第115回看護師国家試験 合格発表まとめ
おめでとうございます。それは単なる通過点ではなく、誰かの人生を背負う「覚悟」が決まった証です。教科書の知識が、今日から誰かを救う手に変わる。その一歩を踏み出したあなたを、現場は待っています。
今の悔しさは、将来あなたが受け持つ患者さんの心に寄り添うための、何より尊い経験になります。一度立ち止まったからこそ見える景色がある。その粘り強さこそ、看護の本質です。
合格して歓喜の声を上げた人も、悔しさで夜を明かした人も、看護の道を志したその志に優劣はありません。第115回という歴史の一ページに、それぞれの足跡を刻んだすべての受験生に敬意を表します。
今回の試験では全国59,614人が受験し、52,666人が合格、合格率は88.3%という結果になりました。この記事では合格基準のしくみ・新卒と既卒の差・採点除外問題の意味など、受験者が気になるポイントをわかりやすく解説します。
第115回試験の結果データ一覧
今回の試験で何人が受験し、何人が合格したのか。まずは全体像を数字で確認しましょう。
今回の試験では、午前第32問・午前第80問の2問が採点除外となりました。該当の方は合否への影響を公式資料でご確認ください。
全体の合格状況
新卒者の合格状況
全体の合格率88.3%に対し、今年学校を卒業した新卒者の合格率は94.1%と、約5.8ポイント上回っています。受験者全体の約9割を新卒者が占めており、今回合格した52,666人のうち約96.6%は新卒者です。
出典:厚生労働省「第115回看護師国家試験の合格発表について」(2026年3月)
よくある質問で理解する試験のしくみ
「合格基準って何点?」「採点除外の問題ってどういう意味?」——受験者からよく寄せられる5つの疑問に答えます。
看護師国家試験には「必修問題」と「一般問題・状況設定問題」の2種類があり、それぞれに合格基準が設けられています。必修問題は50点満点で40点以上、一般問題と状況設定問題は合計249点満点で166点以上、この両方を同時に満たすことが合格の条件です。
どちらか一方でも基準を下回ると、全体の点数に関係なく不合格になります。必修問題と一般問題の両方をバランスよく対策することが欠かせません。
一般問題は1問1点なのに対し、状況設定問題は1問2点と配点が2倍になっています。状況設定問題は、実際の患者さんの状況を長文で説明し「このとき看護師はどう対応すべきか」を問う形式です。
難易度は高めですが、配点が大きい分、得点できると合格基準への到達が一気に近づきます。ただし、逆に苦手なままにしておくと大幅な失点につながるため、丁寧な対策が必要です。
採点除外問題とは、出題後に「問題の内容や選択肢に不備がある」と判断された場合に、すべての受験者の採点対象から外す措置のことです。今回は午前第32問と午前第80問の2問が採点除外となりました。
除外された問題は全員が得点を加算されるわけではなく、その問題が存在しない形で採点されます。つまり、満点が2点分下がり、合格基準点もそれに応じて調整されます。詳細は厚生労働省が公開するPDF資料で確認できます。
新卒者の合格率(94.1%)が全体(88.3%)より高い最大の理由は、学習環境の差です。看護学校や大学では、カリキュラム自体が国家試験合格を念頭に組まれており、授業・模擬試験・直前対策が体系的に提供されます。
一方、既卒者は働きながら、または家事・育児の合間に独学で試験対策をしなければならないことが多く、学習時間の確保が難しい環境での受験になりがちです。環境の差が数字に反映されているといえます。
はい、看護師国家試験には受験回数の上限がありません。不合格でも次回以降の試験に何度でも再挑戦できます。ただし、毎回出願手続きが必要です。看護師の受験資格(看護師養成課程の修了など)は一度得れば無効にはならないため、合格まで挑戦を続けることができます。大切なのは「なぜ合格できなかったか」を分析し、弱点を集中的に補強して次の試験に備えることです。
新卒者・既卒者 詳細比較
同じ試験を受けても、新卒と既卒では状況が大きく異なります。5つの比較軸で整理しました。
