2028年、あなたのマイナンバーカードはどうなる?
今から始める移行準備の完全ロードマップ
「次期カードって何が変わるの?」「今のカードは使えなくなるの?」
そんな疑問を持つあなたに、2028年までに知っておくべきすべてを解説します。
スーパーのレジで財布を開けたとき、ふと目に入るマイナンバーカード。2016年の交付開始から、もう9年近くが経とうとしています。
あなたは初期に申し込んだ組でしょうか?それとも、健康保険証との一体化が始まってから作った組でしょうか?いずれにせよ、2028年という節目の年が近づいています。
この記事では、次期マイナンバーカードへの移行について、年齢層別の注意点を踏まえながら、今から準備すべき具体的なステップをお伝えします。難しい制度の話ではなく、あなたの生活に直結する実践的な情報だけを厳選しました。
2025年10月時点の現状データ
なぜ今、次期カードの話題なのか?3つの背景
そもそもなぜ、2028年という時期に新しいカードが登場するのでしょうか。背景には3つの重要な理由があります。
理由1:初期カードの有効期限到来
マイナンバーカードの有効期限は、発行日から10回目の誕生日までです(18歳未満の方は5回目の誕生日まで)。2016年1月に交付が始まったということは、2026年1月から最初の更新ラッシュが始まる計算になります。
もしあなたが2016年〜2018年にカードを作ったなら、2026年〜2028年の間に更新時期を迎えます。政府はこのタイミングを見計らって、全面刷新した次期カードへの移行を計画しているのです。
理由2:セキュリティ技術の進化
現在のカードで使われている暗号方式「RSA-2048」は、政府の暗号技術評価基準(CRYPTREC)などに基づき、2030年12月31日までの利用が推奨されています。技術の進歩により、より強固なセキュリティが求められる時代になったのです。
つまり、2021年〜2027年の間にカードを作った方も、2030年12月31日までには次期カードへの移行が必要になる可能性があります。これは更新時期に関わらず、すべてのカード保有者に影響する重要なポイントです。
理由3:利用者からの改善要望
現行カードには、実際に使ってみて初めてわかる不便さがいくつもありました。「5年ごとの電子証明書更新が面倒」「暗証番号が4種類もあって覚えられない」「性別表示をプライバシー上気にする人がいる」。こうした声を反映して、次期カードは設計されています。
次期カードで変わる5つのポイント
では、具体的に何が変わるのでしょうか。ここでは、あなたの日常生活に直接影響する5つの変更点を解説します。
変更項目 | 現行カード | 次期カード(2028年〜) |
---|---|---|
電子証明書の有効期限 | 5年(窓口更新必須) | 10年(カード本体と同期) |
暗証番号の種類 | 最大4種類 | 2種類に統合 |
性別表示 | 券面に記載あり | 券面から削除(ICチップ内のみ) |
デザイン | 現行デザイン | ユニバーサルデザイン採用 |
セキュリティ | RSA-2048方式 | 最新暗号技術 |
特に注目!電子証明書の有効期限延長
現在、カード本体は10年有効なのに、オンライン機能を使うための電子証明書は5年ごとに役所で更新が必要です。この二重管理が非常に不評でした。
次期カードでは、大人(18歳以上)の場合、電子証明書も10年有効になります。つまり、一度カードを作れば10年間、窓口に行く必要がなくなるのです。
暗証番号の簡素化が生活を変える
現在のマイナンバーカードを使っていて、「あれ、この暗証番号どれだっけ?」と迷ったことはありませんか?実は、用途に応じて以下の4種類を使い分ける必要がありました。
現行カードの暗証番号(4種類)
次期カードでは、これが2種類に統合されます。長い方の暗証番号(英数字6〜16桁)と短い方の暗証番号(数字4桁)だけ。これだけでも、日常の使い勝手は格段に向上するでしょう。
年齢層別:あなたが今すぐ確認すべきこと
ここからは、年齢層ごとに異なる注意点と準備事項を具体的にお伝えします。自分に当てはまるセクションをチェックしてください。
18歳未満の方・保護者の方へ
未成年者のカードには、特別なルールがあります。容貌の変化が大きいため、次期カードでも有効期限は5年間のままです。つまり、成人してから最初の更新時に、10年有効のカードへ切り替わる形になります。
保護者の方は、お子さんの成長に合わせて定期的な更新が必要だと理解しておきましょう。ただし、18歳になってから作り直せば、その時点から10年有効のカードになります。
2016〜2018年にカードを作った方へ
