3Dプリンターで家を建てるなんて、未来の話だと思っていませんか?
実は、その未来がすぐそこまで来ています。短期間で手頃な価格で作れる3Dプリンター住宅が、今注目を集めています。最新技術を駆使したこの住宅は、若い世代にもシニアにも多くの魅力を持った新しい住まいの選択肢です。
この記事では、価格や建築時間、主要メーカー、現在のモデルの種類、建築方法、耐震性、材質など、3Dプリンター住宅のすべてをご紹介します。
3Dプリンター住宅を研究している会社は何社かあるようですが、日本では実質販売までされているのは、セレンディクス社のみのようです。
とはいっても一般購入できるのはもう少し先みたいですね。
3Dプリンター住宅の魅力とは?
出典:セレンディクス公式プレスリリース
価格の魅力
3Dプリンター住宅の最大の魅力は、その手頃な価格です。
セレンディクス社が提供する「serendix50」は、わずか550万円で購入できることが特徴です。この価格は、多くの人々にとって手が届きやすい金額です。
従来の住宅建築に比べて大幅にコストが削減されているため、特にリタイア後の生活に安心を求めるシニア世代にとって大きな魅力となっています。
建築時間の短縮
3Dプリンターを使った住宅建築は非常に迅速です。「serendix50」の場合、建築時間はわずか44時間30分です。このスピード感は、従来の建築方法では考えられないほどの速さです。短期間で完成するため、急な住み替えが必要な場合でも迅速に対応できます。
環境への配慮
3Dプリンター住宅は、環境にも優しいと言われています。建築に使用する材料は、リサイクル可能なコンクリートが主であり、廃材が少ないことが特徴です。
また、3Dプリンターによる自動化された建築プロセスは、人手を必要とせず、エネルギー効率も高いです。これにより、環境負荷を最小限に抑えることができます。
シニア世代に人気の理由
3Dプリンター住宅がシニア世代に人気の理由は、その利便性と快適性にあります。
セレンディクス社の「serendix50」は、50平米の1LDKという二人世帯向けの間取りで、キッチンやバス、トイレなどの水回りも完備されています。これにより、老後の生活を快適に過ごすための設備が整っています。
また、価格が手頃であるため、退職後の限られた予算内でも新しい家を手に入れることができる点が大きな魅力です。
3Dプリンター住宅のメーカーとモデル
出典:セレンディクス公式プレスリリース
セレンディクス社の取り組み
3Dプリンター住宅の先駆者であるセレンディクス社(兵庫県西宮市)は、革新的な技術で注目を集めています。特に話題となっているモデルが「serendix10」と「serendix50」です。
「serendix10」は、球体のデザインでグランピングや趣味のスペースとして最適化されていますが、「serendix50」は一般住宅としての利用を想定しており、より実用的な設計がされています。
serendix50の特徴
「serendix50」は、50平米の1LDKで、価格は550万円。施工時間はわずか44時間30分という驚異的なスピードで完成します。このモデルは、キッチン、バス、トイレなどの水回り設備が完備されており、鉄骨コンクリート造で耐久性と安全性も高められています。
また、断熱性能はヨーロッパの厳しい基準をクリアしており、夏と冬の温度差が激しい地域でも快適に過ごせるよう設計されています。
serendix10の魅力
一方、「serendix10」は、床面積10平米のコンパクトなモデルで、価格は330万円。施工時間は24時間以内で、コンクリート単一素材を利用してコストを削減し、3Dプリンターが自動で作業を行うため人件費も抑えられています。このモデルは、特に趣味の部屋や小さなオフィススペースとして利用するのに最適です。
他のメーカーの動向
3Dプリンター住宅の分野で有名な海外企業をいくつかご紹介します。
- ICON (米国):ICONは、世界初の3Dプリント住宅を建設したことで知られる企業です。同社は、独自の3Dプリンティング技術を用いて、迅速かつ低コストで高品質な住宅を建設しています。 ICONは、住宅建設以外にも、災害救助や宇宙探査のための3Dプリンティング技術の開発にも取り組んでいます。
- Apis Cor (ロシア):Apis Corは、コンクリートを使用した3Dプリンティング技術に特化した企業です。同社は、世界最大規模の3Dプリンターを開発し、1日未満で住宅を建設することができます。 Apis Corは、住宅建設以外にも、橋梁やその他のインフラ構造の建設にも3Dプリンティング技術を応用しています。
