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はっさー
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【2025年税制改正】高校生扶養控除38万→25万は増税か?年収別シミュレーション結果

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【決定版】高校生扶養控除縮小は実質増税か?税制改正の真実と年収別シミュレーション、高所得者が取るべき行動

【決定版】高校生扶養控除縮小は実質増税か?税制改正の真実と年収別シミュレーション、高所得者が取るべき行動

2025年度税制改正大綱において、高校生の扶養控除縮小が正式に盛り込まれました。児童手当の拡充と高校無償化の裏側で、多くの家庭が気づいていない「税負担の変化」があります。

結論から言えば、控除縮小単体では増税ですが、児童手当の拡充とセットで考えると、ほとんどすべての世帯で実質的な手取りはプラスになります。ただし、その仕組みと影響額は所得層によって大きく異なります。

本記事では、制度変更の背景から具体的な金額シミュレーション、そして今すぐ取るべき対策まで、税理士監修レベルの正確な情報を網羅的に解説します。

記事執筆:2025年度税制改正大綱決定後

制度変更の全体像:何が、いつ、どのように変わるのか

扶養控除縮小の具体的な内容

現在、高校生年代(16〜18歳)の子どもを扶養している家庭では、親の税金計算時に「特定扶養親族」として以下の控除が受けられます。

38万円 現行の所得税控除額
(特定扶養親族)
25万円 改正後の所得税控除額
(13万円減)
45万円 現行の住民税控除額
(特定扶養親族)
33万円 改正後の住民税控除額
(12万円減)

この控除額は、2010年の年少扶養控除(0〜15歳)廃止時の水準に戻すという形です。当時、民主党政権下で「子ども手当」導入と引き換えに年少扶養控除が廃止されました。今回の改正は、その流れを高校生にも適用するものと言えます。なお、住民税の特定扶養親族控除額は現行45万円ですが、これを一般の扶養親族と同じ33万円に引き下げる内容です。

制度変更のタイムライン

2024年10月〜
児童手当が高校生(18歳の年度末まで)まで拡充。月額1万円、年額12万円の支給開始。支給回数は年6回(2ヶ月分ずつ)の予定。
2025年12月
2025年度税制改正大綱で高校生扶養控除の縮小が正式決定。
2026年度〜
私立高校を含む高校の実質無償化が所得制限なしで実施予定。授業料相当額(年間約40万円程度)が支援対象。
2026年分〜
所得税の扶養控除縮小が適用開始(2027年の確定申告・年末調整で反映)。
2027年度〜
住民税の扶養控除縮小が適用開始(2027年6月の給与から反映)。

正確なシミュレーション:あなたの家計への影響額

計算の前提を理解する:課税所得と税率の関係

多くの記事で誤解を招いているのが、「年収」と「課税所得」の混同です。税率は課税所得(年収から各種控除を引いた金額)に対して適用されます。

例えば、年収600万円の家庭でも、基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除などを差し引くと、課税所得は400万円程度になることが一般的です。この場合、所得税率は20%が適用される部分が多くなります。

シミュレーションの注意事項

以下の計算例は標準的なケースです。実際の税額は、他の控除(住宅ローン控除、医療費控除等)や家族構成により変動します。正確な影響額を知りたい場合は、税理士や税務署にご相談ください。

計算例:課税所得400万円(所得税率20%)の世帯

所得税の増税額:
(38万円 – 25万円) × 20% × 1.021(復興特別所得税) = 13万円 × 0.2 × 1.021 = 約26,550円
住民税の増税額:
(45万円 – 33万円) × 10% = 12万円 × 0.1 = 12,000円
合計増税額:
26,550円 + 12,000円 = 38,550円
児童手当(年額):
月額1万円 × 12ヶ月 = 120,000円
実質的な家計への影響:+81,450円(プラス)

