国会議員の月額歳費5万円増、当面凍結へ 国民感情に配慮
2025年11月22日(土)15:57配信
国会議員の給与に当たる歳費を決める歳費法改正案を巡り、与野党は22日までに歳費の月額5万円引き上げを当面凍結する方針を固めました。自民党と連立政権を組む日本維新の会が「身を切る改革」などに逆行するとして強く反対しており、当面は現行のまま据え置き、増額する場合は次期国政選挙後に判断することになります。
国会議員の月額歳費を当面凍結する歳費法改正案の国会提出は11月中旬に与野党間で合意しており、25日の衆院議院運営委員会で正式に決める見通しです。国家公務員特別職の給与を引き上げた場合、国会議員の歳費も自動的に増額されていましたが、平成17年の同法改正で規定が削除されていました。民間の賃上げの流れもあり、今国会では特別職に限定することになりました。
与野党は国会議員の月額歳費を引き上げる場合、次期国政選挙後にすることも確認しました。参院選が予定されている令和10年(2028年)7月末日か、衆院解散・総選挙が行われる月の末日のいずれかまでは現在の月額給与129万4千円のままとなります。
今回の決定のポイント
- 月額5万円の引き上げは当面凍結
- 維新の強い反対が方針転換の要因
- 増額は早くても2028年7月以降
- 物価高で苦しむ国民感情への配慮
- 25日の衆院議運委で正式決定予定
歳費法改正案を巡っては11月上旬、自民と立憲民主党が特別職の給与法改正案に合わせて、国会議員の月額歳費も増額できないか維新に打診していました。しかし維新は自ら掲げる「身を切る改革」に反することや、物価高で苦しむ国民の理解が得られないことなどとして難色を示していました。
一方、政府は11日に首相官邸で開いた給与関係閣僚会議で、国家公務員一般職の給与を引き上げることを確認しました。これに対し、特別職の給与法で定められている首相と閣僚の給与については国会議員の月額歳費を超える部分の支給カットも決めていました。政権幹部は「国民の所得向上が先決で、国会議員の月額歳費の増額はその後。そもそも順序が逆だ」と語りました。
物価高の今、なぜ議員報酬引き上げ案が浮上したのか?
「また電気代が上がった」「スーパーの値札を見るたび憂鬱になる」――そんな声が全国から聞こえる2025年11月。そんな中、11月上旬に突如浮上したのが国会議員の月給5万円引き上げ案でした。
SNSでは「自分たちの給料は上げて、国民には我慢を強いるのか」「月5万円の昇給なんて、普通のサラリーマンにはありえない」と怒りの声が殺到。しかし、維新の強い反対により、当面凍結という結論に至りました。
この記事では、感情論ではなく事実とデータに基づいて、この問題を多角的に分析します。なぜこの案が浮上し、なぜ凍結されたのか。そして今後どうなるのか。あなた自身が判断するための材料を提供します。
最新の正確な情報は以下の公式サイトでご確認ください:
• 参議院公式サイト(法案審議状況)
• 衆議院公式サイト(法案審議状況)
• 各政党の公式ウェブサイト(党の見解)
• 総務省(国会議員の歳費に関する制度)
引き上げ案はどう検討されていたのか?
2025年11月上旬、自民党と立憲民主党が国会議員の月額報酬を引き上げる法案の検討を開始したと報じられました。もし実現すれば1999年以来、26年ぶりの増額となるはずでした。
なぜ凍結されたのか?
