【2026年2月判決】ミン・ヒジン氏、HYBEに255億ウォン支払い命令
泥沼化する裁判、NewJeansの「430億訴訟」はどうなる?
2026年2月12日、ソウル中央地裁がミン・ヒジン氏の請求を認める判決を下しました。HYBEに約255億ウォン(約27億円)の支払いを命じる一方、HYBE側は即日控訴を表明。さらに並行してNewJeansメンバーに対する430億ウォンの損害賠償請求訴訟も審理中で、紛争は長期化の様相を呈しています。K-POP業界を揺るがす法廷闘争の核心を徹底解説します。
最新情報(2026年2月12日):ソウル中央地裁はミン・ヒジン氏の主張を認め、HYBEに約255億ウォンの支払いを命じる判決を下しました。HYBE側は即日「株主間契約はすでに解除されている」との従来の主張を維持し、控訴を表明。さらに別件として、HYBEがNewJeansメンバーに対し、専属契約の履行を巡る損害賠償請求として約430億ウォンを請求する訴訟も並行審理中で、紛争は泥沼化しています。
そもそも何が起きていたのか?
【専門用語解説】この記事で出てくる法律用語
プットオプション:あらかじめ決めた価格で株式を買い取ってもらう権利。契約期間が過ぎたら、指定した金額で株を買い取ってもらえる約束のこと。
株主間契約:株主同士で交わす約束事。誰がどれだけ株を持つか、いつ売買できるかなどを決めた契約。
背任:会社や組織に対する裏切り行為。経営者が会社の利益を無視して、自分の利益を優先する行為。
控訴:一審判決に不服がある場合、上級の裁判所(高等裁判所)に訴え直すこと。
この騒動を理解するには、まず登場人物と背景を知る必要があります。ミン・ヒジン氏は、人気ガールズグループNewJeansを生み出したクリエイティブディレクター。一方のHYBEは、BTSを擁する韓国最大の芸能事務所です。
2021年、HYBEはミン氏と共同でADORという子会社を設立し、NewJeansをデビューさせました。このとき交わされた契約に、「プットオプション」という重要な条項が含まれていました。
騒動の経緯(タイムライン)
ADOR設立・株主間契約締結
HYBEとミン・ヒジン氏が株主間契約を締結。ミン氏にプットオプション(約260億ウォン規模)が付与される。
NewJeansデビュー
ミン氏プロデュースによりNewJeansがデビュー。国内外で爆発的人気を獲得。
ILLITコピー疑惑提起
ミン氏が同じHYBE傘下のILLITを「NewJeansのコピー」と公言。社内対立が表面化。
HYBE、株主間契約解除を通告
HYBEが「NewJeansとADORの私物化」を理由に契約解除。ミン氏は8月にADOR代表を解任される。
NewJeans契約有効判決
別の裁判で、NewJeansメンバーとADORの専属契約が「有効」との判決。メンバーは法的にはADOR所属。
最終弁論
株主間契約解除およびプットオプション訴訟の最終弁論。HYBE、ミン両氏が激しく対立。
一審判決(ミン氏の請求認容)
ソウル中央地裁がミン氏の主張を認め、HYBEに約255億ウォンの支払いを命令。HYBE側は即日控訴を表明。
プットオプションって何?