年収別・税率別の影響額シミュレーション一覧

課税所得の目安所得税率所得税
増税額
住民税
増税額
合計
増税額
児童手当
(年額)
実質的な
家計への影響
200万円
(年収300万円程度)
5%約6,640円12,000円約18,640円120,000円+約101,000円
330万円
(年収500万円程度)
10%約13,270円12,000円約25,270円120,000円+約95,000円
400万円
(年収600万円程度)
20%約26,550円12,000円約38,550円120,000円+約81,000円
700万円
(年収900万円程度)
23%約30,530円12,000円約42,530円120,000円+約77,000円
900万円
(年収1,200万円程度)
33%約43,804円12,000円約55,804円120,000円+約64,200円
1,800万円以上
(年収2,500万円程度〜)
40%約53,090円12,000円約65,090円120,000円+約55,000円
※所得税には復興特別所得税(2.1%)を含む
※年収は給与所得者の標準的なケースでの目安(配偶者控除、社会保険料控除等を考慮)
※実際の税額は個別の控除状況により変動します

表からわかるように、すべての世帯で児童手当の方が増税額を上回ります。課税所得1,800万円を超える超高所得層でも、プラス幅は5.5万円程度確保されています。住民税控除の減少額が当初想定より少ないため、多くの世帯で恩恵がより大きくなっています。

負担超過となる可能性があるケース

以下のような世帯では、実質的に負担増となる可能性があるため、特に注意が必要です。

注意すべき世帯の特徴

  • 過去に児童手当の所得制限で対象外だった世帯:2024年10月からの拡充で高校生分も受給できるようになったが、将来的に所得制限が復活する可能性がある。過去(2012〜2024年)の児童手当には所得制限があり、年収約1,200万円以上の世帯は対象外だった。
  • 複数の高校生がいる世帯:扶養控除の縮小は子ども1人につき適用されるため、高校生が2人いれば増税額は約2倍になる(一方、児童手当も2人分受給可能)。
  • 私立高校で無償化対象外の費用が多い世帯:高校無償化は授業料相当額のみで、入学金、施設費、制服代、修学旅行費などは対象外。年間数十万円の追加費用が必要。
  • 他の控除と併用している世帯:住宅ローン控除の限度額に達している場合、扶養控除縮小の影響を他でカバーできない可能性。
  • 住民税非課税世帯の境界線にいる世帯:控除縮小により課税所得が増え、住民税非課税世帯から外れることで、他の福祉サービス(給付金、医療費助成等)が受けられなくなる可能性。

制度変更の本質:なぜ「控除」から「手当」へ転換するのか

税による支援と給付による支援の根本的な違い

今回の変更の背景には、「税制による支援(控除)」から「給付による支援(手当)」への転換という、政府の大きな方針転換があります。

そもそも、扶養控除と児童手当は制度の目的が異なります。扶養控除は「最低生活費の保障」のための仕組みで、扶養家族がいることで生活費がかかることを考慮し、課税対象となる所得を減らすものです。一方、児童手当は「教育・子育て費用への直接支援」を目的とし、所得に関係なく一律の金額を現金で給付します。

控除と手当の仕組みの違い

控除方式(現行):税金を計算する際に所得から一定額を差し引く仕組み。累進課税制度のため、税率が高い人(高所得者)ほど減税額が大きくなる構造。例えば、所得税38万円の控除で税率40%の人は15.2万円の減税、税率10%の人は3.8万円の減税となる。また、住民税では特定扶養親族控除45万円により、税率10%で4.5万円の減税となる。

手当方式(改正後):所得に関係なく一律の金額を現金で支給する仕組み。すべての世帯が同じ金額(月1万円)を受け取る。低所得世帯にとっては控除方式よりも恩恵が大きく、高所得世帯にとっては恩恵が小さくなる。

政府は、子育て支援を「所得再分配機能」を持つ制度として再設計しようとしています。つまり、高所得者から低所得者へ、より多くの支援が行き渡る仕組みへの転換です。

高所得者の「ネット負担」の実態

「高所得者優遇」という批判がある一方で、データを見ると異なる側面が浮かび上がります。

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、年収1,000万円超の給与所得者は全体の約5〜6%ですが、この層が支払う所得税額は給与所得者全体の所得税収の半分以上を占めています