| 比較項目 | 全体 | 新卒者 | 既卒者(推計) | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 出願者数 | 60,311人 | 54,401人 | 約5,910人 | 新卒が約9割 |
| 受験者数 | 59,614人 | 54,036人 | 約5,578人 | — |
| 合格者数 | 52,666人 | 50,862人 | 約1,804人 | — |
| 合格率 | 88.3% | 94.1% | 約32.3% | 約62ポイント差 |
| 主な学習環境 | — | 学校主導の体系的対策 | 独学・通信・予備校 | 環境差が結果に直結 |
※既卒者の数値は全体と新卒者の差から算出した推計値です。
既卒者の合格率が低い背景
上記のとおり、推計ベースで既卒者の合格率は約32%にとどまります。この数字だけを見ると厳しく感じられるかもしれませんが、既卒受験者の中には「数年ぶりに勉強を再開した方」「医療現場で働きながら再受験している方」など、非常に難しい条件下で挑戦している方が多く含まれています。
裏を返せば、しっかり対策を立てて学習できれば、既卒者でも十分に合格できる試験です。
出典:厚生労働省「第115回看護師国家試験の合格発表について」(2026年3月)
看護師免許取得の意味と注意点
合格という結果が持つ意味を改めて確認しましょう。得られるものと、合格後に意識しておくべき点を対比で整理します。
- 国家資格として生涯有効。更新不要で一度取得すれば失効しない
- 全国どこでも、どの医療機関でも働ける高い汎用性
- 病院・クリニック・介護施設・学校・企業など職場の選択肢が広い
- 専門職として社会的な信頼と安定した収入を得やすい
- 認定看護師・専門看護師など上位資格へのキャリアアップが可能
- 育児・介護で離職しても、資格があれば再就職しやすい
- 合格だけでは働けない。別途、看護師免許の登録申請手続きが必要
- 現場では国試の知識を常にアップデートし続けることが求められる
- 1年目は「覚えること」が多く、精神的・体力的な負担が大きい
- 夜勤・交代制勤務など、生活リズムへの影響に備えておく必要がある
- 患者さんの命に直結する職責の重さを常に自覚する必要がある
- 2年目以降も継続的な研修・自己学習が求められる職種である
免許登録について忘れずに
国家試験に合格しても、厚生労働省への免許申請・登録が完了するまでは正式な「看護師」として業務を行うことはできません。合格発表後は速やかに必要書類(戸籍謄本・合格証書など)を準備し、所定の申請手続きを進めましょう。申請から登録証が手元に届くまでに一定の日数がかかるため、入職日から逆算して早めに動くことをおすすめします。
採点除外問題と今後の試験対策
今回の試験で採点除外となった2問の意味と、来年以降の試験に向けた実践的なポイントを解説します。
採点除外2問の詳細と影響
今回採点除外となったのは午前第32問と午前第80問の2問です。採点除外は毎回の試験で発生するとは限りませんが、問題の内容・選択肢・答えに不備が確認された場合に行われる公式の措置です。
除外されると、その2問分だけ満点が下がり、合格基準点もそれに応じて調整されます。自分が受けた試験の採点除外問題については、厚生労働省が公開しているPDF資料(公式サイト掲載)で内容を確認できます。
既卒者の方へ:あきらめないための3つのヒント
既卒受験者の合格率は新卒者より低い傾向がありますが、それは「難しすぎる」のではなく「学習環境の差」が原因の大部分です。以下の3点を意識するだけで、独学でも合格への道筋が見えてきます。
- 1.必修問題の足切り対策を最優先にする(ここを落とすと即不合格)
- 2.過去問を繰り返し解いて、問われ方のパターンに慣れる
- 3.苦手な科目を放置せず、毎週少しずつ潰していく
国家試験の傾向から読む効果的な勉強法
看護師国家試験は「暗記だけ」では太刀打ちできない問題が増えています。特に状況設定問題では、患者さんの状態や背景を読み取り、看護師として「なぜその行動をとるのか」を根拠とともに答える力が求められます。
教科書で原理原則を理解したうえで過去問に取り組むと、知識が定着しやすくなります。また、必修問題は毎年出題範囲がほぼ固定されているため、確実に得点できるよう繰り返し確認しましょう。