プットオプションとは、あらかじめ決めた価格で株式を買い取ってもらう権利のこと。簡単に言えば、「契約期間が過ぎたら、この金額で私の株を買い取ってください」という約束です。ミン氏の場合、その金額は約260億ウォン(約27億円)と推定されていました。
(約27億円)
(約21億円)
HYBEとミン氏、それぞれの主張
2025年7月、HYBEは突然、ミン氏との契約を解除すると通告しました。その理由は「NewJeansとADORを私物化しようとした」「会社に損害を与えた」というもの。契約が解除されれば、ミン氏のプットオプションも無効になり、約27億円を受け取る権利が消滅します。
| 争点 | HYBEの主張 | ミン・ヒジン氏の主張 | 裁判所の判断 |
|---|---|---|---|
| 独立計画 | ミン氏がADORの経営権を奪おうとした。投資家と接触し、独立を画策した | 構想段階の検討に過ぎず、HYBEの同意を前提としたもの。実行には至っていない | ミン氏に有利:HYBEの同意を前提とした案であり、重大な違反ではない |
| ILLITコピー疑惑 | 他のグループ(ILLIT)を「NewJeansのコピー」と公言したことは、契約違反である | NewJeansの価値を守るための正当な経営判断。ADORの代表としての裁量範囲内 | ミン氏に有利:経営判断の裁量範囲内であり、重大な義務違反ではない |
| 契約の有効性 | 重大な義務違反があり、契約は2025年7月にすでに解除された | 違反行為はなく、契約は有効。プットオプションを行使する権利がある | ミン氏に有利:契約解除の根拠となる重大な違反なし。プットオプション有効 |
裁判所が下した判断とその理由
2026年2月12日、ソウル中央地裁はミン・ヒジン氏の請求を認める判決を言い渡しました。裁判所が重視したのは、次の3つのポイントです。
1. 独立計画は「構想段階」に過ぎない
裁判所は、ミン氏が投資家と接触し、ADOR独立案を検討した事実は認めました。しかし、「これはHYBEの同意を前提とした案であり、実行段階には至っていない」と判断。契約を解除するほどの重大な違反とは言えない、としました。
2. ILLITコピー疑惑の提起は経営判断の範囲内
ミン氏が、同じHYBE傘下のグループILLITを「NewJeansのコピー」と批判したことについて、裁判所は「ADORの中核資産であるNewJeansの利益を保護するための経営上の判断」と評価しました。
3. カカオトークの会話だけでは証拠不十分
HYBEが証拠として提出したミン氏のカカオトーク(韓国版LINE)でのやり取りについて、裁判所は証拠能力を認めつつも、「この事実だけで重大な契約違反とは見なせない」と結論づけました。
判決のポイント(ミン氏に有利)
- 独立案はHYBEの同意前提で、実行していない
- ILLITコピー問題は経営判断の範囲内
- 契約解除事由となる重大な違反なし
- プットオプション行使は正当
- 引き抜き疑惑は認定されず
HYBE側の主張が認められなかった点
- カカオトークの証拠が決定的でない
- 投資家接触が違反に該当しない
- 信頼関係破壊の主張が不十分
- 契約解除の正当性なし
- 約255億ウォンの支払い命令
この判決が意味すること
今回の判決は、単なる金銭の問題を超えた、いくつかの重要な意味を持っています。
K-POP業界への影響
裁判所は、クリエイターの経営判断の自由を重視する姿勢を示しました。大手事務所と個人プロデューサーの間で交わされた契約においても、一方的な解除は容易に認められないという判断であり、今後の類似事案に影響を与える可能性があります。
また、「同じ会社の中で複数のグループが競合すること」への法的評価も注目されます。裁判所は「ADORの成長とHYBEの利益が必ずしも一致するとは限らない」と述べ、子会社の独立性を認める判断を示しました。
NewJeansの今後は?
