米・イスラエルのイラン攻撃に
ロシアと北朝鮮はどう反応したか
2026年、中東で大規模な軍事衝突が起きたら―ロシアや北朝鮮はどう動き、私たちの生活にどんな影響が出るのか。最新の緊張状態から予測される「最悪のシナリオ」と、私たちの家計への影響を専門的視点で分析します。
複数メディアの報道によると、2026年2月28日に米国とイスラエルがイランへの大規模攻撃を開始したとされています。最高指導者アリー・ハメネイ師が攻撃で死亡したと、イラン国営メディアを含む複数のメディアが3月1日に報じています。40日間の国家服喪も発表されたとされていますが、状況は流動的です。
この記事では、一連の報道をもとに、ロシアと北朝鮮がどのような反応を示し、何を狙っているのかを分析します。EU・中国・アラブ諸国の動向と、日本の家計への影響もあわせて解説します。
注意:この記事は2026年3月2日時点の情報をもとにしています。中東情勢は急速に変化しており、今後の展開によって状況が大きく変わる可能性があります。最新情報は各報道機関でご確認ください。
まず何が起きたのか、おさらいしよう
ニュースを見ていると「また戦争?」と感じるかもしれません。今回の出来事を3分で理解しましょう。
2026年2月28日、中東に激震が走った
複数メディアの報道によると、2026年2月28日(現地時間)、アメリカとイスラエルが共同でイランへの大規模な軍事攻撃を開始したとされています。トランプ氏(米大統領)はSNSで作戦開始を表明しました。攻撃はイランの首都テヘランをはじめ、イスファハン、コムなど複数の都市で確認されていると報じられています。
攻撃の名目はイランの核兵器開発を阻止するというものでした。イランと米国の間では攻撃直前まで外交協議が続いていましたが、折り合いがつかず、軍事行動に踏み切られました。イスラエル軍はミサイル発射機を含む数百の軍事目標を爆撃したと発表しており、イランの政権中枢への攻撃も含まれます。
被害は深刻とみられています。200人以上が死亡したとの観測もあります。南部ミナブでは学校に攻撃が命中し、報道によって51人から148人と数字が分かれていますが、いずれにせよ多数の子どもが犠牲になったとされています。
イランの最高指導者ハメネイ師の死亡が報じられる
最高指導者アリー・ハメネイ師が攻撃で死亡したと、イラン国営メディアを含む複数のメディアが3月1日に報じています。40日間の国家服喪期間の発表についても報道されていますが、状況は流動的です。ハメネイ師は1989年から最高指導者を務めてきた、イランの象徴的な存在です。国のトップが攻撃で亡くなったと報じられたことは、国際社会に大きな衝撃を与えています。
イランは報復攻撃を実施し、中東全体の緊張が急速に高まっています。国連安全保障理事会は2月28日に緊急会合を開きましたが、米国とロシア・中国の対立により、具体的な合意には至りませんでした。
世界各国はどう反応したか
国際社会の反応は立場によって大きく分かれました。EU外交当局は「全ての当事者に最大限の自制と国際法の尊重を呼びかける」と声明を出し、米国・イランの双方に自制を求めました。中国外務省は軍事行動の即時停止と対話・交渉の再開を求め、イランの主権を侵害するものとして深刻な懸念を示しました。
一方、アラブ諸国の反応は対照的でした。サウジアラビアは攻撃そのものよりもイランによる周辺国への報復攻撃を「最も強い言葉で非難」しており、クウェートなど湾岸諸国もイランの反撃を強く批判しました。同じ「攻撃を受けた側」であっても、ロシア・北朝鮮とアラブ諸国では反応が正反対になっているのが、この問題の複雑さを示しています。
ロシアの反応―批判しながら本音は複雑
ロシアはイランと強い友好関係を持っています。一方で、アメリカのトランプ政権との関係も気にかけています。その複雑な立場から、どんな言葉が出てきたのでしょうか。
「国際法違反の侵略行為だ」と強く非難
ロシア外務省は2月28日、米国とイスラエルによるイランへの攻撃について、「国際法違反の侵略行為だ」と強く非難する声明を発表しました。声明の中では「米国とイスラエルは再び危険を冒し、(中東)地域を人道的、経済的、さらには放射能汚染の破滅へと近づけようとしている」と指摘し、外交的解決への復帰を求めました。(出典:毎日新聞 2026/3/1)