当初の検討案では、実施時期を次の国政選挙後まで先送りするという条件が含まれていました。具体的には、2028年7月の参院選か、それ以前に衆院解散があればその時点からの実施となる予定でした。
しかし、日本維新の会が強く反対したため、与野党は方針を転換。引き上げそのものを当面凍結し、増額する場合は次期選挙後に改めて判断することで合意しました。
日本維新の会は「身を切る改革」を党の基本方針として掲げており、国会議員の報酬引き上げには一貫して反対の立場です。吉村洋文代表は「実施時期に関係なく、議員報酬の引き上げ自体に反対」と明言していました。物価高で苦しむ国民の理解が得られないという判断もあり、与党側はこの意見を重く受け止め、当面凍結という結論に至りました。
そもそもなぜ引き上げ案が浮上したのか
政府側の当初の説明
政府側は主に2つの理由を挙げていました。
第一に、民間企業での賃上げの流れです。2024年の春闘では平均5.1%の賃上げが実現し、物価上昇に対応した給与改善が進んでいます。議員報酬もこの社会的な流れに合わせるべきだという考えでした。
第二に、国家公務員特別職の月額給与が引き上げられることになったため、同じ特別職である国会議員の報酬も見直すべきだとしていました。
過去の経緯
議員の報酬は、かつては国家公務員特別職の給与増に連動して自動的に上がる仕組みでした。しかし、2005年の法改正でこの自動連動は廃止されました。以降、議員報酬の変更には個別に法改正が必要となり、実質的に据え置きが続いてきたのです。
この間、消費者物価指数は約15%上昇しており、実質的な報酬価値は目減りしているという見方もありました。
各政党の反応を比較
| 政党 | 最終的なスタンス | 主な主張 |
|---|---|---|
| 自民党 | 当面凍結を受入れ | 当初は公務員給与や民間賃上げに合わせた適正化を検討も、維新の反対を受け方針転換 |
| 日本維新の会 | 一貫して反対 | 吉村代表「国民の給与を上げるのが先。実施時期に関係なく反対」 |
| 立憲民主党 | 当面凍結を受入れ | 当初は協議に参加も、世論と維新の反対を考慮 |
| 国民民主党 | 態度保留から受入れ | 協議に参加する姿勢も、最終的には凍結案を受入れ |
※ 本表は2025年11月22日時点の報道に基づく各党の公式見解をまとめたものです
維新・吉村代表の一貫した反対姿勢
日本維新の会の吉村洋文代表はSNSで「維新として増額の調整にも入っていないし、議員の報酬を上げるのは明確に反対だ」と投稿。さらに「議員報酬を上げる前に国民の給与を上げよ」と訴え、国民目線での政策優先を強調していました。この強い姿勢が、最終的に与党の方針転換を促す大きな要因となりました。
国民の反応は?実際の世論
SNSで見る生の声
当初の報道に対し、インターネット上では圧倒的に批判的な意見が多数を占めていました。報道各社のコメント欄では数千件を超える投稿があり、その大半が否定的な内容でした。凍結決定後も「当然の判断」「遅すぎた」という声が多く見られます。
批判的な意見(多数派)
- 物価高で生活が苦しい国民への配慮が全く感じられない
- 中小企業は賃上げしたくてもできない状況なのに
- 子育て支援は一時金2万円なのに議員は年60万円増の予定だった
- まず議員定数削減や経費の透明化が先ではないか
- 今このタイミングで検討すること自体、感覚がズレている
理解を示す意見(少数派)
- 26年間据え置きで実質目減りしている事実は考慮すべき
- 優秀な人材を集めるには一定の報酬が必要
- 実施は選挙後なので有権者が判断できる仕組みだった
- 民間の賃上げと整合性を取る面はある
凍結決定への反応
11月22日の凍結決定に対しては「当然の判断」「国民の声が届いた」という肯定的な意見が多い一方、「そもそも検討すること自体がおかしい」「結局選挙後には上げるつもりだろう」という厳しい声も根強く残っています。
議員報酬の実態を知っていますか?