あなたのカードは、2026年〜2028年の間に有効期限を迎えます。つまり、次期カードへの移行対象者の第一陣です。
有効期限の約3ヶ月前に、自治体から「有効期限通知書」が届きます。この通知が来たら、スマートフォン・パソコン・郵送のいずれかで交付申請を行いましょう。手続き自体は現行カードと同じ流れですが、受け取るのは全面刷新された次期カードになります。
初期組の方への特別アドバイス
あなた方は、新制度を最初に体験する貴重な存在です。手続きの流れや新カードの使い勝手について、周囲から質問されることも多いでしょう。
更新時には、次期カードの新機能(暗証番号2種類、10年有効な電子証明書など)について、窓口でしっかり説明を受けることをおすすめします。また、スマホ搭載機能も合わせて設定しておくと、今後10年間の利便性が大きく向上します。
2019〜2023年にカードを作った方へ
カード本体の有効期限は2029年〜2033年ですが、電子証明書の更新は5年ごとに訪れます。つまり、2024年〜2028年の間に一度、窓口での電子証明書更新が必要です。
ただし、セキュリティ上の理由から、2030年12月31日までに次期カードへの移行が必要になる可能性があります。詳細は今後の法令発表を待つ必要がありますが、現時点では「遅くとも2030年末までには次期カードに切り替える」と考えておくとよいでしょう。
2024年以降にカードを作った方へ
最も新しいカードをお持ちのグループです。カード本体の有効期限は2034年以降ですが、やはりRSA-2048の推奨期限(2031年)の影響を受けます。
現時点での推奨は、「2030年末までに次期カードへ自主的に切り替えるか、もしくは公式な移行指示を待つ」です。急ぐ必要はありませんが、2028年に次期カードが登場したら、新機能に魅力を感じたタイミングで自主的に切り替えるのも一つの手です。
まだカードを作っていない方へ
もしあなたが健康保険証との一体化に不安を感じてカード作成を見送っているなら、2028年を待つという選択肢もあります。最初から次期カードを申請すれば、10年間更新不要の最新カードを手に入れられます。
ただし、現在の健康保険証は2025年12月1日までしか使えません。それまでには何らかの形で対応が必要です。資格確認書の発行を受けるか、早めに現行カードを作るか、判断が求められます。
今から始める5ステップの準備計画
次期カードへの移行を見据えて、今からできる準備を5つのステップにまとめました。年齢に関わらず、すべての方に共通する行動計画です。
2025年〜2028年の準備ロードマップ
カード券面の右下を見てください。「有効期限」が記載されています。この日付をスマホのカレンダーに登録し、3ヶ月前にリマインダーを設定しておきましょう。電子証明書の有効期限も同時に確認してください(これは券面には書かれていないため、マイナポータルアプリで確認できます)。
次期カードでは暗証番号が2種類に減りますが、現行カードから移行する際、どの番号を引き継ぐかの選択が必要になる可能性があります。今のうちに、4種類の暗証番号がそれぞれ何だったか、安全な方法で記録しておきましょう。銀行の貸金庫や暗号化されたパスワード管理アプリの利用をおすすめします。
2025年9月からマイナ保険証のスマホ利用が始まっています。マイナポータルアプリをダウンロードし、カードを読み取って登録する手順に慣れておきましょう。次期カードでも同様の手順が必要になるため、今のうちに練習しておくと移行がスムーズです。
マイナポータルアプリ:
・iOS版・Android版ともに公式ストアから無料ダウンロード可能
・対応機種の詳細: マイナンバーカード総合サイトで確認
※ スマホ搭載機能は、Androidの一部機種とiPhoneの最新機種に対応しています。お使いの機種が対応しているか、事前にご確認ください。
次期カードへの更新時には、新しい顔写真が必要です。今のカード写真から何年経っていますか?容貌が大きく変わっている場合、更新時に慌てないよう、事前に証明写真を撮影しておくことをおすすめします。デジタル写真も受け付けていますので、スマホで撮影してデータ保存しておく方法もあります。
次期カードに関する最新情報は、以下の公式サイトで随時更新されます。2027年末から2028年初頭にかけて、具体的な申請方法や移行スケジュールが発表されるはずです。
推奨チェックサイト:
・マイナンバーカード総合サイト: https://www.kojinbango-card.go.jp/
・デジタル庁公式サイト: https://www.digital.go.jp/
・お住まいの自治体の公式ウェブサイト・広報誌
よくある質問と誤解を解く
Q1:2028年になったら今のカードは使えなくなる?
