申し送りとは、仕事で必要な情報を引き継ぐためのコミュニケーションの一つです。しかし、申し送りをするときには、時間が足りなかったり、情報が整理できなかったり、相手が理解してくれなかったりと、様々な問題にぶつかることがあります。
後になって、「伝えた」「聞いてない」なんてよくありますよね?双方とも自分は間違っていないと思っているので揉めてしまいます…
そこで、この記事では、申し送りを簡潔・スムーズ・分かりやすくする方法をご紹介します。具体的には、以下の4つのポイントについて解説します。
- 伝えるべきポイントをあらかじめ整理しておく
- 事実と推測や意見をしっかり区別する
- 時系列順ではなく項目別に分けて伝える
- 申し送りのための定型的なメモを作成しておく
申し送りを効率よく適切にする4つの方法
伝えるべきポイントをあらかじめ整理しておく
申し送りをするときには、伝えるべきポイントをあらかじめ整理しておくことが大切です。なぜなら、ポイントが整理されていないと、以下のようなデメリットが生じるからです。
- 伝える情報が多すぎて、相手が把握できない
- 伝える情報が少なすぎて、相手が不安になる
- 伝える情報が重要でないものばかりで、相手が興味を失う
- 伝える情報がバラバラで、相手が混乱する
- 申し送りの目的を明確にする
- 申し送りの対象者や期間を絞る
- 申し送りのカテゴリーを決める
- 申し送りの優先順位をつける
これらの方法を使えば、伝えるべきポイントを効率的に整理できます。
事実と推測や意見をしっかり区別する
申し送りをするときには、事実と推測や意見をしっかり区別することが大切です。なぜなら、事実と推測や意見が混同されると、以下のようなデメリットが生じるからです。
- 相手が信頼できないと感じる
- 相手が誤解する
- 相手が反論する
- 相手が不快になる
- 事実は具体的な数字や日時、などを示す
- 「~だと思う」「~のように感じる」などの表現を使う
- 必要最低限に留める
- 相手の同意を求める
事実とは確かな根拠があるもので、推測や意見は自分の考えや感想であることを明示します。
時系列順ではなく項目別に分けて伝える
申し送りでは、時系列順ではなく項目別に分けて伝えることで、情報の整理や理解がしやすくなります。項目別に分けるときは、顧客や利用者ごと、作業内容ごと、問題点ごとなどに分類します。
具体例(介護施設)
今日は、9時から10時まで山田さんの掃除をしました。山田さんは元気でしたが、床が滑りやすかったので注意してください。10時から11時まで佐藤さんの掃除をしました。佐藤さんは風邪をひいていましたが、薬を飲んでいるそうです。11時から12時まで田中さんの掃除をしました。田中さんは今日は外出していましたが、帰ってくるときに電話してくれるそうです
今日は、山田さん、佐藤さん、田中さんの掃除をしました。それぞれの状況は以下の通りです。
- 山田さん:元気でしたが、床が滑りやすかったので注意してください。
- 佐藤さん:風邪をひいていましたが、薬を飲んでいるそうです。
- 田中さん:今日は外出していましたが、帰ってくるときに電話してくれるそうです。
分かりやすくするため大雑把な内容にしましたが、比較すると時系列順で伝える場合は、情報が散らばっていて、重要なポイントが分かりにくくなります。一方、項目別に分けて伝える場合は、情報がまとまっていて、重要なポイントが分かりやすくなります。
申し送りのための定型的なメモを作成しておく
申し送りのための定型的なメモを作成しておくことで、情報の漏れや重複を防ぐことができます。定型的なメモには、必要な項目を予め記入しておき、空欄を埋めるだけで済むようにします。
- 申し送りの内容を忘れることがない
- 申し送りの時間を管理しやすい
- 申し送りの内容を相手に伝えやすい
- 申し送りの内容を記録しやすい
- 申し送りの目的・対象者・期間・分類・優先順位を記入する
- 申し送りの冒頭・本文・終わりに使う言葉や表現を記入する
- 申し送りの内容に関するデータや資料を添付する
- 申し送り内容の質問や確認事項を記入する