- Xtree (フランス): Xtreeは、コンポジット材料を使用した3Dプリンティング技術に特化した企業です。同社は、軽量で高強度な住宅を建設することができ、環境負荷の少ない建設方法として注目されています。 Xtreeは、住宅建設以外にも、自動車や航空機部品などの製造にも3Dプリンティング技術を応用しています。
- WinSun (中国):WinSunは、世界初の3Dプリント住宅を建設した中国企業です。同社は、コンクリートや石材を使用した3Dプリンティング技術に特化しており、低コストで高品質な住宅を建設することができます。 WinSunは、住宅建設以外にも、ホテルや商業施設などの建設にも3Dプリンティング技術を応用しています。
- Concreto (ブラジル): Concretoは、ブラジルの3Dプリンター住宅スタートアップ企業です。同社は、独自の3Dプリンティング技術を用いて、発展途上国向けの低コスト住宅を建設しています。 Concretoは、住宅建設以外にも、学校や病院などの公共施設の建設にも3Dプリンティング技術を応用しています。
これらの企業以外にも、世界中で多くの企業が3Dプリンター住宅の開発に取り組んでいます。3Dプリンティング技術の進歩により、今後ますます3Dプリンター住宅が普及していくことが予想されます。
今後の展望
3Dプリンター住宅の市場は今後ますます拡大することが予想されます。
また、各メーカーが提供するモデルの多様化により、消費者はより幅広い選択肢から自分に最適な住宅を選べるようになるでしょう。
3Dプリンター住宅の建築方法
出典:セレンディクス公式プレスリリース
3Dプリンティング技術の基礎
3Dプリンター住宅の建築は、従来の建築方法とは大きく異なります。
まず、設計データがデジタル形式で作成され、最先端の3Dプリンターに送信されます。このプリンターは、設計に基づいてモルタルなどの建築材料を積層していくことで、住宅の壁や構造部分を「印刷」します。
建築プロセス
具体的な建築プロセスは以下のようになります:
- 設計データの作成
3Dプリンター住宅の建築は、最初にデジタル形式の設計データを作成することから始まります。建築家や設計者が専用のソフトウェアを使って詳細な設計を行います。このデータには、壁の厚さ、窓の位置、電気配線の配置などが含まれます。 - データの送信
完成した設計データは、3Dプリンターに送信されます。これは、通常、クラウドベースのシステムを介して行われ、プリンターは指定された設計に従って作業を開始します。 - 材料の選定と準備
3Dプリンターが使用する材料は、通常、モルタルや特殊なコンクリートです。これらの材料は、高い強度と耐久性を持ち、かつ環境に優しい特性を持っています。 - 印刷プロセス
プリンターは、積層方式(レイヤーごとに材料を積み重ねていく方法)を用いて、壁や構造部分を作成します。これにより、複雑なデザインや曲線的な構造も簡単に実現できます。通常、1つの層が乾燥するまでの間に次の層を積み重ねるため、全体の構築時間が短縮されます。 - 組み立てと仕上げ
プリンターが印刷したパーツは現場に輸送され、そこで組み立てられます。現場での作業は主に組み立てと仕上げが中心であり、壁の取り付けや内装の仕上げが行われます。これにより、建築全体の工程が効率化されます。
セレンディクス社の事例
セレンディクス社の「serendix50」の建築プロセスは、非常に効率的です。
設計データは最先端のロボット工学を駆使して作成され、提携する工場で3Dプリンターによって出力されます。出力されたパーツは乾燥させてからプレキャスト素材として輸送され、現場で組み立てられます。これにより、施工時間が大幅に短縮され、コスト削減も実現しています。
3Dプリンター住宅のメリット
3Dプリンター住宅には以下のようなメリットがあります:
- 迅速な建築: 建築時間が非常に短いため、急な住み替えや災害時の緊急対応にも適しています。
- コスト削減: 材料費や人件費が削減されるため、手頃な価格で住宅を提供できます。
- 環境への配慮: 廃材が少なく、エネルギー効率が高いため、環境負荷が低減されます。
- 設計の自由度: 3Dプリンティング技術により、複雑なデザインやユニークな構造も簡単に実現できます。
今後の技術展望
3Dプリンター住宅の技術は日々進化しており、将来的にはより高性能で低コストの住宅が実現されると期待されています。新しい素材の開発や建築プロセスの自動化が進むことで、住宅建築の新しいスタンダードになる可能性があります。これにより、多くの人が手軽に質の高い住宅を手に入れることができるようになるでしょう。
早くそんな時代が来てくれることを願うばかりですね!