答え:いいえ、有効期限まで使えます。
次期カードが登場しても、現行カードは券面記載の有効期限まで問題なく使用できます。健康保険証としての機能、運転免許証としての機能、スマホ搭載機能も継続して利用可能です。慌てて切り替える必要は一切ありません。
ただし前述の通り、RSA-2048の推奨期限(2031年)の関係で、2030年末までには移行が必要になる可能性がある点だけ、頭の隅に置いておいてください。
Q2:次期カードへの切り替えに費用はかかる?
答え:基本的に無料です。
有効期限による通常の更新であれば、交付手数料は無料です。ただし、紛失や破損による再発行の場合は、現行制度と同様に手数料(1,000円程度)が発生する可能性があります。自然な更新タイミングで切り替える分には、費用の心配は不要です。
Q3:スマホを持っていないと次期カードは使えない?
答え:いいえ、カード単体でも使えます。
次期カードは、従来通りのプラスチックカードとして機能します。スマホ搭載はあくまで「オプション機能」であり、必須ではありません。スマホを持っていない方、使い慣れていない方は、カード単体での利用を続けられます。
むしろ次期カードは、文字サイズの拡大やレイアウトの改善など、ユニバーサルデザインが強化されています。高齢者の方にも見やすく、使いやすい設計になる予定です。
Q4:引っ越しや結婚で住所・氏名が変わる予定がある場合は?
答え:変更後に更新するのがベストです。
もし有効期限が迫っているけれど、近々引っ越しや結婚の予定がある場合、どのタイミングで更新すべきか迷いますよね。基本的には、住所・氏名変更後に次期カードへ更新するのが最も効率的です。
なぜなら、変更前に更新してしまうと、すぐに券面記載事項の変更手続きが必要になるからです。次期カードでは、マイナ免許証との連携により住所変更がワンストップ化される予定なので、変更後のタイミングで新しいカードを申請する方がスムーズでしょう。
次期カードで広がる3つの新しい可能性
ここまで、制度や手続きの話が中心でしたが、次期カードが私たちの生活にもたらす「新しい可能性」についても触れておきましょう。
可能性1:完全キャッシュレス生活の実現
次期カードとスマホ搭載機能を組み合わせることで、財布を持ち歩かない生活が現実味を帯びてきます。健康保険証、運転免許証、本人確認書類がすべてスマホ一台に集約されるのです。
病院の受付も、レンタカーの手続きも、銀行口座の開設も、スマホをかざすだけ。次期カードの10年有効な電子証明書があれば、その間ずっとこの便利さを享受できます。
可能性2:行政手続きの完全デジタル化
現在、マイナポータルでできることは限られていますが、次期カードの導入を機に、さらに多くの手続きがオンライン化される見込みです。引っ越しの際の住民票移動、児童手当の申請、介護保険の手続きなど。
特に、暗証番号が2種類に簡素化されることで、「暗証番号を忘れてオンライン手続きができない」というトラブルが大幅に減ります。これは、デジタルに慣れていない方にとっても朗報です。
可能性3:民間サービスとの連携拡大
次期カードのセキュリティ強化により、民間企業との連携も進むと予想されます。例えば、銀行口座の本人確認、クレジットカードの申し込み、不動産契約の本人確認など。
これまで「対面で身分証明書を見せる」必要があった場面が、マイナンバーカードの電子認証だけで完結するようになります。時間と手間が大幅に削減され、地方在住の方でも都市部と同じサービスを受けやすくなるでしょう。
次期カードのメリット
- 電子証明書が10年有効で窓口更新不要
- 暗証番号が2種類だけでシンプル
- 性別表示が券面から消えプライバシー保護
- 文字が大きく見やすいデザイン
- 最新セキュリティで安心
- 行政・民間サービスの利便性向上
注意すべき点
- 2030年末までに移行が必要な可能性
- スマホ搭載機能は再設定が必要
