今、僕はサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の看護師をしています。
僕の仕事は夜勤がなく、日勤帯だけで働いており、夜勤は介護士が常駐しています。
今日は、僕が経験した緊急事態とその対応についてお話ししたいと思います。
昨日の出来事:緊急事態発生
昨日の夕方、本来なら退社時間でしたが、体調を崩した方がいたため、夕食時の食事介助に残りました。
食事が始まってしばらくすると、後ろから「〇〇さん?〇〇さん!」と大きな声が聞こえます。
振り向くと、90代の女性入居者が首を後ろに反らせ、上を向いていました。食事が喉に詰まっている状態でした。
直ぐに駆けつけ声掛けをしながら、異物除去の処置を行いました。
緊急対応の流れ
詳細は省きますが、処置の最中に救急要請を行い、家族や関係者に連絡を取るよう指示しました。
その後、喉の異物を無事に除去できたため、呼吸が安定するまで対応を続けました。この間に救急隊が到着し、病院への搬送が始まったのです。
僕も救急車に同乗し、救急隊員からの質問に答えつつ、病院に向かいました。
病院での対応:安堵と今後の課題
病院に到着後、看護師から状況を確認され、事務手続きを済ませた後、ご家族と合流しました。
「ご迷惑をおかけしました」と言われたのですが、こちらの方が申し訳ない気持ちです。
医師からの説明によれば、喉の異物はしっかりと除去されていたとのことで、一安心しました。
しかし、しばらくの間は入院が必要とのことでした。
高齢者と窒息:見逃せないサイン
僕のこれまでの経験から言えることは、高齢者が喉に食べ物を詰まらせる場合、多くは静かに窒息してしまいます。
チョークサインやうめき声、咳き込むような兆候は少ないため、早期の発見が重要になります。
僕が今まで経験したのは、このような方が多かったです。
窒息は一分一秒が命取りになるので、早めの対処が重要です。
日頃からの対策:食事の観察が鍵
日常生活の中で、特に食事の時間は高齢者にとって重要な瞬間です。この時間に行われる食事の観察は、それほど難しくないように思えるかもしれませんが、実は非常に繊細な作業です。何故なら、食事の様子にはその人の健康状態が如実に表れるからです。
まず、嚥下の状態をしっかりと観察することが必要です。食べ物や飲み物がスムーズに喉を通るか、それとも何らかの障害によって嚥下が困難になっているのかを確認することで、早期に問題を察知することができます。
次に、食事のスピードも大切なポイントです。食べる速度が遅い、または速すぎると、それぞれに問題が潜んでいる可能性があります。遅い場合は嚥下困難や消化不良、速すぎる場合は喉に食べ物が詰まるリスクが高まります。
さらに、咀嚼の動きも注視するべきです。咀嚼が不十分だと、食べ物が大きなまま喉に入り、詰まりやすくなります。逆に、しっかりと咀嚼することで、食べ物は適切な大きさと形になり、嚥下が容易になります。
最後に、むせる頻度も重要な指標です。頻繁にむせるようであれば、それは嚥下機能が低下している可能性が高いです。このような状況に対応するためには、食事の形態を調整することが求められます。
例えば、食べ物にトロミを加える、または食事の硬さや大きさを調整するなど、個々の状態に合わせた対応が必要です。
まとめ
窒息は突然起こる事態ですが、その対応には瞬時の判断と行動が求められます。
日頃からの観察と、それに基づいた個別のケアが、事態を早期に察知し、適切な対応を取るためには不可欠です。
僕は今回の経験を通して、改めてその重要性を痛感しました。
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