3Dプリンター住宅の耐震性
出典:セレンディクス公式プレスリリース
耐震性の重要性
日本は地震が頻発する国であり、住宅の耐震性は非常に重要です。
従来の住宅建築では、耐震性を確保するためにさまざまな設計と技術が用いられています。3Dプリンター住宅も例外ではなく、最新の耐震技術を取り入れて安全性を確保しています。
では、3Dプリンター住宅がどのようにして高い耐震性を実現しているのかを見ていきましょう。
3Dプリンター住宅の耐震技術
3Dプリンター住宅では、以下のような耐震技術が採用されています:
- 鉄筋コンクリート構造
「serendix50」などのモデルは、鉄筋コンクリート造(RC構造)を採用しています。鉄筋コンクリート造(RC造)とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、主に柱や梁、床・壁などに用いられます。鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたもので、鉄筋の引っ張りに強い性質とコンクリートの圧縮に強い性質を互いに補うことで、高強度な構造を実現しています。 - 壁の厚さ
3Dプリンター住宅の壁は非常に厚く、セレンディクス社の「serendix50」では30cm以上の壁厚があります。厚い壁は構造全体の強度を高め、地震の揺れに対して高い耐性を持たせることができます。 - 最新の耐震技術
セレンディクス社は、国内の最先端の耐震技術を取り入れており、シミュレーションや実際の耐震実験を通じてその安全性を確認しています。神戸市の公的機関で行われる実大耐震実験では、実際の地震に近い条件で住宅の耐震性能をテストします。
実証実験の結果
セレンディクス社は、耐震性能を確認するために複数の実証実験を行っています。これにより、3Dプリンター住宅が実際の地震に対してどの程度の耐震性を持つかを評価しています。
耐震、日本基準
セレンディクスの商品は、世界で先端の3Dプリンティングデータの開発を行うグローバル
引用:セレンディクス社HP URL:https://serendix.com/3
チームによって設計されています。
3Dプリンター住宅の技術は欧米の取り組みに注目が集まりがちですが、耐震の構造設計
に関して、日本は多くの知見を持っています。
セレンディクスが提供する3Dプリンター住宅は、日本と世界のエンジニアにより研究開発
された世界最高水準の耐震性を実現しています。
今後の展望
3Dプリンター住宅の耐震性は、技術の進化とともにさらに高まることが期待されています。
今後、より高い耐震性能を持つ住宅が開発されることで、地震に対する安全性が一層向上するでしょう。これには、異なる地震条件下での実証実験の増加が重要です。実際の地震を想定したテストが行われることで、3Dプリンター住宅の信頼性も向上し、より安心して住むことができるようになると考えられます。
近年、地震が全国で多発しているように感じるので、耐震性は本当に気になるところです。
3Dプリンター住宅の材質
出典:セレンディクス公式プレスリリース
材質の選定
3Dプリンター住宅の材質は、住宅の耐久性、断熱性、安全性に大きく影響します。セレンディクス社の3Dプリンター住宅では、特別なモルタルやコンクリートを使用しています。これらの材料は、強度と耐久性が高く、また施工も容易です。
コンクリートの特性
コンクリートは、住宅建築において広く使用されている材料ですが、3Dプリンター住宅では特にその特性が生かされています。具体的には以下のような特性があります:
- 高強度: 3Dプリンターで使用されるコンクリートは、高い圧縮強度を持っており、建物全体の構造を支える力があります。これにより、地震やその他の外部力に対する耐久性が向上します。
- 耐久性: コンクリートは、湿気や虫害に強く、長期間にわたって安定した性能を発揮します。このため、メンテナンスの手間やコストを抑えることができます。
