スマホ一台で家族の安全をサポート|デジポリスが提供する総合防犯機能
「子どもが塾から帰る道が心配」「満員電車での痴漢被害が不安」「最近、近所で不審者情報が増えている気がする」
こうした日常の不安に対して、警視庁が無料で提供する防犯アプリ「デジポリス」が、具体的なサポート機能を提供しています。防犯ブザー、位置情報共有、犯罪情報の配信など、日常の安全対策を補助するツールとして活用できます。
この記事では、デジポリスの全機能を詳しく解説し、誰がどのように活用すべきかを具体的にお伝えします。2025年12月に追加された国際電話ブロック機能など、最新情報も含めてご紹介します。
重要なお知らせ
2025年12月より、国際電話番号からの着信を遮断する新機能が追加されました。特殊詐欺の約8割が国際電話を使用している現状を受け、警視庁が緊急対策として実装した機能です。既にアプリをダウンロード済みの方も、最新版への更新をお勧めします。
デジポリスとは?基本を押さえる
デジポリスは、警視庁生活安全総務課が開発・提供する公式防犯アプリケーションです。iPhone・Android両方に対応し、完全無料で利用できます。
開発の背景と目的
近年、犯罪の手口は巧妙化し、特に特殊詐欺では固定電話での被害割合が2022年の約9割から減少傾向にあり、近年は携帯電話やSNSを経由した接触が増加しています。また、スマートフォンのビデオ通話機能を悪用し、偽の逮捕状や警察手帳を見せる手口も登場しています。
このような状況を受け、警視庁は都民が日常的に持ち歩くスマートフォンを活用した防犯対策ツールとして、デジポリスを開発しました。単なる情報配信にとどまらず、緊急時の助けを呼ぶ機能や家族間の位置共有など、実用的な機能を多数搭載している点が特徴です。
誰のためのアプリなのか
重要:東京都外にお住まいの方へ
デジポリスは警視庁が提供するアプリのため、犯罪情報の配信は主に東京都内が対象です。しかし、痴漢撃退機能、防犯ブザー、ココ通知(位置情報共有)などの実用機能は全国どこでも使用可能です。都内への通勤・通学がない方でも、日常の安全対策として十分に活用できます。
以下のような方に特におすすめです。都内在住者、通勤・通学で都内を利用する方はもちろん、小中学生や高齢者のご家族がいる方(全国対応)、満員電車を利用する女性(全国対応)、地域の防犯活動に参加している方などが該当します。
機能を知る|7つの主要機能を徹底解説
1. 国際電話番号ブロックシステム(2025年12月新搭載)
この機能は、国際電話番号や警視庁が把握している詐欺電話番号からの着信を自動で遮断します(Android端末の場合)。着信履歴に残らないように設定することも可能です。
重要な制約:iPhoneユーザーへの注意
iPhoneの場合、Apple社のiOS仕様上、アプリ内で国際電話を直接ブロックすることができません。そのため、デジポリスでは携帯電話キャリアが提供する「国際電話一括拒否サービス」など、別の対策方法の利用手順を案内する画面が表示されます。Androidに比べて使い勝手が制限される点をご了承ください。
2. 地域犯罪情報のリアルタイム配信
あらかじめ「マイエリア」として自分の住所や勤務先周辺を登録しておくと、その地域で発生した犯罪情報がトップ画面に表示されます。街頭犯罪、子どもへの声かけ事案、特殊詐欺の予兆電話情報などが含まれます。
過去1か月分の犯罪発生場所が地図上に色分けで表示されるため、どの道を避けるべきか、どの時間帯に注意が必要かを視覚的に判断できます。
重要な制限事項
この犯罪情報配信機能は東京都内の情報に限定されています。東京都外にお住まいの方は、お住まいの地域の犯罪情報は配信されません。また、警察署・交番検索機能も主に東京都内が対象です。都外在住の方は、お住まいの都道府県警察が提供する類似アプリやサービスの併用をおすすめします。
