報道によれば2026年2月8日投開票が予定されている衆院選。投票日が近づく中、自民党や日本維新の会など複数の政党が選挙の争点として「食料品の消費税を期間限定でゼロにする」という公約を検討・主張しています。
一見すると家計に優しい政策に見えますが、海外の機関投資家や経済専門家の間では日本の財政運営への懸念が高まっており、ブルームバーグやフィナンシャル・タイムズなどの主要経済メディアも相次いで報じています。
「財源が不透明で、日本の借金がさらに膨らむ」「英国で2022年に起きた金融危機と同じ道をたどる恐れ」――。
もし本当に危機が起きれば、住宅ローン金利の急上昇、円安による物価高など、私たちの生活に直接影響が出る可能性があります。投票前に知っておくべき「消費税ゼロの代償」とは何なのでしょうか。
本記事の情報は2026年2月3日時点のものです。税制や経済状況は変動する可能性がありますので、最新情報は財務省(mof.go.jp)、日本銀行(boj.or.jp)でご確認ください。数値データは大和総研、財務省資料、日本経済研究センター調査などを参照しています。
📌 30秒でわかる要点
- 自民党や維新など複数政党が「食料品の消費税ゼロ」を検討・主張(期間限定案)
- これにより年間4〜5兆円規模の税収が減少する可能性(各種試算)
- 海外の投資家や経済専門家は「財源が不透明」と指摘し、日本国債への懸念も
- もし金利が急上昇すれば、住宅ローンや企業の借入コストが上がる可能性
- 2022年の英国では似た政策で45日間で政権崩壊(トラスショック)
- 一部調査では専門家の多数が「減税より困っている人への直接支援が効果的」と指摘
海外が心配する3つの理由
理由1:お金の出どころが見えない
食料品の消費税をゼロにすると、国の収入が年間4〜5兆円規模減ると複数のシンクタンクが試算しています。これは東京都の年間予算の半分以上に相当する巨額です。
では、この4〜5兆円をどこから持ってくるのか?これが明確に示されていないことに、海外の機関投資家や経済専門家が注目しています。お金を借りて賄うとすれば、日本の借金はさらに膨らみます。
たとえて言うなら、給料が減ったのに高級車を買う契約をしたようなものです。一時的には嬉しいかもしれませんが、将来のローン返済が心配になります。
実際、複数の試算では、この減税による消費の増加効果は数千億円規模程度。つまり、数兆円使って効果は1割程度という計算になり、「費用対効果が悪い」と一部専門家から指摘されています。
※この数字が意味すること:数兆円の減収に対し、消費増加効果は限定的との指摘があります(複数のシンクタンクレポートより)。
理由2:英国で同じことをして大失敗した前例がある
2022年9月、英国のトラス首相が財源を示さずに大規模な減税を発表したところ、何が起きたでしょうか。
市場は「この国、大丈夫か?」と不安になり、英ポンドは史上最安値圏まで暴落。国債の金利(国がお金を借りるときの利息)が急上昇しました。年金基金が破綻寸前となり、イングランド銀行(英国の中央銀行)が緊急で対応に追われました。
結果、トラス首相は就任わずか45日で辞任。英国史上最短の政権となりました(BBC、ロイター等の報道より)。
一部の海外メディアは、今の日本の消費税減税検討に同じような危険性を指摘しています。特に、日本の借金は世界でも突出して多いため、「英国以上に慎重な財政運営が必要」という見方も出ています。
トラスショックとは?英国で起きた45日間の悪夢
2022年9月、英国のトラス政権が約450億ポンド(当時のレートで約8兆円)規模の減税策を財源なしに発表しました。
何が起きたか:
- 英ポンドが史上最安値圏まで急落
- 国債金利が3%台から4.5%へ急上昇
- 年金基金が破綻寸前に
- イングランド銀行が緊急介入
- トラス首相は45日で辞任
現在、同様のリスクが日本にも指摘されています。
理由3:一度下げた税率は元に戻せない
検討されている案では「期間限定」とされていますが、果たして本当に元に戻せるでしょうか。
過去を振り返ると、消費税の増税は2度も延期されています。つまり、政治的に「増税」や「税率を戻す」ことは非常に難しいのです。
もし2年後に「やっぱり元に戻します」と言ったら、国民からは「増税だ!」と反発されるでしょう。結果的に、税率ゼロが続き、財政はますます悪化する――これが一部の専門家が指摘する懸念です。
もし金利が上がったら、私たちの生活はどうなる?