- 新しい顔写真の準備が必要
- 暗証番号の再設定方法の理解
- 初期の申請集中で受取に時間がかかる可能性
- 18歳未満は引き続き5年更新
2028年に向けた心構えと最終チェックリスト
ここまで読んで、次期マイナンバーカードについての全体像が見えてきたのではないでしょうか。最後に、今日からできる具体的なアクションをチェックリスト形式でまとめます。
今日やること(所要時間:10分)
□ 現在のマイナンバーカードの有効期限を確認する
□ カレンダーに有効期限の3ヶ月前のリマインダーを設定
□ マイナポータルアプリがスマホに入っているか確認
□ この記事をブックマークまたは保存しておく
今月中にやること(所要時間:30分)
□ 暗証番号4種類を思い出し、安全に記録する
□ スマホ搭載機能を試してみる(マイナ保険証登録)
□ 家族のカード有効期限も確認する
□ 証明写真用の写真をスマホで撮影しておく
2027年までにやること
□ デジタル庁・総務省のウェブサイトで最新情報をチェック
□ 引っ越しや結婚の予定があれば、更新タイミングを計画
□ 高齢の家族がいれば、サポート体制を考えておく
□ 有効期限通知書が届いたら速やかに申請手続き
世代を超えて助け合う姿勢が大切
次期カードへの移行は、個人の問題だけではありません。デジタルに不慣れな高齢の親御さん、忙しくて手続きの時間が取れない働き盛りの兄弟姉妹、まだ手続きの意味がわからない未成年の子ども。
家族や地域で情報を共有し、助け合いながら移行を進めることが、この大きな変革をスムーズに乗り切るコツです。あなたがこの記事で得た知識を、ぜひ周囲の人にも伝えてください。
特に、2016年〜2018年にカードを作った方々は、周囲に先駆けて次期カードを手にすることになります。その経験は、後に続く人たちにとって貴重な情報源となるでしょう。
制度変更に振り回されないために
マイナンバーカードをめぐっては、これまでも様々な制度変更がありました。健康保険証との一体化、運転免許証との統合、スマホ搭載機能の追加。その度に「よくわからない」「面倒だ」という声が上がってきたのも事実です。
しかし、一つひとつの変更を理解し、自分のペースで対応していけば、決して難しいものではありません。この記事が、あなたの「わからない」を「わかった」に変える手助けになれば幸いです。
本記事の情報について
本記事は、デジタル庁、総務省、厚生労働省などの公式発表情報に基づき、2025年10月時点の情報を元に作成しています。制度の詳細や最新情報については、以下の公式サイトを併せてご確認ください。
▶ マイナンバーカード総合サイト
https://www.kojinbango-card.go.jp/
▶ デジタル庁公式サイト
https://www.digital.go.jp/
▶ マイナポータル
https://myna.go.jp/
まとめ:2028年は「始まり」であって「終わり」ではない
次期マイナンバーカードの導入は、デジタル社会への大きな一歩です。しかし、それは決してゴールではなく、より便利で安全な社会へ向かうための「通過点」に過ぎません。
今、あなたが知っておくべき3つのポイント:
1. 現在のカードは有効期限まで使える。慌てる必要はない。
2. 次期カードは電子証明書10年有効・暗証番号2種類で格段に便利。
3. 2030年末までには何らかの形で移行が必要になる可能性がある。
この記事で紹介したチェックリストを実行し、情報をアップデートし続けることで、あなたは確実に次期カードへの移行を成功させることができます。
2028年、新しいカードを手にしたとき、「あのとき準備しておいてよかった」と思える日が来るはずです。今日から、少しずつ、一歩ずつ進んでいきましょう。
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