3. 痴漢撃退機能・防犯ブザー
満員電車など声を出しにくい状況で、スマホ画面に「痴漢です 助けてください」という大きな文字を表示できます。同時に大音量の防犯ブザーを鳴らすことも可能です。
また、痴漢被害を見かけた第三者がこの画面を被害者に見せて、助けが必要かを確認する使い方もできます。これは、被害者が声を出せない状況でも周囲が介入しやすくする工夫です。
重要な注意点
この機能はあくまで補助的な防犯ツールです。周囲の人が必ず反応するとは限らず、安全を完全に保証するものではありません。他の防犯対策(防犯ブザーの携帯、信頼できる人への連絡、車両の移動など)と併用することを強くおすすめします。
4. ココ通知(居場所共有機能)
「いまここ」「かえるよ」といったメッセージと現在地を、あらかじめ登録した家族や友人に送信できます。塾や習い事から帰る子ども、夜遅くまで働く家族の安全確認に活用できます。
GPSによる位置情報をリアルタイムで共有するため、万が一連絡が取れなくなった場合でも、最後に送信した位置情報から捜索の手がかりになります。
5. 見守りパトロール機能
地域の防犯活動に参加している方向けの機能です。自分のパトロール時間や移動ルートを記録でき、活動実績を可視化できます。
また、「インコの部屋」という独自のゲーミフィケーション機能が用意されています。これは、防犯パトロール活動を記録すると、アプリ内で育成しているインコが成長したり、防犯クイズに正解するとポイントが付与される仕組みです。楽しみながら防犯知識を学び、継続的な地域見守り活動のモチベーション維持に役立ちます。
6. エリア通知機能
子どもへの声かけ事案や侵入窃盗が連続発生している危険エリアに入ると、プッシュ通知で警告してくれます。知らずに危険地域を通過するリスクを減らせます。
7. 防犯・詐欺対策コンテンツ
特殊詐欺の最新手口、サイバーセキュリティ情報、防犯のコツなどを学べるeラーニングコンテンツが充実しています。警察署や交番の検索機能も搭載されており、緊急時にすぐ最寄りの施設を探せます。
誰が使うべき?利用シーン別ガイド
| 利用者層 | 推奨機能 | 具体的な活用シーン |
|---|---|---|
| 小中学生の保護者 | ココ通知・エリア通知・犯罪情報地図 | 塾帰りの安全確認、通学路の危険エリア把握 |
| 満員電車を利用する女性 | 痴漢撃退機能・防犯ブザー | 通勤時の痴漢対策、緊急時の助け呼び |
| 高齢者・その家族 | 国際電話ブロック・詐欺情報通知 | 特殊詐欺の電話を自動遮断、アポ電情報の確認 |
| 地域防犯活動参加者 | 見守りパトロール・犯罪情報共有 | パトロール活動の記録、地域情報のSNS共有 |
| 都内通勤・通学者 | マイエリア通知・防犯情報 | 勤務先周辺の治安状況把握、帰宅時の安全確認 |
デジポリスのメリット
- 完全無料で全機能が使える(広告なし)
- 警視庁公式のため信頼性が高く、情報が正確
- 家族全員で使えば防犯意識の向上に役立つ
- 複数の防犯機能を一つのアプリで管理できる
- 最新の犯罪傾向に応じて機能が随時アップデートされる
デジポリスの注意点
- 犯罪情報は主に東京都内が中心(他地域の詳細情報は配信されない)
- 防犯ブザー・痴漢撃退機能は補助ツールであり、安全を保証するものではない
- iPhoneでは国際電話ブロック機能に制限がある(直接ブロック不可)
- エリア通知やココ通知の利用中、バックグラウンドで位置情報を取得するためバッテリー消費が増える
- アプリを入れただけでは効果薄、日常的な活用と他の防犯対策との併用が必要
- 位置情報を利用する機能では、プライバシーとバッテリー消費のバランスを考慮した設定が必要
年齢層別おすすめ活用法
10代〜20代:痴漢撃退機能を通学・通勤時の安全対策として活用。友人とココ通知を共有し、夜間の帰宅時に相互確認する習慣をつけましょう。