さらに、過去の子育て支援策を振り返ると、高所得者層は一貫して以下のような扱いを受けてきました。

一般世帯が受けてきた恩恵

  • 2010年〜:子ども手当(後の児童手当)の受給
  • 2014年〜:高校授業料無償化(所得制限あり)
  • 2024年〜:児童手当の高校生拡充・所得制限撤廃
  • 2026年〜:私立高校も含めた完全無償化(予定)

高所得者層が受けた扱い

  • 2010年:年少扶養控除廃止(一律)
  • 2012年〜2024年:児童手当の所得制限により不支給
  • 2014年〜2023年:高校無償化の対象外
  • 2025年〜:高校生扶養控除縮小(検討)
  • 継続的に:配偶者控除の対象外、住宅ローン控除の縮小、定額減税の対象外

つまり、高所得者層は過去15年間、「控除の削減」と「手当の不支給」を同時に受けてきたという歴史があります。今回の改正で児童手当の所得制限が撤廃されたことは前進ですが、すぐに控除縮小という形で調整が入る構図です。

見落とされがちな視点:教育支援制度の全体像

高校生への支援は氷山の一角

高校生の扶養控除と児童手当だけに注目するのではなく、大学進学まで含めた子育てのトータルコストを考える必要があります。

2020年から開始された「高等教育の修学支援新制度」(大学無償化)では、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯に対して、授業料減免と給付型奨学金が提供されています。この制度でも、年収約380万円以上の世帯は対象外となります。

高校3年間にかかる実際の教育費

文部科学省の「子供の学習費調査」(令和3年度)によると、高校3年間の教育費は以下の通りです。

項目公立高校(年間)私立高校(年間)
学校教育費約31万円約75万円
学校給食費
学校外活動費(塾・習い事等)約21万円約26万円
合計約52万円約101万円

高校無償化により授業料相当額(年間約40万円)は支援されますが、修学旅行費、部活動費、制服代、通学費、塾・予備校代など、年間数十万円の「隠れた教育費」は依然として家庭が負担します。

児童手当の年額12万円は貴重な支援ですが、これらのトータルコストを考えると、計画的な貯蓄と家計管理が不可欠です。

今すぐ実践できる対策:家計を守るための具体的アクション

制度変更に特化した即効性のある対策

高所得世帯が今すぐ取るべき行動

  • 扶養のつけ方を再検討:夫婦共働きの場合、扶養控除は税率が高い方の親につける方が減税効果が大きい。今回の控除縮小により、どちらにつけるのが有利か再計算する。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出額を増やす:所得控除を活用し、課税所得を下げることで税率の適用を下げる。年間最大81.6万円(会社員の場合は最大27.6万円)まで拠出可能。
  • 児童手当の専用口座を作る:月1万円×12ヶ月=年12万円を自動的に教育費専用口座に振り込むよう設定。大学進学時の授業料として活用(3年間で36万円の蓄積)。
  • ふるさと納税の枠を最大限活用:現時点では控除上限額は変わらないが、将来的に見直しの可能性も。今のうちに活用し、返礼品を教育関連(図書カード、文房具等)にする。
  • 医療費控除の可能性を確認:家族全体で年間10万円を超える医療費がある場合、確実に申告する。歯科矯正、出産費用なども対象になる場合がある。
  • 住宅ローン控除との併用を最適化:住宅ローン控除で所得税が0円になる場合でも、住民税からの控除枠を活用できる可能性。税理士に相談する価値あり。
  • 生命保険料控除を最大化:一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類で、それぞれ所得税4万円、住民税2.8万円の控除が可能(最大で所得税12万円、住民税7万円)。

