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介護職1.9万円賃上げの全容|手取り額と配分の実態【2026年6月】

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2026年6月から介護職の給与が上がる!月1万9千円賃上げの真実と現場の本音

2026年6月から介護職の給与が上がる!月1万9千円賃上げの真実と現場の本音

2025年12月22日、政府は介護職員の月額給与を最大1万9千円引き上げる方針を正式決定しました。介護保険制度史上初となる「臨時の前倒し改定」です。

一方、介護業界の専門メディアや現場の声を見ると、「最大という言葉の意味は?」「事務負担はどうなる?」といった疑問が多数報告されています。

今回の記事では、政府発表の内容をもとに、制度の仕組み、実際の支給額の見込み、そして現場で報告されている課題まで、客観的な情報を分かりやすく解説します。

2025年12月23日時点の最新情報

政府は2025年12月22日、2026年度の介護報酬を2.03%引き上げ、介護職員の月額給与を最大1万9千円増額する方針を正式に決定しました。実施時期は2026年6月からです。

重要な注意点:2.03%という改定率は予算編成案での合意であり、具体的な各サービス種別への単位配分は、2026年初頭の社会保障審議会(介護給付費分科会)で正式決定されます。

なお、この記事の内容は今後の制度運用により変更される可能性があります。最新情報は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

最大賃上げ額
1.9万円
月額(介護職員)
実施時期
2026年6月
臨時改定による
介護報酬改定率
2.03%
前回1.59%を上回る

今回の賃上げで押さえるべき3つのポイント

対象者は介護職員だけではない

今回の賃上げ政策で注目すべきは、対象範囲が大幅に拡大された点です。従来の処遇改善加算では介護職員のみが対象でしたが、2026年6月からは訪問看護師、ケアマネージャー、理学療法士、作業療法士など、介護従事者全般が対象となります。

ただし、賃上げ額には差があり、介護職員は最大月1万9千円、その他の職種は月1万円程度が想定されています。これは介護報酬の算定構造上、介護職員の配置数をベースに加算額が計算されるためです。

「最大」という言葉の意味を理解する

政府発表の「最大1万9千円」という表現には注意が必要です。すべての介護職員が一律で1万9千円を受け取れるわけではありません。実際の支給額は、事業所の取得する処遇改善加算の区分、職員の経験年数や役職、事業所の配分方針によって大きく異なります。

特に小規模事業所では、加算の要件を満たすための事務負担が大きく、上位区分の取得が難しいケースもあります。

手取り額への影響:仮に月1万9千円の賃上げが実現しても、標準報酬月額の等級が上がることで社会保険料が増加します。手取りベースでは月1万2千円から1万4千円程度の増加にとどまると予測されます。

実施は2026年6月から

注意すべきは実施時期です。2026年6月からの実施となるため、2025年度内は従来の処遇改善加算が適用されます。ただし、2025年12月から2026年5月までの半年間は、補正予算による月1万円の賃上げ措置が実施される予定です。

重要な注意点:2026年6月という実施時期は、介護報酬システムの改修期間を考慮した日付です。2026年4月・5月分は遡及適用されない可能性が高いため、給与計算や資金計画には注意が必要です。

処遇改善加算の仕組みとは

複雑すぎる制度設計が問題視される理由

介護職員の賃上げは「処遇改善加算」という制度を通じて実施されます。この制度は、事業所が一定の要件を満たすことで介護報酬に加算され、その財源を職員の賃金改善に充てる仕組みです。

しかし、現場からは「制度が複雑すぎる」という声が絶えません。処遇改善計画書の作成、職員への配分計算、実績報告書の提出など、膨大な事務作業が必要となります。特に中小規模の事業所では、専門知識を持つ人材が不足しており、社労士への相談費用も負担となっています。

基本報酬ではなく加算方式の限界

多くの事業所経営者が指摘するのは、「なぜ基本報酬を上げないのか」という点です。加算方式では、要件を満たすための様々な条件が設けられ、それをクリアするための投資が必要になります。

例えば、生産性向上推進体制加算を取得するには、見守り支援機器の導入やICTシステムの整備が必要ですが、これらの初期投資は事業所の自己負担となります。結果として、本来職員の賃金に回すべき財源が設備投資に消えてしまうという矛盾が生じています。

項目今回の改定内容従来との違い
対象者介護従事者全般(看護師、ケアマネ含む)介護職員のみ
介護職員の賃上げ額最大月1万9千円段階的な引き上げ
その他職種の賃上げ額月1万円程度対象外だった
実施時期2026年6月通常は3年ごとの改定
介護報酬改定率2.03%前回2024年度は1.59%

現場の声から見える本当の問題

事務職員の負担増加

処遇改善加算の申請には、複雑な計算式と大量の書類作成が必要です。Yahoo!ニュースのコメント欄では、介護事業所の事務担当者から「加算を取るための申請や報告書作成に膨大な時間がかかる」という声が多数報告されています。

さらに、要件が年々厳しくなる傾向にあり、前年度取得できた加算が翌年度は取得できないというケースも増えています。社労士への相談費用は年間数十万円に上ることもあり、中小事業所にとっては大きな負担です。