翌3月1日には、プーチン大統領がハメネイ師の死去に関する弔電を送り、「人間の道徳および国際法のあらゆる規範を露骨に踏みにじる形での殺害」と批判しました。ただし、アメリカを名指しで非難することは意図的に避けており、トランプ大統領への一定の配慮がにじんでいます。(出典:日テレNEWS 2026/3/1)
なぜロシアにとってイランは大事な存在なのか
ロシアとイランは、2025年1月に防衛・経済など多分野にわたる包括的戦略パートナー関係を構築したとされています(※協力枠組みの詳細については引き続き確認が必要です)。ロシアはウクライナ侵攻(2022年2月開始)を続ける中、イランから自爆型無人機(ドローン)の技術提供を受けてきたとの観測があります。また、イランでの原子力発電所新設計画についても協力関係が深まりつつあるとされていました。
そのような友好国のトップが攻撃で亡くなったことは、ロシアにとって外交的な打撃です。プーチン大統領はトランプ大統領との関係修復を進めようとしている時期にもあり、強く批判したいが、あまり対立を深めたくないという板挟みの状況にあります。
「石油が高くなれば、むしろ潤う」という現実
一方で、ロシアには別の側面もあります。ロシアは世界有数の石油・天然ガスの産出国です。中東で戦争が起きると、石油の供給が不安定になることへの懸念から、原油価格が上がる傾向があります。ロシア側の関係者は中東危機による原油価格の大幅上昇を予測する発言をしており、ロシアにとって中東の混乱が石油収入の増加につながりうる側面が指摘されています。
ロシアと北朝鮮の反応を比べてみると
両国はどちらも米国・イスラエルの攻撃を非難しましたが、その言葉のトーンや背景には違いがあります。
| 比較項目 | ロシア | 北朝鮮 |
|---|---|---|
| 声明の主な発信者 | 外務省、プーチン大統領(弔電) | 外務省報道官 |
| 攻撃への表現 | 「国際法違反の侵略行為」 | 「最も醜悪な形の主権侵害」 |
| 米国への名指し批判 | 外務省は非難、プーチンは避ける | 米国を明確に名指しで強く非難 |
| イランとの関係 | 包括的戦略パートナー関係を構築、無人機技術供与などで協力 | 伝統的な友好関係(反米・反西側という共通基盤) |
| 自国への経済的影響 | 石油高騰による恩恵の可能性 | 経済的影響は限定的だが、地政学的緊張に懸念 |
| 発表時期 | 2月28日(外務省声明)、3月1日(プーチン弔電) | 3月1日 |
北朝鮮の反応―「最も醜悪な主権侵害」と激しく非難
北朝鮮の反応はシンプルで力強いものでした。その言葉の裏に何があるのかを見ていきましょう。
外務省が正式に声明を発表
北朝鮮は3月1日、外務省報道官名義で談話を発表し、米国とイスラエルによるイランへの攻撃を「最も醜悪な形の主権侵害だ」と非難しました。「米国とイスラエルの厚顔無恥な悪党的行動を最も強い口調で非難する」という言葉は、北朝鮮らしい直接的な表現です。(出典:日本経済新聞 2026/3/1)
また、「今回の軍事攻撃は、いかなる場合でも容認されるべきではない」と主張し、さらに「無関係な地域に否定的な影響を及ぼす懸念がある」とも指摘しました。これは中東から離れた東アジア地域、つまり自国への影響も念頭にある発言と読み取れます。
北朝鮮がこれほど強く反応するのはなぜか
北朝鮮にとって、米国が同盟国ではない国のトップを攻撃によって排除するというのは、他人事ではありません。米国が過去にも友好国のリーダーを相次いで排除してきたという認識が北朝鮮にはあり、「次は自分たちか」という危機感が、強い言葉の背景にあると見られています。
ロシアにとっての「得と損」を整理する
ロシアは複雑な立場にあります。友好国を失った痛手と、経済的な恩恵の可能性が同時に存在しています。
- 中東の不安定化による原油・ガス価格の上昇で、石油収入が増える可能性
- 米国が中東に注力することで、ウクライナへの軍事支援が分散される可能性
- 「国際法を守れ」という立場を強調することで、対外的なイメージ改善につながる可能性