月額129万円だけじゃない
多くの人が見落としている重要な点があります。国会議員には月額報酬以外にも大きな収入源があるのです。
国会議員に月額100万円支給される経費です。文書の発送、通信費、交通費、東京での滞在費などに使うことを想定されています。重要なのは、使途報告が不要で、領収書の提出義務もないという点です。実質的に第二の給与として機能しています。
国会議員の年収内訳
仮に今回の引き上げ案が将来的に実現した場合、この金額に年間60万円が上乗せされ、年収は約3,450万円となる見込みです。
一般的なサラリーマンとの比較
月5万円の重みを考える
国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、2023年の民間給与平均は約461万円でした。月5万円の昇給は年間60万円、つまり平均年収の約13%に相当します。
一般企業で13%の昇給を実現するには、通常は大幅な昇進や会社の業績急上昇が必要です。しかし、2024年の消費者物価上昇率は約2.5%。つまり、多くの家計では給与の伸びが物価上昇に追いついていない状況です。
この温度差が、当初の引き上げ案への強い反発につながり、最終的な凍結判断に影響を与えました。
世界の議員報酬と比較すると
主要国の議員報酬比較(年収換算・概算)
日本の議員報酬が国際的に見て高いのか低いのか、主要国のデータを見てみましょう。
※ 為替レートや算出方法により変動します。各国の制度や経費の扱いが異なるため、単純比較には注意が必要です。
この比較から分かるように、日本の議員報酬(歳費のみ)は主要国の中では中位から上位に位置します。ただし、文書通信交通滞在費を含めた実質的な収入で比較すると、トップクラスになる可能性があります。
この問題、私たちはどう考えるべき?
感情と事実を分けて考える
「許せない」という感情は自然な反応ですが、冷静な判断のためには事実を整理する必要があります。
判断のための5つのチェックポイント
- 26年間据え置きという事実と、その間の物価変動(約15%上昇)をどう評価するか
- 議員活動に必要なコストは適切にカバーされているか、経費の透明性は十分か
- 海外と比較して日本の議員報酬水準は適切か(上記比較表参照)
- 文書通信交通滞在費など、使途不明な経費の改革が先ではないか
- 物価高に苦しむ国民生活の実態と照らし合わせて、今このタイミングが適切か
あなたにできること
今回、引き上げ案は当面凍結されましたが、次期選挙後には再び検討される可能性があります。私たち有権者にも意思表示の方法があります。
まず、地元選出の国会議員に意見を伝えることができます。多くの議員はウェブサイトで意見投稿フォームを設けています。理性的で具体的な意見であれば、必ず届きます。
また、SNSでの発信も有効です。ただし、誹謗中傷ではなく、建設的な提案を含む発信を心がけましょう。今回の凍結決定も、SNS上での世論の反発が一つの要因となりました。
そして何より重要なのは、次の選挙での判断です。報道によれば、仮に将来的に引き上げが実施される場合も、次の国政選挙後とされています。つまり、有権者が投票行動でこの問題への評価を直接示すことができるのです。
まとめ:事実に基づいて判断しよう
この記事の要点
国会議員の月額報酬を5万円引き上げる法案が検討されていましたが、日本維新の会の強い反対により、2025年11月22日までに当面凍結する方針が固まりました。11月25日の衆院議院運営委員会で正式に決定される見通しです。
当初の検討案では26年ぶりの増額で、年間60万円の増額となる予定でした。政府側は公務員給与や民間賃上げとの整合性を理由に挙げていましたが、物価高に苦しむ国民からは強い批判が出ていました。
感情的な反応は理解できますが、重要なのは事実を正確に理解した上で判断することです。26年間の据え置き、海外との比較、経費の透明性、そして何より、国民生活を第一に考える政治が実現されているかを見極める必要があります。
今後の展開について:当面は現行の月額129万4千円が維持されますが、増額する場合は次期国政選挙後(2028年7月以降)に改めて判断されることになります。つまり、この問題への最終的な答えを出すのは、私たち有権者なのです。
一票の重みを再認識し、事実に基づいた判断をする機会として、この問題の推移を注視し、適切なタイミングで意思表示をしてみませんか。
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