住宅ローンが上がる可能性
国債の金利が上がると、住宅ローンの金利も上がる可能性があります。例えば、3,000万円を35年ローンで借りた場合、金利が1%上がるだけで、総返済額が約600万円も増えることがあります。
変動金利でローンを組んでいる人は、毎月の返済額が突然増える可能性があるため、注意が必要です。
円安で物価が上がる可能性
日本の財政が不安視されると、円が売られて円安になる可能性があります。円安になると、輸入品の値段が上がるため、ガソリン、電気代、食品など生活必需品が値上がりするリスクがあります。
「消費税はゼロになったけど、物価が上がって結局生活は苦しい」――こんな事態になる可能性も指摘されています。
企業の経営に影響が出る可能性
金利が上がると、企業の借入コストも増えます。特に中小企業は資金繰りが厳しくなり、経営が悪化する可能性があります。そうなれば、雇用にも影響が出るかもしれません。
誰が得して誰が損するのか?
スーパーで買えば得、外食すると損
食料品の消費税がゼロになっても、外食は10%のままという案が検討されています。つまり、スーパーで食材を買って自炊すれば税金はゼロですが、レストランで食べれば10%かかります。
例えば、1000円のハンバーガーを店内で食べれば1100円、持ち帰れば1000円。この差が大きくなると、外食産業は大打撃を受けます。一部の業界団体は、外食売上への影響を懸念しています。
お金持ちほど得をする
消費税ゼロの恩恵は、食費が多い高所得者ほど大きくなります。年収1000万円の家庭と年収300万円の家庭では、減税の恩恵に大きな差が出るのです。
一部の試算では、平均的な家庭で年間数万円程度の恩恵とされていますが、所得が高い世帯ほど恩恵が大きく、低所得層への支援効果は限定的という指摘もあります。
専門家はどう見ている?
専門家の多数が「慎重」
日本経済新聞社と日本経済研究センターが経済学者を対象に行った調査(2025年実施)では、多数の専門家が消費税減税に慎重な姿勢を示しました。
理由として、「財政がさらに悪化する」「一度下げた税率を元に戻すのは困難」「物価高対策としての効果が疑問」などが挙げられています。
「困っている人だけを支援すればいい」という意見
専門家の多くは、「全世帯一律の減税ではなく、本当に困っている人への直接支援が効果的」と指摘しています。
例えば:
- 低所得者への給付金:マイナンバーで所得を把握し、一定額以下の世帯に直接お金を配る
- 子育て世帯への支援強化:児童手当の増額など
- 電気・ガス代の補助:冬の光熱費が払えない世帯への期間限定支援
こうした政策なら、少ない財源で効果的に困っている人を支えられます。
比較:日本と他国の借金
| 国 | 借金(GDP比) | 消費税率 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 約230% | 10% | 世界最悪レベル |
| イタリア | 約140% | 22% | 赤字継続 |
| ドイツ | 約65% | 19% | 比較的健全 |
| 英国 | 約100% | 20% | 改善努力中 |
この表からわかるように、日本は消費税率が低い一方で、借金の額は突出して多いのです。
メリットとデメリット
期待されるメリット
- 食費が安くなる(試算により月数千円程度)
- 買い物がしやすくなる
- 家計の負担が軽減される
懸念されるデメリット
- 年間数兆円規模の税収減
- 借金がさらに増える
- 金利上昇で住宅ローンが上がる可能性
- 元に戻せないリスク
- 外食産業への影響
まとめ:投票日が迫る今――私たちに問われていること
海外の機関投資家や経済専門家が日本の消費税減税検討に財政運営への懸念を示すのは、単なる他国の問題ではありません。世界第4位の経済大国である日本の財政が不安定になれば、グローバル経済全体に影響が及びます。
2022年の英国トラスショックのように、財源なき減税が金融危機を引き起こした例は現実にあります。
報道によれば2026年2月8日に投開票が予定されている衆院選。投票日が近づく今、目先の「消費税ゼロ」という言葉に飛びつく前に、以下のことを考えてみてください:
📋 投票前のチェックリスト:
- 財源は具体的に示されているか?
- 「期間限定」は本当に守られるのか?
- 住宅ローンや物価への影響は?
- 困っている人への直接支援の方が効果的では?
- 将来世代にツケを回していないか?
あなたの一票が、日本の将来を決めます。
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