将来の制度変更リスクへの備え

過去の教訓から学ぶべきは、「一度導入された手当も、後から所得制限が設けられる可能性がある」ということです。

2010年に導入された子ども手当(後の児童手当)は、当初所得制限がありませんでしたが、2012年に所得制限が設けられ、年収約1,200万円以上の世帯は対象外となりました(2024年10月に撤廃)。

同様に、今回拡充された高校生への児童手当も、数年後に再び所得制限が設けられる可能性は否定できません。制度は常に変わるものという前提で、以下の備えをしておきましょう。

将来のリスクに備える家計戦略

  • 教育費の積立を手当に頼らない:児童手当はあくまで「プラスアルファ」と考え、基本的な教育費は別途計画的に貯蓄する。目安は大学4年間で約500万円(私立理系の場合)。
  • 控除の活用余地を常に確認:年に1度、自分が活用できる控除制度を総点検する。新しい控除制度が導入されることもあるため、税制改正のニュースに注目。
  • 所得分散の検討(自営業の場合):法人化、家族への給与支払い、経費計上の最適化など、合法的な所得分散により税率を下げる余地がないか専門家に相談。
  • 教育資金の一括贈与特例の活用:祖父母から孫への教育資金の一括贈与(最大1,500万円)が非課税になる制度を活用。現時点での確定期限は2026年3月31日までです(過去に延長が繰り返されてきた経緯があり、今後も延長される可能性はありますが、確実に活用したい場合は早めの検討を)。
  • 奨学金制度の理解を深める:大学進学時に備え、給付型奨学金、貸与型奨学金の種類と条件を早めに調査。高校の成績が重要な判断材料になる。

冷静な判断のために:感情論を超えた事実の整理

「公平性」をどう考えるか

この制度変更をめぐっては、「高所得者優遇の是正」と「高所得者への過度な負担」という相反する意見が対立しています。しかし、どちらも一面的な見方です。

事実として押さえるべきは以下の点です。

制度設計の本質的な課題

累進課税制度の構造上、控除は高所得者ほど減税効果が大きいのは避けられません。これを「優遇」と呼ぶかは価値判断の問題です。

一方で、高所得者は既に税収の大半を負担しているのも事実です。年収1,000万円の人は、年収400万円の人の約10倍の所得税を支払っています。

手当への転換は、税による再分配機能を強化する政策です。同じ財源で、より多くの低中所得世帯を支援できるようになります。

結局のところ、「誰にとって公平か」は、社会全体でどのような価値観を持つかによって変わります。重要なのは、感情的にならず、自分の家庭にとって何がベストかを冷静に判断し、行動することです。

政治的な議論に巻き込まれない

SNSやニュースのコメント欄では、「高所得者への不当な扱いだ」「金持ち優遇をやめるべきだ」といった激しい意見が飛び交います。しかし、政治的な主張に時間を使うよりも、自分の家計を守る具体的な行動を取る方が賢明です。

制度に不満があれば、選挙で意思表示することはできます。しかし、日々の家計管理においては、「今ある制度の中でどう最善を尽くすか」を考える実務的な姿勢が大切です。

最後に:変化に適応する力を持つ

「高校生の扶養控除縮小は実質増税か?」という問いに対する答えは明確です。控除縮小単体では増税ですが、児童手当の拡充とセットで考えると、高所得層を含むほぼすべての世帯で家計にプラスの影響をもたらします。

課税所得400万円(年収600万円程度)の標準的な世帯では年間約8.1万円のプラス、課税所得900万円(年収1,200万円程度)の高所得世帯でも年間約6.4万円のプラスとなる計算です。

何より大切なのは、制度は常に変わり続けるという前提で、柔軟に対応できる家計基盤を作ることです。

まずは自分の家庭の課税所得と税率を確認し、実際の影響額を計算してみましょう。そして、児童手当の使い道を家族で話し合い、教育費の長期計画を立て直す機会にしてください。子どもの未来への投資という目的は、どんな制度変更があっても変わりません。

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