- ドローン技術など軍事面での重要な協力相手を失う痛手
- 友好国のトップが殺害されたことで、ロシアの「保護力」への信頼低下
- 相次いで友好国のトップを失い、外交的孤立が深まる
今回の出来事を見ると、ロシア・北朝鮮・イランが「反米の仲間」として強固に連帯しているように見えるかもしれません。しかし実際には、プーチン大統領がトランプ大統領を名指しで批判しなかったように、各国は自国の利益を最優先に動いています。「同じ敵を持つ」ことで協力はしていても、お互いに全力で守り合う関係とは言い切れないのが実態です。
この記事を読む前に知っておきたい用語
ニュースでよく出てくる言葉を、日常の言葉で説明します。
地理的な位置関係が原因で生まれる、戦争や経済的な不況の危険のことです。たとえばイランはホルムズ海峡という石油の輸送路のそばにあるため、ここが不安定になると世界中の石油価格に影響します。
ある国のルールや領土を、他の国が勝手に踏みにじることです。他の国から軍事攻撃を受けることは、主権侵害の代表例とされます。ロシアや北朝鮮が今回の攻撃をこの言葉で非難したのはそのためです。
防衛・経済・外交など幅広い分野で助け合うことを約束する、最も強力な国家間の取り決めの一つです。単なる友好関係より一歩踏み込んで、有事には互いに支援し合う意思を示す条約です。
よくある疑問に答えます
「そもそも…」と思ったことを、ここで解決しましょう。
なぜ原油価格が上がると、ロシアが得をするのですか?
ロシアは石油や天然ガスを多く産出・輸出しており、その売上が国の財政の大きな柱になっています。戦争や紛争で中東の産油地域が不安定になると、世界的に石油の供給不安が生まれ、価格が上がります。すると、ロシアの石油の価値も上がり、収入が増えるという仕組みです。
北朝鮮とイランはそんなに仲がいいのですか?
北朝鮮とイランは「米国・西側諸国に対抗する」という共通の立場から、長年友好関係を保っています。ただし、ロシアとイランほど密接な軍事・経済協力があるわけではありません。今回の激しい非難は、「次は自分たちかもしれない」という危機感の表れが大きいと見られています。
日本への影響はありますか?
日本は石油の輸入の多くを中東に依存しているため、原油価格の上昇はガソリン代や電気代に影響する可能性があります。日本政府も在外邦人の退避準備を進めるなど、情勢を注視しています。
国連安保理の緊急会合で何か決まりましたか?
2月28日に緊急会合が開かれましたが、米国が攻撃を正当化する一方、ロシアと中国が国際法違反と強く非難するなど対立が続き、具体的な合意や決議には至りませんでした。
- 2026年2月28日、米国・イスラエルがイランを攻撃。最高指導者ハメネイ師の死亡を複数メディアが報じた(状況は流動的)
- ロシア外務省は「国際法違反の侵略行為」と非難。プーチン大統領は弔電を送ったが、米国を名指しにする批判は避けた
- ロシアにとってイランは軍事・経済の重要な友好国だったが、石油高騰という経済的な恩恵を受ける側面もある
- 北朝鮮は「最も醜悪な形の主権侵害」と強く非難。自国への脅威を意識した発言とみられる
- 「反米連帯」は口では強くても、各国が自国の利益を優先して動く実態がある
📋 まとめ―今回の出来事から見えてくる3つのこと
ロシアは批判しながらも慎重。友好国を失った痛手を口では非難しつつ、トランプ大統領を名指しせず、石油収入の増加という現実的な利益も見据えています。
北朝鮮は全面的に反発。「次は自分たちか」という危機感が、あの激しい言葉の背後にあります。
「反米連帯」は必ずしも一枚岩ではない。ロシア・北朝鮮・中国も、それぞれ自国の利益を最優先に動いており、強固な同盟とは言い切れない実態があります。
中東の戦争は、中東だけの問題ではありません。ロシア・北朝鮮・中国などを巻き込みながら、世界の勢力図を動かしていく可能性があります。ガソリン代や物価を通じて、私たちの日常生活にも影響が及ぶかもしれません。引き続き、複数の信頼できる情報源で最新情報を確認してください。
最後までお読みいただきありがとうございます。↓↓のバナーをクリックして応援いただけると嬉しいです。