職種間の配分に関する課題

処遇改善加算の配分方法は事業所の裁量に委ねられています。Yahoo!ニュースや介護専門メディアのコメント欄では、「同じ施設で働いているのに配分額に差がある理由が分からない」という職員からの意見が多数見られます。

特に、看護師や理学療法士など医療職への配分が少ないことが課題として報告されています。これらの職種は介護施設の運営に不可欠ですが、従来の処遇改善加算では対象外でした。今回の改定で対象となったものの、配分額は介護職員より低く設定される見込みです。

小規模事業所が直面する課題

Yahoo!ニュースのコメント欄では、地域密着型の小規模事業者から「加算の要件を満たすための人員配置ができない」という報告が複数寄せられています。生産性向上推進体制加算などの新要件は、見守り支援機器の導入やICTシステムの整備が必要であり、初期投資が負担となる小規模事業所では実質的に取得が困難な場合があります。

結果として、同じ介護職員でも勤務先の規模によって待遇に格差が生じる構造となっています。

今回の賃上げの良い点

  • 対象者が介護従事者全般に拡大され、看護師やケアマネも含まれる
  • 前回改定(1.59%)を上回る2.03%の報酬引き上げ
  • 通常3年ごとの改定を待たず、臨時改定で前倒し実施
  • 他産業との賃金格差縮小に向けた政府の姿勢が明確
  • 補正予算と合わせて段階的な賃上げが期待できる

現場が懸念する問題点

  • 加算方式のため事務作業の負担が増加し続ける
  • 小規模事業所は新要件をクリアできず格差が拡大
  • 基本報酬が上がらないため経営の根本的改善にならない
  • 職種間の配分ルールが不明確で不公平感が残る
  • 社会保険料の増加で手取りはわずかしか増えない

勤務先別の給与への影響予測

大規模特別養護老人ホームの場合:

上位区分の加算を取得しやすく、介護職員は月1万5千円から1万9千円程度の賃上げが見込まれます。ただし、生産性向上推進体制加算などの要件をクリアする必要があります。

中規模デイサービスの場合:

中位区分の加算取得により、月8千円から1万2千円程度の賃上げが想定されます。事務作業の負担と投資効果のバランスが課題となります。

小規模訪問介護事業所の場合:

新要件のクリアが難しく、下位区分での算定となる可能性が高いため、月5千円から8千円程度にとどまる見込みです。

あなたができる3つの対策

勤務先の加算取得状況を確認する

まずは自分の勤務先がどの区分の処遇改善加算を取得しているか確認しましょう。多くの事業所では重要事項説明書や職員向け説明会で情報を提供しています。具体的な配分方法や支給時期についても質問する権利があります。

キャリアアップの計画を立てる

処遇改善加算では、経験年数や保有資格が配分額に影響します。介護福祉士などの資格取得や、勤続年数に応じた昇給制度の活用を検討しましょう。特に勤続10年以上の介護福祉士は優遇される仕組みとなっています。

より良い待遇の職場を検討する

事業所による待遇差が大きい以上、転職も選択肢の一つです。大規模法人や上位区分の加算を安定的に取得している事業所では、より高い賃金が期待できます。ただし、職場環境や業務内容とのバランスも重要ですので、総合的に判断することが大切です。

賃上げを確実に受け取るためのチェックリスト

  • 勤務先の処遇改善加算の取得区分を確認済み
  • 2026年6月以降の給与明細で賃上げ分を確認する予定
  • 配分ルールについて説明を受けた、または質問の機会を得た
  • 自分の経験年数や資格が配分にどう影響するか理解している
  • 手取り額への影響(社会保険料増加)を把握している
  • 2026年4月・5月分は遡及適用されない可能性を理解している
  • 不明点がある場合の相談先(上司や事務担当者)を確認済み

今後の介護報酬改定の展望

2027年度の通常改定に向けて

今回の臨時改定は2026年6月からの措置ですが、次回の通常改定は2027年度に予定されています。他産業との賃金格差は依然として大きいため、さらなる処遇改善が必要という声が専門家からも上がっています。

ただし、介護保険財政は厳しい状況が続いており、保険料や利用者負担の増加とのバランスが課題となります。

基本報酬引き上げの可能性

現場からは「加算ではなく基本報酬を上げてほしい」という要望が根強くあります。これが実現すれば、複雑な要件をクリアする必要がなくなり、事務負担も大幅に軽減されます。

しかし、基本報酬の引き上げは介護保険料の大幅な増額を意味するため、政治的なハードルは高いと言わざるを得ません。

まとめ:賃上げの恩恵を最大化するために

2026年6月から実施される月最大1万9千円の賃上げは、介護職員にとって朗報です。しかし、「最大」という言葉の裏には、事業所規模や加算取得状況による格差、複雑な事務手続きの負担など、様々な課題が潜んでいます。

重要なのは、この制度を正しく理解し、自分の勤務先での実際の影響を把握することです。加算の取得状況や配分方法について積極的に情報を得て、必要に応じて上司や事務担当者に質問しましょう。

また、長期的な視点では、資格取得によるキャリアアップや、より良い待遇の職場への転職も検討する価値があります。

介護の仕事は社会に不可欠なものです。あなたの努力が正当に評価され、安心して働き続けられる環境が整うことを願っています。

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