- 断熱性: 3Dプリンター住宅で使用されるコンクリートは、断熱性能が高いものも多く、夏は涼しく冬は暖かい快適な居住環境を提供します。
特殊モルタルの利用
3Dプリンター住宅には、従来のコンクリートに加えて、特殊なモルタルが使用されることもあります。これらのモルタルは、3Dプリンティングプロセスに最適化されており、以下の特性を持っています:
- 高流動性: 3Dプリンティングに適したモルタルは、高い流動性を持ち、細かいディテールや複雑な形状を正確に再現できます。これにより、デザインの自由度が高まります。
- 早期強度発現: 特殊モルタルは、短時間で高い強度を発現するため、施工のスピードを加速します。これにより、建築時間の短縮が可能となります。
断熱材の使用
「serendix50」などのモデルでは、断熱材も重要な役割を果たしています。断熱材は、建物のエネルギー効率を高め、快適な室内環境を維持するために欠かせない材料です。セレンディクス社の3Dプリンター住宅では、高性能の断熱材が使用されており、これにより、夏の暑さや冬の寒さから住む人を守ります。
環境への配慮
3Dプリンター住宅の材料選定には、環境への配慮も重要な要素です。セレンディクス社では、持続可能な素材を使用することに重点を置いており、リサイクル可能な材料や低環境負荷の材料を選定しています。これにより、建築プロセス全体の環境負荷を低減し、持続可能な住宅建築を実現しています。
3Dプリンター住宅の現行モデルとその特徴
Serendix社のモデル
3Dプリンター住宅市場で注目されているモデルのひとつが、セレンディクス社の「serendix10」と「serendix50」です。これらのモデルは、それぞれ異なる用途とニーズに応える設計が施されています。
Serendix10
「serendix10」は、主にグランピングや趣味のスペースとして設計されたコンパクトな住宅です。
- 床面積: 10平米
- 価格: 330万円
- 施工時間: 24時間以内
- 用途: グランピング、趣味のスペース、小規模オフィス
このモデルは、コンクリート単一素材を使用し、3Dプリンターによる自動化された施工でコストと時間を大幅に削減しています。また、ユニークな球体デザインが特徴で、視覚的にも魅力的です。
Serendix50
「serendix50」は、一般住宅向けに設計されたモデルで、夫婦や小規模世帯向けに最適化されています。
- 床面積: 50平米
- 価格: 550万円
- 施工時間: 44時間30分
- 用途: 一般住宅
このモデルは、キッチン、バス、トイレといった水回り設備が完備されており、鉄骨コンクリート造による高い耐久性と断熱性能を持っています。また、日本国内より厳しいヨーロッパの断熱基準をクリアしており、四季のある環境でも快適に過ごすことができます。
各モデルの利点と選び方
3Dプリンター住宅を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
- 価格: 自分の予算に合ったモデルを選ぶことが重要です。
- 施工時間: 迅速な施工を希望する場合は、施工時間の短いモデルを選ぶと良いでしょう。
- 用途: 使用目的に応じて、適切なモデルを選ぶことが必要です。例えば、趣味のスペースとして使いたい場合は「serendix10」、一般住宅として使いたい場合は「serendix50」が適しています。
- 環境性能: 断熱性能やエネルギー効率の高いモデルを選ぶことで、快適な居住環境を実現できます。
3Dプリンター住宅とは?:まとめ
3Dプリンター住宅は、その手頃な価格、迅速な施工、環境への配慮など、多くの利点を持っています。特にシニア世代にとっては、経済的な負担が軽減され、快適で安心できる住まいを提供する重要な選択肢となっています。
僕は賃貸に住んでいますが、3Dプリンター住宅が早く一般的に普及することを願うばかりです。
読んでくださってありがとうございました。
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