あなたの状況別チェックリスト
合格した方も、次回に向けて準備する方も、自分の状況に合ったリストで今すぐ確認できる行動をピックアップしました。
合格した方:これだけは確認しておこう
- 看護師免許の申請書類(戸籍謄本・合格証書など)を準備した
- 入職先に合格の報告を済ませ、入職日・研修内容を確認した
- 免許登録の完了予定日と入職日のスケジュールにズレがないか確認した
- 職場環境に慣れるため、夜勤・交代制勤務への体力づくりを始めた
- 「わからないことは必ず先輩に確認する」という姿勢を持っている
- 1年目は「失敗を恐れず、学び続ける」という心構えができている
再挑戦を考えている方:まず取り組むこと
- 今回の試験で点数が足りなかった科目・分野を具体的に特定した
- 必修問題(40点/50点の足切り)の対策を学習計画の中心に置いた
- 状況設定問題の読み解き方を練習する時間を毎日確保している
- 過去5年分の過去問を入手し、繰り返し解く計画を立てた
- 模擬試験や通信講座・予備校の活用を検討した
- 次回試験(第116回)の出願スケジュールを確認した
勉強の継続が難しいときのヒント
再受験に向けて勉強を続けることは、精神的にも体力的にも決して楽ではありません。特に既卒で挑む方は、生活や仕事という重荷を背負いながら、なおも夢を諦めない強者(つわもの)です。そのバイタリティは、現場に出た際、どんな困難な状況でも解決策を見出す力に直結します。
そんなときは「完璧にやろうとしない」ことが大切です。1日10分でも教科書を開く、通勤時間に過去問1問だけ解く——こうした小さな積み重ねが、長期的には大きな差を生みます。看護師を目指したそもそもの動機を思い出すことも、モチベーション維持に役立ちます。
おわりに:あなたの努力は決して無駄ではない
第115回看護師国家試験では、全国59,614人の受験者のうち52,666人が合格し、看護師免許への第一歩を踏み出しました。合格率88.3%という数字は、毎年変わらず多くの方が看護師という職業を目指してきた証でもあります。
この記事のまとめ
改めて今回の試験結果の核心を確認します。受験者59,614人、合格者52,666人、合格率88.3%。新卒者に絞ると合格率は94.1%と高く、学校での対策が結果に直結しています。
合格基準は必修問題40点以上(50点満点)、一般・状況設定問題166点以上(249点満点)の両方を同時に満たすことです。また、午前第32問・第80問の2問が採点除外となり、満点や合格基準点はその分調整されています。
合格した方へ
免許申請の手続きをまず確実に進めてください。そのうえで、少しだけ立ち止まって考えてほしいことがあります。
あなたが合格したのは、試験問題を解く力があったからだけではありません。睡眠を削った夜も、理解できなくて悔しかった朝も、全部抱えてここまで来たからです。
現場に出ると、教科書にはない判断を迫られる場面が必ずあります。そのとき支えになるのは、この道を選んだあなた自身の「なぜ看護師になりたかったか」という原点です。患者さんは、そんなあなたを待っています。
次に向けて再挑戦する方へ
看護師国家試験には受験回数の制限がありません。そして、あなたが今感じている悔しさは、決して「失敗の証拠」ではありません。看護師になることを諦めなかった証拠です。
生活や仕事を抱えながらもう一度挑む方は、それだけで十分すごい。今回の経験で、あなたは試験の難しさと自分の弱点の両方を知りました。それは次の受験において、何より大きな武器になります。
焦らず、自分のペースで。その粘り強さをいつか患者さんのために使う日は、必ず来ます。
どちらの結果であっても、看護師としての歩みはもう始まっています。
合格発表の日付が変わっても、あなたがこの道を選んだ理由は変わりません。安定した仕事がしたかった、誰かに勧められた、なんとなく向いていると思った——どんな動機であっても、それがあなたをここまで連れてきました。その事実を、まず自分で認めてあげてください。
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