「口呼吸は健康被害が深刻」という認識が広がりつつありますが、実はその原因にはストレスや疲れも関係していることが知られています。長期間にわたる口呼吸は、免疫力の低下や口内炎、アレルギー疾患の発症など様々な健康被害を引き起こすため、改善することが非常に重要です。
この記事では、ストレスや疲れによって引き起こされる口呼吸の原因と、効果的な改善法についてご紹介します。口呼吸による健康被害から身を守るために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
口呼吸の危険性
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と口呼吸の関係

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まることによって引き起こされる病気で、重症化すると心臓疾患や脳卒中などの合併症を引き起こすことがあります。口呼吸がこの病気と関係があるとされています。
口呼吸をしていると、上気道の筋肉が弱くなり、口蓋や喉の軟組織が緩み、気道が狭くなるため睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるとされています。
睡眠中に何らかの原因で気道が閉じたり、狭くなって呼吸が止まる(無呼吸)、弱くなる、いびきをかく(低呼吸)、などの症状が現れます。
さらに口呼吸によって、肺に入る空気の量が少なくなると言われています。睡眠中の酸素濃度が低下し、睡眠時無呼吸症候群を悪化させることがあります。
睡眠時無呼吸症候群を発症している場合、口呼吸を改善することで、症状の改善が期待できる場合があります。具体的には、鼻呼吸の習慣を身につけたり、睡眠時に口を閉じるためのデバイスを使用することで、口呼吸を防止することができます。

僕自身も、仰向けに寝ていると無呼吸になり眼が覚めることがあるので、何とか治したいのです。
口呼吸が引き起こす口内のトラブル(口臭、口腔乾燥症など)


- 口臭:口呼吸によって、唾液の分泌量が減少し、口の中の細菌が増殖することで、口臭が発生します。また、口腔内の乾燥によって、食べかすが歯や歯茎に付着し、口臭の原因になることもあります。
- 口腔乾燥症:口呼吸によって、口の中の唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥することで、口腔乾燥症が引き起こされます。この症状は、口の中の粘膜が荒れたり(口内炎など)、口の中の細菌が増殖して口臭を引き起こす原因になることがあります。また、唾液は口腔内の酸性を中和する役割がありますが、唾液が減少すると、歯の表面が溶けてしまう歯のエロージョンを引き起こすことがあります。
- 歯周病:口呼吸によって、口の中の唾液の分泌量が減少し、歯と歯茎の間に歯垢がたまりやすくなります。歯垢が歯と歯茎の間に溜まると、歯茎の炎症を引き起こし、歯周病の原因となります。
口呼吸が引き起こす健康被害(心臓病、高血圧、糖尿病など)


- 心臓病:口呼吸は心臓に負荷をかけ、心臓病の発症リスクを高めるとされています。口呼吸によって、心臓が酸素不足に陥ることがあり、心筋梗塞や不整脈、心不全などの病気を引き起こす可能性があります。
- 高血圧:口呼吸が続くと、交感神経が刺激され、血圧が上昇することがあります。長期的に口呼吸を続けると、高血圧の発症リスクが高まることが知られています。
- 糖尿病:口呼吸によって、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が促進され、インスリンの働きが阻害されることがあります。その結果、血糖値が上昇し、糖尿病の発症リスクが高まることがあります。
以上のように、口呼吸は健康に多大な影響を及ぼすことがあります。適切な改善方法を取り入れ、健康管理に努めることが大切です。
口呼吸の改善方法


口呼吸は、鼻呼吸に比べて不健康な呼吸方法とされています。口呼吸を改善するためには、以下の方法が役立ちます。
- 鼻呼吸を意識する 鼻呼吸は、口呼吸よりも効率的であり、酸素を効果的に取り込むことができます。鼻呼吸を意識して、口を閉じて鼻から呼吸する習慣を身につけましょう。
- 一般的に横向きで寝ることが口呼吸を改善するのに役立つとされています。なぜなら、仰向けで寝ると舌やのどが喉に落ちやすく、口呼吸を促進するからです。一方、横向きで寝ることで、重力によって舌やのどが下がりにくくなり、鼻呼吸を促進するため、口呼吸を防止することができます。
- 枕の高さも口呼吸の改善に影響を与えることがあります。枕が高すぎると、のどが圧迫されやすくなり、口呼吸を促進することがあるため、枕の高さを調節することも考慮してみてください。
- 正しい姿勢をとる 正しい姿勢で座ることで、呼吸がしやすくなります。背中をまっすぐにして、肩を下げてリラックスした状態で座りましょう。
- 口を閉じるための方法を試す 口呼吸を改善するためには、口を閉じることが大切です。口が自然に閉じない場合は、口を閉じるためのトレーニングを試してみましょう。例えば、口を閉じた状態で鼻から息を吸い込む、歯を噛みしめるなどの方法があります。
- 鼻が詰まっている場合は対処する 鼻が詰まっている場合は、鼻炎やアレルギーの治療を受けることで改善することができます。また、軽い鼻詰まりの場合は、蒸気を吸う、塩水を使った鼻洗浄、鼻をマッサージするなどの方法を試してみましょう。
- 「あいうべ体操」という口輪筋を鍛える方法も有効です。声を出す必要はなく、「あ〜、い〜、う〜、べ〜」と口や舌を大きく動かすことがコツです。食後に10回など、1日30回を目安に地道に続けることで口呼吸が改善される可能性があります
- 歯並びが悪いことでお口が閉じにくくなり、舌が収まるスペースが狭くなってしまう場合もあります。このような場合は矯正治療によって歯並びを治すことで、舌を正しい位置に置けるようになったり、出ていた歯が引っ込むことでお口が閉じやすくなる可能性があります
以上の方法を実践することで、口呼吸を改善することができます。口呼吸による健康被害を予防するためにも、正しい呼吸方法を身につけることが重要です。



特に2番と3番は毎日の就寝時にするだけで効果があるので、まず試したいですね。
まとめ


口呼吸が引き起こす健康被害は深刻であるため、改善が必要です。口呼吸によって扁桃が炎症を起こしやすくなり、免疫が低下する可能性があるほか、歯肉炎や虫歯になりやすくなるといったことも指摘されています。
また、口呼吸によって口内炎や歯周病の悪化のみならずアレルギー性疾患の増加にもつながります。以上から、口呼吸を改善することは健康上非常に重要であり、特に子供の場合は、成長や発達にも影響を及ぼす可能性があります。口呼吸は、酸素の取り込みが十分でないため、脳の発達に悪影響を及ぼす可能性があるとも言われています。
さらに、口呼吸は睡眠の質を低下させることがあり、疲れやすさや集中力の低下、学習能力の低下などにもつながることがあります。
口呼吸を改善するためには、まずは鼻呼吸を促すためのトレーニングを行い、睡眠時には口を閉じるためのアプリアンスを利用することが重要です。また、歯科医師や耳鼻咽喉科医師に相談し、口呼吸による健康被害を防止するための適切な治療を受けることも大切です。
口呼吸は、健康に悪影響を与える多くのリスクがあることが明らかになっています。そのため、早めの対策を行い、口呼吸を改善することが必要です。
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