これらの方法で、定型的なメモを作成できます。これにより、申し送りが効率的・正確・明確になります。
細かく分けましたが、必要な内容だけをメモしておくことが重要になります。
その他のポイント
- 申し送りの内容を確認しやすくすることができる:口頭で申し送りを受けた後、内容を確認したい場合、前任者に再度聞く必要があります。しかし、前任者が忙しかったり、帰ってしまったりする場合もあります。申し送りノートなどに必要事項を記入しておくことで、申し送りの内容を確認しやすくすることができます。
- 申し送りの内容を正確に伝えることができる:口頭で申し送りをする場合、内容が曖昧になったり、忘れたり、聞き間違えたりする可能性があります。申し送りノートなどに必要事項を記入しておくことで、申し送りの内容を正確に伝えることができます。
- 申し送りの内容を記録することができる:口頭で申し送りをする場合、内容が記録されません。しかし、申し送りの内容は患者や利用者の状態や状況に関する重要な情報です。申し送りノートなどに必要事項を記入しておくことで、申し送りの内容を記録することができます。
申し送りノート(伝達ノート)などあれば、必ず正確で最新の情報を記入しておきましょう。
僕の職場にも、もちろん申し送りノートがあります。
大切な薬や処置に関しては常に記入しているのですが、読んでいないのか理解ができていないのか、「~はどうなってるの?」「この薬が入ってないんだけど」など記入していることをよく聞いてきます。
申し送りって必要なことだから伝えるのであって、ただメモしているわけじゃないからね。
- 話す速度や声の大きさを調整する:相手が聞き取りやすいように話す速度や声の大きさを調整する。
- 質問や感想を求める:相手が理解できたかどうか、質問や感想があるかどうかを確認する。
情報共有は、仕事において非常に重要な要素です。情報共有をうまく行うことで、業務効率の向上、業務の属人化の防止、トラブルの予防、コミュニケーションの活性化、チームワークの向上、生産性の向上、顧客満足度の向上、会社の成長など、さまざまなメリットを得ることができます。
申し送りを受ける側が注意することは?
申し送りを受ける側は、次の点を注意することで、申し送りを効果的に活用することができます。
- 申し送りの内容を正確に理解する。曖昧なままにしない。
- メモを取ることで、必要な情報を要約し正確に記録する。
- 話が終わったら、相手に内容を確認する。
- 重要な情報がある場合は、再確認するために質問する。
- 連休などのあとには、休みに入って以降の申し送り内容を確認しておく。
- 相手の話を中断せずに、最後まで話を聞く。
- 申し送りの内容に基づき、早めに必要な措置を講じるようにする。
申し送りを受ける側として、これらの点を注意することで、申し送りを効果的に活用することができます。
申し送りの重要性と方法のまとめ
申し送りは、前任者が担当していた業務を後任者に引き継ぐ際に伝える情報であり、よく看護や介護の現場で実施されています。申し送りを行うことで、後任者は前任者の業務内容を把握しスムーズに業務を引き継ぎ、また業務のミスやトラブルを防ぐためにも重要です。
申し送りは、口頭で行うこともできますが、書面で行うことで、後任者が内容を漏れなく確認することができます。また、書面で残しておくことで、後々振り返ることができるため、業務のミスやトラブルを防ぐことにもつながります。
僕も職場の申し送りでトラブルもありますので、本当に実感していることなのですが、申し送る側と受ける側のどちらか一方だけがきちんとしていてもダメですよね。「後任者に必要な情報を正確に伝える」言えば単純なことなんですけど、なかなか上手くいかないものです。
効果的な申し送りは、個人や組織のコミュニケーション能力を高めるだけでなく、関係性の構築や業務の円滑化にも大きく貢献します。是非、これらのポイントを実践し、日常生活やビジネスの場で申し送りを活用してみてください。
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