30代〜40代:子育て世代は子どもにココ通知を使わせることで見守り強化。マイエリアに自宅と子どもの学校周辺を登録し、犯罪情報をこまめにチェックしましょう。
50代〜60代:地域の防犯活動に参加している方は見守りパトロール機能で活動を記録。また、高齢の親に国際電話ブロック機能を設定してあげることで詐欺対策になります。
70代以上:家族のサポートを受けながら国際電話ブロック機能を有効化。詐欺情報のプッシュ通知を受け取る設定にして、常に最新の手口を把握しましょう。
今すぐできる5つのアクションステップ
- App StoreまたはGoogle Playで「デジポリス」と検索してダウンロード(所要時間:2分)
- マイエリアに自宅・勤務先・子どもの学校など関連する場所を登録(所要時間:3分)
- 国際電話ブロック機能をONにする(特に高齢者の設定を家族が手伝う)(所要時間:2分)
- 家族のスマホにもインストールし、ココ通知の連絡先を相互登録(所要時間:5分)
- 1週間に1回、アプリを開いて最新の犯罪情報をチェックする習慣をつける(所要時間:3分)
よくある疑問を解消|Q&A
Q1. 東京都外に住んでいても使えますか?
はい、使えます。犯罪情報の配信は主に東京都内が対象ですが、痴漢撃退機能や防犯ブザー、ココ通知などは全国どこでも利用可能です。都内への通勤・通学がある方にも便利です。
Q2. バッテリー消費は激しいですか?
エリア通知機能やココ通知機能を利用する場合、バックグラウンドで位置情報を取得するため、バッテリー消費が増加します。常時ONにすると端末の電池が早く減る可能性があります。
対策として、必要な時だけGPSをONにする設定、または犯罪情報の閲覧のみに利用し位置情報機能は最小限にするなど、利用目的に応じた設定調整をおすすめします。
Q3. 痴漢撃退機能を使うと必ず助けてもらえますか?
いいえ、保証はできません。アプリは助けを求める補助的な手段の一つであり、周囲の人が必ず反応するとは限りません。満員電車では気づかれない場合もあります。
しかし、声を出せない状況でも視覚的に訴えられる点は利点です。物理的な防犯ブザーの携帯、信頼できる人への事前連絡、車両を移動するなど、他の対策と必ず併用してください。
Q4. 個人情報は安全に管理されていますか?
警視庁が公式に提供しているアプリであり、個人情報保護法に基づいて適切に管理されています。ただし、エリア通知やココ通知などの機能を利用する場合、アプリがバックグラウンドで位置情報を取得する可能性があります。
位置情報の取得頻度や保存期間については、アプリの利用規約やプライバシーポリシーをご確認ください。不安な方は、位置情報機能を最小限に抑えた使い方も可能です。
Q5. 家族でアカウントを共有できますか?
アカウント共有はできませんが、各自がアプリをインストールし、ココ通知で相互に連絡先を登録することで、家族間の情報共有が可能です。
まとめ|日常に溶け込む防犯習慣を
デジポリスは、特別な知識や技術がなくても誰でも簡単に使える防犯ツールです。
ただし、アプリはあくまで補助的なツールです。地域の防犯活動への参加、物理的な防犯対策(防犯ブザー、防犯カメラなど)、周囲の人との協力関係の構築など、総合的な防犯対策の一部として活用してください。
重要なのは、ダウンロードして終わりではなく、日常的に活用する習慣をつけることです。週に一度は犯罪情報をチェックする、家族と定期的にココ通知で連絡を取り合う、こうした小さな積み重ねが、いざという時の安心につながります。
今日からあなたも、スマホ一台で始められる防犯対策の第一歩を踏み出してみませんか。
※本記事は2025年12月時点の警視庁公式情報に基づいています。最新情報は警視庁公式サイトをご確認ください。
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