連続で7%を超える増加率を維持しているのです。
さらに重要なのは、中国が公表している国防費には、実際の軍事関連支出の一部しか含まれていない可能性があるという点です。米国防総省の年次報告書や国際研究機関SIPRIなどの分析によれば、実際の国防支出は公表額よりも著しく多いとされています(出典:防衛省資料)。一部の分析では公表額の2倍に達する可能性も指摘されていますが、これは確定値ではなく専門家による推定である点に留意が必要です。
GDP比で見る防衛費の位置づけ
日本の防衛費はGDP比でおよそ1.6〜1.7%程度です(出典:各種報道)。これは国際的に見ても決して高い水準ではありません。NATO(北大西洋条約機構)加盟国の目標がGDP比2%であることを考えれば、むしろ控えめな水準と言えるでしょう。
| 項目 | 日本 | 中国 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 防衛費総額(公表額) | 9.0兆円 | 36.7兆円 | 公表ベースで約4倍 |
| 前年比増加率 | 3.8%増 | 7.2%増 | 中国の増加率が高い |
| GDP比(概算) | 約1.6〜1.7% | 詳細非公開 | 日本はNATO目標2%未満 |
| 継続増額年数 | 12年連続 | 20年以上連続 | 中国の方が長期継続 |
なぜ日本は防衛費を増やすのか
多くの一般市民が疑問に思うのは「なぜ今、防衛費を増やす必要があるのか」という点でしょう。その背景には、日本を取り巻く安全保障環境の急激な悪化があります。
周辺国の軍事的脅威の増大
中国は台湾周辺での軍事演習を常態化させており、日本の領海や排他的経済水域への侵入も繰り返しています(出典:海上保安庁発表)。また、北朝鮮は頻繁にミサイル発射を行い(出典:防衛省発表)、ロシアもウクライナ侵攻を続けています。こうした隣国の動きは、日本にとって直接的な脅威となっているのです。
実際、航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)回数は年々増加しており、自衛隊員は常に緊張状態に置かれています。中国軍機による領空接近や、過去にはレーダー照射などの危険な行為も報告されており(出典:防衛省公表資料)、現場では極めて高い緊張下で任務が遂行されています。
防衛費の具体的な使い道
2026年度の防衛費は、単に武器を購入するだけではありません。主な使途は以下の通りです。
2026年度防衛予算の主要項目
- 自衛官の処遇改善:老朽化した隊舎の建て替え、居室の個室化、訓練手当の新設など、前年比42%増の5814億円を計上(出典:時事通信報道)
- 無人機を活用した沿岸防衛:無人機による防衛体制の構築に関連予算を計上(出典:防衛省概算要求資料)
- 長距離ミサイルの整備:敵の射程圏外から対処できる装備の整備を継続(出典:政府予算案)
- 次世代戦闘機の開発:英国・イタリアとの共同開発を推進(出典:防衛省発表)
特に注目すべきは、自衛官の処遇改善に大きな予算が割かれている点です。報道によれば、長年にわたり自衛隊の生活環境や待遇には課題があったとされています。国を守る人々が適切な環境で働けるようにすることは、当然の責務と言えるでしょう。
中国の批判に見る矛盾点
中国外務省の林剣副報道局長は、日本の防衛費増額について「軍国主義復活をたくらむ邪悪な下心」と批判しました(出典:共同通信、2025年12月26日報道)。しかし、データを見る限り、この発言には大きな矛盾があります。
日本の立場
- 専守防衛の原則を堅持
- 文民統制(シビリアンコントロール)を維持
- 平和憲法のもとで防衛力を整備
- 透明性の高い予算編成
- 国際協調を重視
中国の軍事動向(公表データ・専門家分析より)
- 自国は日本の4倍以上の国防費(公表額)
- 実際の軍事費はさらに多い可能性(専門家分析)
- 台湾周辺で大規模な軍事演習を実施
- 南シナ海で領有権を主張
- 核兵器を保有し増強中
専門家・分析機関の見方
中国は「国際社会から批判の声が絶えず上がっている」と主張していますが、実際には様々な見方が存在します。多くの安全保障専門家や研究機関が中国の急速な軍備拡張と威圧的な行動に警戒感を示しているのも事実です(出典:各種シンクタンク報告書)。
SNSや掲示板など一部の世論では、「自分たちの方が防衛費をたんまり使っているし、核も持っている」といった声も見られます。こうした反応は、一般市民が公表データから感じる率直な疑問を表したものと言えるでしょう。
市民が知っておくべき重要ポイント
防衛費増額の本質的な理由
日本の防衛費増額は、侵略のためではなく、自国と国民を守るための対応です。ウクライナの事例が示すように、一方的に攻撃されてから備えるのでは遅いのです。抑止力を持つことで、戦争そのものを防ぐことが目的とされています。
日本は戦後80年近く、平和国家としての道を歩んできました。その基本方針は今も変わっていません。しかし、平和を守るためには、時に防衛力の強化が必要という現実を、私たちは直視する必要があります。
サイバーセキュリティと能動的対処
中国は日本の新しいサイバーセキュリティ戦略についても批判していますが、安全保障専門家の分析によれば、日本の「能動的対処」は攻撃的なものではないとされています。攻撃の兆候を早期に捉え、通信遮断や端末隔離で被害を未然に防ぎ、証拠を残して捜査・制裁につなげる防御的な枠組みであるという見方が示されています。
今後の展望と私たちにできること
防衛費の増額は必要な措置ですが、財源の問題も無視できません。報道によれば、防衛費増強のための財源確保策として増税が検討されているとされていますが(出典:AP通信など)、具体的な実施時期や規模については現時点で確定していません。安全保障と経済のバランスを考えながら、慎重に議論を進めていく必要があります。
市民として考えるべきこと
- 防衛費の使途について正しい情報を得ること
- 周辺国の軍事動向を冷静に把握すること
- 日本の平和主義の理念を守りながら、現実的な防衛力を考えること
- 国際社会との連携を重視した外交を求めること
- 財源の確保方法について建設的な議論に参加すること
また、日本は防衛産業の育成も課題となっています。現在、防衛装備品の相当部分を米国からの調達に依存しており、これではGDPへの波及効果も限定的です。技術流出を防ぐ体制整備も不可欠でしょう。
まとめ
日本の防衛費9兆353億円は、国際的に見れば決して突出した金額ではありません。むしろ「今までが低すぎた」という指摘もあります。中国の36.7兆円(公表額)という巨額の国防費と比較すれば、日本の姿勢がいかに抑制的かがわかります。
中国の「軍国主義復活」という批判は、公表データと照らし合わせると矛盾を含んでいます。日本は平和憲法のもと、専守防衛の原則を守りながら、必要最小限の防衛力を整備しているのです。
私たち一般市民は、感情的な議論ではなく、データと事実に基づいて防衛政策を評価する必要があります。平和を守るために何が必要か、冷静に考え、建設的な議論を続けていきましょう。
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