重要なのは、この判決はあくまでミン氏とHYBEの間の金銭的な契約に関するものだという点です。NewJeansメンバーとADORの専属契約については、2025年10月の別の裁判で「有効」との判決が出ており、メンバーたちは法的には依然としてADOR(HYBE傘下)に所属しています。
並行する重大訴訟:さらに複雑なのは、HYBE(ADOR)側がNewJeansメンバーに対し、専属契約の履行を巡る損害賠償請求として約430億ウォンを請求する訴訟も並行して審理中であることです。この訴訟では、契約上の義務履行が争われており、紛争はさらに泥沼化しています。
ただし、ミン氏が今回の判決で約255億ウォンを受け取れば、新レーベル設立を表明している活動での資金は確保されます。今後、NewJeansのメンバーたちとどのような形で関わっていくのか、430億訴訟の行方と合わせて注目が集まります。
押さえておきたい6つのポイント
- 2026年2月12日、ミン・ヒジン氏の請求を認める一審判決
- HYBEに約255億ウォンの支払い命令
- 「経営権奪取疑惑」は契約違反に当たらないと判断
- HYBEは「契約はすでに解除」との主張を維持し、即日控訴
- NewJeansメンバーへの430億ウォン損害賠償訴訟も並行審理中
- 控訴審の結果次第で長期化する可能性
今後の展開はどうなる?
判決直後、HYBEは「主張が十分に受け入れられず残念」として、控訴(上級の裁判所に訴え直すこと)を行う方針を表明しています。
HYBE側の立場:契約解除の主張を堅持
特に注目すべきは、HYBE側が「株主間契約は2025年7月時点ですでに解除されている」という従来の主張を一切崩していない点です。一審判決では契約解除の正当性が否定されましたが、HYBE側はこの解釈に真っ向から反対する姿勢を鮮明にしています。
つまり、控訴審では再び「契約が有効か、すでに解除されていたか」という根本的な争点が審理されることになり、対立の根深さが浮き彫りになっています。
韓国の法律制度では、一審判決に不服がある場合、高等裁判所(控訴審)、そして最高裁判所(上告審)と、最大3回まで争うことができます。通常、控訴審の結論が出るまでには6ヶ月から1年程度かかるため、控訴審の結果次第では長期化する可能性があります。
一方、ミン氏側は判決後のコメントで「裁判所の判断を尊重する」としつつ、「消耗的な紛争ではなく、新しい音楽とステージで応えていく」と述べています。新たなレーベル設立への意向を示しており、法廷闘争と並行して、クリエイターとしての道を歩み始めています。
この記事の情報源
- ソウル中央地裁民事合議31部 判決(2026年2月12日)- ナム・インス部長判事
- Kstyle「ミン・ヒジン、HYBEとのプットオプションに関する訴訟で勝訴」(2026年2月12日)
- RBB TODAY「”NewJeans生みの親”ミン・ヒジンがHYBEに勝訴」(2026年2月12日)
- KOREA WAVE「韓流NewJeansのママ・ミン・ヒジン氏、全面勝訴」(2026年2月12日)
- STARNEWS「HYBEに255億支払え..重大違反はNO」(2026年2月12日)
- コレポ!「【全文】ミン・ヒジン側、HYBEとの訴訟で勝訴」(2026年2月12日)
まとめ:ファンとして知っておくべきこと
今回の判決は、ミン・ヒジン氏にとって大きな前進でした。しかし、これは「第一ラウンド」に過ぎません。HYBEが「契約はすでに解除されている」との主張を維持し即日控訴したことで、さらに長期の法廷闘争が続きます。
さらに深刻なのは、NewJeansメンバーへの430億ウォン損害賠償訴訟も並行して審理されており、紛争は完全に泥沼化しています。この騒動の本質が「NewJeansというグループの未来」と「クリエイターの権利」の両方に関わっているため、最終的な結論が出るまでには、まだ相当な時間がかかるでしょう。
一番の願いは、NewJeansやILLITといったアーティストたちが、もうこれ以上会社の法的紛争に巻き込まれることなく、本来の音楽活動に専念できる環境が戻ってくることです。コピー疑惑や訴訟の渦中で、最も傷つくのは当事者であるアーティスト本人たちだからです。
ファンとしては、複雑に絡み合った法廷闘争の行方を冷静に見守りつつも、何よりNewJeansとILLIT、両グループの音楽とパフォーマンスを変わらず応援し続けることが、今できる最善の選択です。アーティストたちには、ゴタゴタではなく、音楽で評価される環境を取り戻してほしいと願っています。
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